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2003年6月8日(日)

アミューズメント施設LEDZONEプロデューサーが、専門学校で特別講義を開催

 6月7日、日本工学院専門学校にて、ナムコの新形態アミューズメント施設LEDZONEプロデューサーの土屋哲夫氏、同じくLEDZONEプロジェクトチームの千葉真弘氏、Acegamer.netの犬飼博士氏による、特別講義が開催された。

 LEDZONEは、LANを使用したナムコのエンターテインメント実験店舗。蒲田駅前の東急プラザアネックス2階にあり、設置されたPCで主観視点STG(FPS)『カウンターストライクネオ』の対戦を楽しめる。雰囲気としては、ゲーム筐体ではなくPCが置かれたゲームセンター、あるいはネットカフェのような、新形態のアミューズメント施設だ。

 昨日行われた講義は、ネットワークゲームの現状の解説、LEDZONEに導入されている主観視点STG(FPS)『カウンターストライクネオ』のステージ設計の実演、プロ選手が生まれつつあるゲームの大会「e-sports」についてといった内容のもの。3パートに分けて行われ、多数のゲームクリエイターを目指す学生が講義に聞き入った。

■パート1:講師 土屋哲夫氏
 パート1では、土屋氏によりネットゲームの基本と、LEDZONEのコンセプトの説明が行われた。これによれば、MMORPGなどのサーバー接続型ゲームは、パーティを組むと区切りのいいところまでゲームを終了することができない、マナーの悪いプレイヤーに遭遇することがある、対戦型ゲームのように気心の知れた友人同士だけでのプレイが難しいという欠点があるという。

 一方、間もなくオープンが予定されているLEDZONEでは、これらのポイントを解決するために、ゲームセンターのように友だちと、学校帰りや休みの日に立ち寄れるような場所にしたとのこと。また、すべてのマシンに『カウンターストライクネオ』のみを導入することで、常に対戦相手がいることを目指している。また、日本のネットカフェは、まるで図書館のように静かにインターネットを楽しむ店舗が多いが、LEDZONEは韓国などで一般的なPC-VANのように、友だち同士でわいわいとLAN接続タイプのゲームを遊べるのが特徴となっている。

■パート2:講師 土屋哲夫氏、実演 千葉真弘氏
 パート2では、『カウンターストライクネオ』のステージ設計の実演が、千葉氏の手によって行われた。この実演では「ハンマーエディタ」というツールを使用して、実際に対戦用マップ製作の様子が披露された。

 このマップの作成は一般的な3Dグラフィックツールに似たもので、オブジェクトを配置してテクスチャーを設定、属性を決めていくことでステージを作れるというもの。FPSでは、ステージの設計がゲームのおもしろさを決める重要な要素なので、誰でも手軽にステージ設計が可能な「ハンマーエディタ」は、ゲームクリエイターの企画力養成ツールとしても、非常に有効とのことだった。

 そもそも『カウンターストライク』自体が、『Half-Life』というゲームのMOD(外観やデータを変更するデータ)によって生まれた作品。ゲームを1から開発するだけでなく、MODの作成や優秀なステージ作成などによって、ゲームクリエイターとして成功する道があることを、土屋氏は説明した。

■パート3:講師 犬飼博士氏
 最後となるパート3の講師は、日本のプロゲーマーのマネージメント、日本予選大会を実施しているAcegamer.netの犬飼氏により、世界規模のゲーム大会の解説や、日本人選手の紹介が行われた。

 現在の日本ではPCゲームの認知度は家庭用ゲームに比べると低いが、それでも「D2」というチームや、HALEN選手といったプロゲーマーが誕生しつつあるとのこと。特にHALEN選手は、昨年の「ワールドサイバーゲームズ」で優勝しており、ゲーム大会関係の収入が、年間600万円に達したという。

 また、世界規模のゲーム大会は「ワールドサイバーゲームズ」のほかに、「CPL」というものがあり、こちらの日本予選をAcegamer.netが開催する運びとなった。先日電撃オンラインでも、CPL日本予選についてのニュースをお届けしているので、詳細についてはそちらを参考にしてほしい。

教室がほぼ埋まるほどの生徒でいっぱいになった特別講義。

ナムコの土屋氏が、LEDZONEのコンセプトを説明。

講義終了後、出席した学生は2時間限定で、LEDZONEで遊ぶことができた。

ハンマーエディタを使用して、実際に『カウンターストライクネオ』用ステージを作成。簡単な操作で、誰でも気軽に使用できるのが特徴となっている。

千葉真弘氏は、実は今年日本工学院専門学校を卒業したばかり。しかし、すでにLEDZONEで「ハンマーエディタ」の使い方を教える立場にある。

Acegamer.netの犬飼氏による、e-sport関連の講義。プロゲーマーの年収に驚く学生も多かった。

現在参加チーム募集中の「CPL2003」。賞金総額2,400万円という、非常に大きな規模のゲーム大会だ。


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■関連サイト
LEDZONE
Acegamer.net
日本工学院専門学校