マルチプラットフォームになってから、多くのタイトルを各機種にリリースしてきたセガ。E3に出展された魅力的なラインナップを見ると、その勢いは今年も止まりそうにない。そんなセガブースの詳細をレポートする!
まずは、巨大スクリーンに流れていたビデオに登場したタイトルから。
『Altered Beast(仮)』(PS2)は、主人公がさまざまなビーストに変身できる能力を持つ。その能力を使って迫り来る敵と戦うACTで、E3会場では戦闘シーンが公開されていた。巨大スクリーンで見ていると、敵のおどろおどろしい感じに圧倒される。暗い森の中のステージも、独特の雰囲気を醸し出していた。悪に打ち勝つため、悪以上の人間となった人間の未来とはいったい? ちなみに原作は名作『獣王記』。
『Kunoichi(仮)』(PS2)は、現代の大都市を舞台に女忍者が大暴れするACT。高層ビルから飛び降りるスピード感がとても印象的だった。忍者の域を超えているようなものすごいアクションシーンは、ハリウッド映画を思わせる。見守る人たちも、主人公のアクションに釘づけの様子。もちろん、彼女の美貌&ナイスバディにも注目!
『どろろ(仮)』(PS2)は、同名の手塚治虫作品をベースにしたACT。ゲームの世界観は秀逸で、リアルに描かれているが、原作のイメージを損なうことなく独自の世界観を出せているようだ。主人公の百鬼丸の表情や、左腕に仕込まれた刀を出すシーンは迫力満点。人間らしさを取り戻す旅に出た百鬼丸が、多彩な武器を駆使して戦いを繰り広げるブレードアクションに注目!
お次は、試遊することのできたタイトルを紹介。
まずは、『ソニック』シリーズの最新作となる『ソニック ヒーローズ』から。今回はプラットフォームを拡大し、PS2・Xbox・GCの3機種で発売する。特に、PS2・Xboxでは初めての“ソニック”となるだけに、気になるファンも多いハズ。ブースには3機種版すべてが出展されており、それが3つともまったく同じように遊べた。ソニックチームの開発力、恐るべし! 基本的なゲームの雰囲気は、『ソニックアドベンチャー』(DC・GC)シリーズのソニックステージに近い感じ。遠くの景色がより鮮明になっていたりと、グラフィック的にもパワーアップしているのが伝わってくる。そんな3Dステージを、超音速で突っ走る快感! これはもう、理屈じゃなく気持ちいい! どのくらいかと言われれば、プレイしていると思わず、「うひょーーーー!!」と口走るくらい。プレイした人は国籍問わず口走っていたんだから間違いない(ハズ)。そんな、シリーズ最大の魅力であるスピード感は、これ以上ないレベルにまで高まっていて、プレイ後は自分の周囲の動きがなんだかスローモーションに見えるほどだった。
そして肝心のヒーロー“ズ”について。なんと今回のソニックは、3人からなるチームそのものを操作していく。メインとなるキャラクターを操作すると、その後ろから他の2人がついてくる。見た目が賑やかになっているが、それだけでなくそれぞれのキャラ特性を生かしてゲームを攻略することになる。ソニックのチームならば、ソニックがスピード、ナックルズがパワー、テイルスが飛行といった特性を持ち、先頭に立ったキャラ(自由に入れ替え可能)の特性が出るようになっている。長いループがあればソニックに、ガケがあったらテイルスに、敵がたくさん現れたらナックルズにといった具合だ。このチームアクションの導入により、マップの仕掛けもより多彩なものになっている。特定のキャラでなくては進めない部分があることで、これまで以上に探索時の選択肢が増えている。E3バージョンではソニックのチームでしかプレイできなかったが、もちろん他のキャラも登場するのでご心配なく。前作から大きな進化を遂げた、ニューソニックの活躍に酔いしれよう!!
また、ソニック作品は他にも『Sonic Adventure DX Director's Cut』(GC)、『ソニック ピンボールバーティ』(GBA)、『ソニック バトル』と計4タイトルも出展されていた。セガの看板キャラクターで、全世界的に大きな認知度を誇るソニックの存在が、ますます大きなものになってきていることを感じさせる出展内容だった。
そのソニックの生みの親であるのが、ソニックチームの中裕司氏。その中氏が送るまったくのオリジナル新作が、『ジャイアントエッグ ~ビリー・ハッチャーの大冒険~』だ。主人公の少年が世界に朝を取り戻すべく、ニワトリの長老たちを助けるために旅立つACTで、タマゴを転がすという、独特のアクションを駆使してステージを進めていく。タマゴを転がすと聞いてもちょっとピンとこないかもしれない。だがしかし! やってみると楽しい。転がすとは言っているものの、プレイした感覚としては、「オラオラオラ!!」とタマゴをどついているイメージの方が近い。これがまず単純に気持ちよかったりして素敵。なにしろ、タマゴのくせに絶対に割れません。もう、ガンガンどついて大丈夫。この勢いで敵をなぎ倒していくと、もうやみつきになること間違いなし。このやみつき度を例えるなら、梱包などに使うエアパッキン(俗称:プチプチ)をつぶしていく感じ。また、タマゴなだけにややいびつなを形をしているが、このあたりが回転に影響してきて、決してきれいにまっすぐ転がってくれない。この微妙な感覚がうまく再現されていて、「ああ、自分は今タマゴを転がしてるんだー」という気持ちにさせてくれる(ホントか?)。また、タマゴにエサをやって成長させていくと、どんどんタマゴが巨大化する(結構大きくなってビックリ)。おまけにタマゴからかわいい生き物が生まれるんだから、気分はすっかり親鳥の心境(主人公の少年はニワトリの格好をしてたりするし)。
ゲーム的には、生まれた生き物たちとも協力して、先を目指すことになる。さらに、タマゴは転がす以外にもさまざまなアクションをさせることができる。ジャンプして上からプレスしたり、ヨーヨーのように投げつけたり(ブーメランのように戻ってくる)。これらのアクションを駆使して進んでいく。今までにない、斬新なタマゴアクションに期待しよう!!
この他、会場できちんとオンライン6人対戦ができたのが『Sega GT Online』(XBox)。その極限まで再現されたリアルさは、もはや言うことなし。スピード感も抜群で、RCGファンにはたまらないタイトルだ。会場では大きなおじさん(ホントに大きかった…)に完敗してしまったが、発売されたらオンラインでリベンジしていきたいところだ。
さて、その他には人気オンラインRPG『PSO』の最新作も試遊できた。そのタイトルが『ファンタシースターオンライン エピソード3 カードレボリューション』ということからもわかるように、これまでのシリーズとはひと味違ったカードゲームになっている。プレイヤーはデッキを組んで、マスに区切られたステージで敵と対決する。お互いにカードを出し合って戦う、ターン制の戦略バトルが展開。会場ではごく小さなマップでの対戦プレイができたが、ダイスを振ってそのポイント分のカードを使ったり、キャラを行動させて戦うといった、一連の流れが楽しめた。
さらに、ブースの一角を占めていたのが、2K4シリーズの各作品だ。『NFL』『NBA』『NHL』『NCAA』と、人気のスポーツゲームが大量に並んでいた。アメリカではこれらのスポーツゲームに対する人気が高く、試遊台の前には人の列が切れることなく続いていた。どの作品もキャラクター動きが自然で、テレビ中継を見ているかのよう。スポーツゲームの進化を肌で感じることができる、超リアルなスポーツゲームの数々だった。
以上のような良質のソフトがたくさん並んでいたセガブース。記事を書くために泣く泣く引き上げてきたが、そうでなければずっと遊んでいたかったくらい。そんな粒よりのタイトルラッシュに、すっかり酔いしれてしまったセガブースでした。
不気味な敵が主人公に襲いかかる! これらのさまざまな困難をくぐり抜け、生き残ることを目指す。ややダークな設定にも注目したい。
現代都市と忍者というマッチングが、とても不思議な感じ。忍者との対決はもちろんだが、現代兵器との対決も楽しみなところだ。
左腕に仕込まれた刀を取り出す百鬼丸。この他、足に仕込まれたバズーカなど、さまざまな武器を駆使して戦いを切り抜ける。
ブースの一角をソニックが占領。今年はソニックイヤーとなりそうな勢いが感じられた。セガの看板キャラクターとして、ソニックはこれからも走り続ける!
3人を交代させながら進んでいく『ソニックヒーローズ』。ステージ途中では、タイプによる分岐が生じる。これまで以上に、ステージを探索する要素が強くなっているのだ。
とにかくタマゴを転がしているだけで楽しいジャイアントエッグ』。ステージの仕掛けを解くにも敵を倒すにも必ずタマゴを活用する、一味違ったACTなのだ。
会場でオンラインの通信対戦が楽しめた『Sega GT Online』。人との対戦は、コンピュータとの対戦より熱くなるもの。それがオンラインで気軽に楽しめるのは大きい。
A・RPGだったこれまでのシリーズ作品とは、また違った雰囲気に。登場するカードには、これまでのシリーズのキャラクターやアイテムが用いられている。
ブースには2k4シリーズの作品がずらりと並ぶ。一連の作品の開発は、Visual Concepts Entertainment が行っている。
■関連サイト
・セガ
・E3 2003