先にニュースで「PSP」が発表されたとお伝えしたが、他にも本当に様々なことがSCEAのプレスカンファレンスで明らかにされた。ここでは、会場でどんな発表があったのかを順を追って紹介していくことにしよう。
まず、司会はもはや恒例となったSCEAプレジデント&COOのカズ・ヒライ(平井一夫)氏。平井氏は、最初にエンターテインメント媒体の歴史を振り返り、1880年のレコード、1920年の映画、1950年のTV、1975年の『ポン』から始まったビデオゲームを挙げ、これに続くエンターテインメントの大きな節目として、1995年のPS発売開始、1998年に世界最大の市場規模到達、そして2000年にPS2がゲームビジネスの革命をもたらしたと語った。
続いて、全世界でPS本体が9,641万台、PS2本体が5,120万台、ソフト面ではPSが累計9億1,700万本、PS2が累計3億5,000万本売れ、2004年までにさらにPS、PS2合わせて2億5,000万本追加されること明らかにし、昨年平井氏が発言した「ゲーム機戦争は終わった」という言葉を裏付ける結果となったことを報告した。
次に平井氏は、「未来に続く橋を築くための4つのプラン、コンテンツ、ハードの進化、コミュニティ、マーケットの広がりについて、デモンストレーションします」と語り、カンファレンスの本題に入った。
1番目の「コンテンツ」について、まずは『METAL GEAR SOLID 3:SNAKE EATER』のリリースが発表された。これはこの後のコナミカンファレンスのレポートの中で詳しくお伝えする予定だ。このセクションで平井氏は、ミリオンヒットとなった作品を次々と挙げた他、SCEの持つスタジオでも『ジャック×ダクスター』や『ラチェット&クランク』、北米では日本での発売が決定している『SOCOM:U.S.Navy SEALs(現時点では北米のみ発売)』等が全世界でミリオンを達成していることも話し、強力なコンテンツが作れる状態がすでに整っていることを強調した。
続いて今後発売される作品に移り、『RISE to HONOR』のゲーム画面やメイキングなどの映像が流れた後、いよいよ『グランツーリスモ4』のプロデューサーでポリフォニーデジタルプレジデントの山内一典氏が登場。海外でも大ヒットしたシリーズのプロデューサーとあって、場内大きな拍手に包まれた。かっこいいデモ映像が流れた後、山内氏は『GT4』についてのプレゼンを披露。この中で山内氏は「『3』のときはPS2の能力をいかに伝えるかだけを考えればよかったのでそれほど悩みませんでしたが、『4』は(PS2で)2回目ということで、やれることはまだあるだろうということを考えて作っています」と語り、「目標は『GT4』がPS2における新しいテクノロジーのベンチマーク(基準点)となること、また『GT4』で車のライフスタイルを追究すること。PS2の能力は、まだ終わりには来ていないと思っている」と、非常に高いレベルに目標を持っていることを語った。もちろん場内の関係者も、期待に満ちあふれた反応を見せていた。
2番目の「ハードの進化」セクションでは、まずネットワークアダプタがPS2本体に同梱された「オンラインパック」が北米で6月に発売されることを発表、価格は199米ドル。このパックは、オールインワンにすることでオンラインゲームを始めたい人の障壁を取り除くことが狙いとなっており、オンラインゲームで遊ぶ人の層をこれまで以上に広げるためのものだ。ちなみに本体については、日本でも発表されている新PS2(SCPH-50000)と機能的に同等の仕様らしい。
これに加え、まったく新しいUSBカメラタイプの周辺機器「EyeToy」の開発も明らかにされた。この機器は、SCEAが約2年かけて開発したもので、撮った映像をUSB端子を通じてPS2に取り込むだけでなく、カメラの前に立った人の動きも判別できるというもの。例えば、カメラの前の人が手をどこにかざしたか、などが内蔵のセンサーでわかる仕組みとなっている。デモンストレーションでは、横から飛び出してくるターゲットをパンチで弾いていくゲームや、カメラの前で手を振ることで窓の掃除ができるゲームなどが公開された。会場では、プレイしている人のコミカルな動作に爆笑の渦となった。この「EyeToy」は、まず北米で2003年10月に39米ドルで発売される予定。ちなみに12個のミニゲームが収録されているとのことだ。
この他、こちらも北米の話だが『SOCOM』に同梱されていたUSBヘッドセットが9月に単体で発売されることも発表。価格は29米ドルで、新作『SOCOMII』の他、SCEAのスポーツタイトルやEAスポーツ、セガスポーツのタイトルなどにも対応する予定となっている。
前編はとりあえずここまでで、残り2つのセクションは後編でレポートしていく予定 。お楽しみに。
世界中から多くの報道陣が会場に駆けつけた。いったいどのような発表があるのか、期待に胸を膨らませて受け付けを待つ。
昨年は「ハード戦争は終わった」という発言で物議をかもした、司会の平井氏。今年はその言葉が真実だったことを、数字を見せてアピールした。
コナミのカンファレンスよりひと足先にタイトルだけ発表した『MGS3』。もちろん会場は歓声と拍手だ。
前作と比べ背景や車自身も格段に進歩している『GT4』。「ライフスタイルの追究」まで視野に入れた作品だけに、どのような完成度になるのか注目される。
「車の歴史を、『GT』でしかできない文脈で読み解いてみたい」と語る山内氏。その思いがどのよう形で具現化するのだろうか。
こちらはネットワークアダプタが同梱となる「オンラインパック」。周辺機器を買うのがなんとなく面倒な人にピッタリ。
これが「EyeToy」。画面の上に置いて使う。どのような遊び方ができるかまだ完全にはわかっていないので、「ポテンシャルはエンドレス」とのこと。
画面に映る自分の手を、画面上のボタンにかざすと反応する。
画面の手が触れることで、敵をやっつけることができるミニゲーム『KUNGFOO』。
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