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2003年5月14日(水)

任天堂カンファレンス詳細レポートその2岩田氏とハリスン氏による質疑応答

 任天堂のカンファレンスでは、約1時間の発表会の後、任天堂代表取締役社長の岩田聡氏&Nintendo of Americaのジョージ・ハリスン氏と、出席したプレスによる質疑応答の時間が設けられた。以下では、その質疑応答の主な内容を紹介する。

――本日、SCEが携帯ハードを発表したが、携帯ハードのマーケットでリーダーシップをとり続けるための戦略は?
 SCEが携帯ハードを発表したという話は私も先ほど聞きました。いろいろな機能を詰め込んだ非常にソニーさんらしいマシンだなと思いました。でも発売が2004年の年末ということですし、いまは携帯ゲームのマーケットはほとんどすべて我々が抑えているわけですから、いますぐ慌てふためく必要はないと思っています。もちろん今後も魅力的なゲームをお客様に提案するための努力は続けていきます。

――ゲームキューブは子供向けのハードというイメージがあるが、高い年齢層にアピールするためになにか考えていることは?
 私たちの調査では、ゲームキューブを持っている人の4割が18歳以上という結果が出ています。今後は、『バイオハザード』や『メタルギアソリッド』といったゲームを増やして、そうした年齢層にアピールしていきたいと思います。

――ゲームキューブをインターネットに接続する予定はありますか?
 まず言っておきたいのですが、私たちはネットワーク技術をゲームに応用することには別に否定的ではありません。ただこれだけ多くの人が「次はオンラインゲームだ!」と言っているのにもかかわらず、誰も大もうけしていない、という現状をみると、私はビジネスモデルの構造そのものに問題があるのではないかと考えています。毎月ユーザーさんからお金をいただかなくてもできるようなネットワーク技術の使い方がないのかとずっと考えていて、近い将来そういうことをお話したいと思っています。

――今年度の売り上げ目標を教えてください。
 我々は今年度、ゲームキューブを600万台、ゲームボーイアドバンスを2,000万台を販売したいと考えています。そしてそれは十分に達成可能だと考えています。

――ゲームキューブが最近まであまり売れていなかった理由は?
 まず、ひと昔前と比べて、ゲームのマーケット自体が変化しているということがあります。以前は強力なソフトを1つ出せばよかったのですが、最近はそうではなくなってきています。その意味では力のある商品を束になって出していかないと、お客さんにハードを買ってもらえない。ただ、我々も反省すべきところは反省して行動をとっていますし、その成果はきょうのプレゼンテーションでわかっていただけたのではないでしょうか。

――携帯ハードの多機能化、携帯電話やPDAとの融合についてどう考えていますか?
 携帯電話との融合は我々もずいぶん検討しました。そしてそのリサーチの結果、簡単にはいいものを作れないし、競合商品もその問題を解決できていないという現実に至りました。具体的には価格の問題であり、他社がやるとしたらゲームライブラリの問題があるでしょう。当社がやるとしてもハードの設計の問題があります。私がもっとも難しいと思うのは電池の問題で、人と話すための電話が肝心の時に電池切れを起こしてしまうのでは意味がないでしょう。これを解決するためには今以上の技術の進歩が必要だと考えています。

壇上で質疑に答える岩田氏とハリスン氏


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