News

2003年5月14日(水)

SCEカンファレンス詳細レポート2北米のオンラインから新携帯ゲーム機「PSP」まで

 レポートその1では「コンテンツ」と「ハードの進化」についてレポートしたが、ここでは「コミュニティ」つまりオンライン展開と「マーケット拡大」についてお伝えしていこう。

 まずオンラインの展開について、平井氏はネットワークアダプタの販売数が北米で60万台を超え、大きなコミュニティができるなど、オンラインゲームムーブメントのための下地ができてきたとコメント。またオンラインゲームプレイヤーの73%は18歳から34歳に固まっており、その中で男性の割合は98%であると調査結果を明らかにした。なお、北米のPS2を使ったオンラインゲームプレイヤーの回線を見ると、ブロードバンド回線が58%、ダイアルアップ、いわゆるナローバンドが42%の割合となっており、あまり速くない回線を使っているプレイヤーは、まだまだ存在しているとのこと(ちなみに、DOLのユーザーの85%以上がブロードバンド環境にある)。

 この後北米でのオンラインゲームタイトルの紹介に入り、『SOCOMII』、『FFXI』といったソフトが紹介されたが、平井氏は「オンライン展開の成功のカギを握っているのはスポーツゲームである」と語り今後スポーツゲームをオンライン展開の中心に据えていくことを明かした。また、それに際して2003~2004シーズンのEAスポーツタイトル9作品が、オンライン対応となって発売されることも発表された。 この発表の後、オンラインタイトルの1つ『Tiger Woods PGA TOUR 2004』のオンラインデモプレイになんと本物のタイガー・ウッズが中継映像でスクリーンに登場! 会場はこれまでにないくらい沸きに沸いた。ヘッドセットを使い、遠隔地からウッズは会場側のプレイヤーとオンライン対戦を実演、ゲームといえど真剣なまなざしの彼が非常に印象的だった。

 そして最後に「マーケット拡大」のセクションに入るが、ここではSCE代表取締役社長の久夛良木氏が登場し、本日の目玉である「PSP」の発表を行った。久夛良木氏は「PSファミリーにベイビーが誕生します」と宣言した後「でも、PS3じゃないよ」とジョーク(もちろん英語で)を飛ばし、「PSP」を発表。概要は先にお伝えしたが、60mmオプティカルディスク「UMD(Universal Media Disc」を使用、容量は1.8GB。4.5インチバックライト付TFT液晶の画面で、電池は充電可能なリチウムイオンバッテリーを採用している。グラフィックはポリゴンが使用でき、MPEG4規格に対応し、動画も使用できる。入出力にはUSB2.0、メモリースティックが搭載され、PS2やPCなどとデータのやり取りが可能だ。注目に値するのは、サウンドとグラフィックが1チップに収められており、かなりの省スペースが実現しているということ。

 まだ外形のデザインなどは明らかにされていないが、このスペックを見る限りでは非常に期待が持てるのではないだろうか。久夛良木氏が最後に宣言した「the "Walkman" of the 21st century(21世紀の"ウォークマン")」の言葉にもこのハードに対する自信が強く表れていると言えるだろう。

本物のタイガー・ウッズだ! スクリーン越しではあるが、かなり感動。アメリカの英雄とあって、会場の盛り上がりもものすごかった。

いつになくにこやかに登場した久夛良木氏。この後にあんな爆弾発表があるなんて……。

これがUMD。ケースに収められているが、直径60mmは本当に小さい。メモリースティックも使えるため、非常に汎用性の高いゲーム機になりそうだ。


■関連記事
2003年5月14日
速報 SCEカンファレンス レポート 携帯型新ゲーム機「PSP」の市場投入を発表
2003年5月14日
SCEカンファレンス 詳細レポートその1 ハード戦争の終結後の戦略とは!?

■関連サイト
SCE
SCEA
E3 2003