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2003年5月15日(木)

任天堂のE3記念会見で新事実!!発表会で未発表のGC新作『STAGEDEBUT』

 本日5月15日(現地時間5月14日)任天堂は、一部のプレスを招いて記者会見を行った。出席者は宮本茂氏(任天堂)、小島秀夫氏(コナミ)、デニス・ディアック氏(シリコン・ナイツ)の計3名。

 会見は『METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES』『BOKTAI(ボクらの太陽)』の小島秀夫監督作品2タイトルの紹介から幕を開け、任天堂のGBA新作『The Legend of Zelda:Tetra's Trackers』の解説映像が初めて公開された。このソフトは『FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES』と同様に、ゲームキューブに4台のゲームボーイアドバンスを接続して遊ぶことができる“コネクティビティ”を活かした新作タイトルとのことだ。

 そして、ここからが本番。前日のプレスカンファレンスでも公開されなかったGC用新作ソフト『STAGE DEBUT』が、突然のお披露目となった。この『STAGE DEBUT』は、GBAにカメラをセットして写真を撮り、顔写真をソフトに取り込むことによって、ゲーム中に自分の分身を作ることができるというユニークなタイトルとなっている。ゲームとしての明確な目的や勝敗はとくに設定されず、オリジナルのキャラクターを作ること、およびそのゲーム中の世界で過ごすことを楽しむタイプのソフトになりそうだ。また、このタイトルはカードeリーダーにも対応しており、『どうぶつの森』のカードをカードeリーダーで読み込むと、ゲーム中の世界にそのどうぶつキャラクターが登場する、という仕掛けも用意されている。なお、すでに販売されている『どうぶつの森』のカードにすべて対応しているとのことだ。

 宮本氏曰く「こんなバカなものを3年もかけて作ってるんですけど、そのうちみなさんのお手元に届けられると思います」とのことで、発売日等はまだ未定。なお、記憶している人もいるかもしれないが、実はこの『STAGE DEBUT』は、以前64DD用に開発されていた『タレントスタジオ』のバージョンアップ版となっている。宮本氏は「64DDの頃から作ってるんで、なんで作り始めたのかわかんなくなっちゃってるくらいなんですよ。モノを作るのは面倒だけどすごく楽しい。だから、これで誰でも簡単にモノ作りを楽しめるということで。『マリオペイント』の続きとして作ってるんですよ」とコメントしてくれた。

 また、『STAGE DEBUT』のゲーム性については、『どうぶつの森』を例に挙げ「例えば『どうぶつの森』にはゲームは入ってないんですよ。世の中では、ゲームは遊びたいけど難しいゲームはやりたくない。でも毎日ゲーム機の電源は入れたいっていう人がたくさんいるんですね。そういう人向けのモノって、5年ほど前に言うとバカにされたんですけど、2年前に出したら売れるようになってた。ゲームの好みっていうのはどんどん変わってると思います」と発言。続けて「だから、新しいチャレンジを昔の型にハメるんではなくて、それがそのままの形で受け入れられる時代が来るのを、ぼくらはただ待ってるっていうところがありますね」と語ってくれた。

 以上、淡々としつつもユーモアたっぷりの記者会見は無事に終了。『SAGE DEBUT』の発表という思いがけないサプライズに加え、『マリオ』や『ドンキーコング』についての宮本氏の発言あり(後記)、ファンにとってはたまらない内容だったのではないだろうか。

■宮本氏と一問一答
――コネクティビティと次回作について教えてください
 今年もE3にはコネクティビティ関係のソフトをいろいろ出してまして、本当はそのうちのひとつを『マリオ』にしたかったんだけど、今回は『パックマン』のほうが似合ってるということで『パックマン』にしました。来年は『マリオ』をやりますよ。ぼくら東京にも会社作ったんで、『マリオ』とか『ドンキーコング』とか、まだまだいろんなソフトを作っていきたいと思ってます。

■小島監督と一問一答
『METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES』について
――GCとGBAのコネクティビティ(連携)を予定していますか

 宮本さんからかなり前に、「コネクティビティを使ってなにかできないか?」というお話をいただきまして。実はすでに企画を作っています。ぼく的にはかなりおもしろいものになっていると思います。あとは、デニスさんにそれを作ってもらうだけですね。
――GC初の『メタルギア』はどういうものになりますか
  『メタルギアソリッド』というのが5年前のゲームなんですけど、これが世界観やストーリーの評判がよかったです。『メタルギアソリッド2』もアクションやシステム面を中心に評価が高かったです。それでGC版を作ろうと考えたときにどうしようかと思って、両方のいいところをあわせて作ろうと思いました。だからただの焼き直しではなく、いちばん遊びやすいゲームシステムでいちばんいいストーリーを遊ぶことができるということです。
――シリコン・ナイツ社と組むことになったきっかけは?
  我々はゲームキューブ用のソフトを作るのははじめてだったので、宮本さんに相談したところ、シリコン・ナイツ社を紹介していただいたんです。で、スタジオナイツのスタッフが来日して会いまして、ゲームつくりのスピリッツの部分で意気投合しました。
『BOKTAI』について
――太陽を利用するという新しい試みのためにいろいろな実験をされましたか。

  会社が東京の恵比寿というとこにありまして、毎日朝から晩まで外でチェックしてました。もうすぐ日本版が発売になるんですけど、これは北海道から沖縄、鳥取砂丘など、いろいろなところでチェックをすすめています。非常に機密性の高いプロジェクトだったんですけど、毎日スタッフが朝から晩まで外でやってたので、近所の人にはかなりバレてるんじゃないかと思います(笑)。

豪華すぎるツーショット。2人ともアメリカにおける人気は非常に高い。

宮本氏が手にしているのは、カードのサンプル。

小島秀夫監督は「宮本さんがいるから今の自分がいる」とコメント。最上級のリスペクトだ。

これが『STAGE DEBUT』のオープニング。宮本氏、山内氏、岩田氏の任天堂首脳陣3人がひたすらダンスを踊るシュールな光景。

『STAGE DEBUT』にピクミンも登場。意外とデカくてビビります…。

『STAGE DEBUT』には特定のカードをカードeリーダーで変換すると、そのデータ内容に応じたキャラクターが登場する。


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■関連サイト
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