本日のXbox カンファレンス 2003 Summerでは、この冬から来年にかけて発売される注目タイトルの中から、『Project Gotham Racing 2』『True Fantasy Live Online』『NINJA GAIDEN』の映像が公開された。これらのデモの様子をレポートしよう。
■『Project Gotham Racing 2』
米Bizarre Creations開発の、人気レースゲーム第2弾。会場には、リードサウンドデザイナーのニック・ウィズウェル氏が登壇し、本作のプレイデモの紹介と、見どころの解説が行われた。
この解説によると、グラフィック、物理エンジン、サウンドをすべて0から設計しなおして、全体のクオリティアップを図ったという。さらに、登場する車の種類は2倍以上、コースとなる街も増えている。また、すでにお伝えした通り、目玉としてエンツォ・フェラーリも登場し、フィレンツェなど世界各国の都市を走ることができるのだ。
そのほか、本日初公開の映像として新コース「YOKOHAMA」の実際のプレイ映像が公開された。この横浜、去年の11月に日本へ調査にきてデータを作成したとのことで、観覧車やランドマークタワーといった、横浜を代表する建築物がしっかりと登場している。
■『True Fantasy Live Online』
『ダーククロニクル』などでおなじみレベルファイブが開発を進める、Xbox期待のMMORPG。こちらも本日初となる新映像が公開され、レベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏より、本作の魅力が語られた。
まず、映像を公開する前に日野氏より、「開発の進行は順調に進んでおり、これから徐々に情報を公開することができるようになります」と、システムなどの詳細が公開できる段階まで開発が進んでいることが発表された。また、本日の映像について「こういう発表会では、映画の宣伝フィルムのようなものを見せたくなるが、本日は生のプレイの様子をドラマ仕立てに編集して持ってきました。前編と後編に分かれていますので、まずは前編をご覧ください」と、説明が行われた。
公開された新映像は、クレリア王宮騎士団に所属するプレイヤーが、クエストをクリアするために仲間を集めて冒険の旅に出るという内容のもの。最初の仲間を集めるシーンでは、酒場風の建物の中でボイスチャットを使い、他のプレイヤーを冒険に誘う様子を見ることができた。
また、このシーンでは、キャラクターの上部に表示された名前は、一定時間後に非表示状態になることや、ボイスチャットで発言中のプレイヤーからは、右の写真のように音波のようなものが表示されるシステムが用意されていることがわかった。
仲間を集め終わった後は、装備を整えるシーンに移行。ここでは、装備品に応じてキャラクターの外見が変化する様子を見ることができた。
その後、町の外に出て目的地へ向かうシーンでは、馬のほかにトカゲのような竜に乗るプレイヤーも。また、会話の中で「馬車に乗ろうかと思ったけど、みんな乗り物を持っててよかった」という発言もあったので、馬車を借りるか定期便のようなものがあるようだ。
ここで前編が終了し、日野氏よりボイスチャット採用についての説明が行われた。これによれば、「最初は恥ずかしいんじゃないかと思い、反対していた」という話だが、「細かい感情表現が可能なことと、キーボードでは面倒で発言しないような、どうでもいいことでも言ってみようかという気分になる」というメリットを考えて、採用を決定したという。また、「MMORPGには、装備に関してなど会話のネタが豊富にあるので、ボイスチャットと相性がいい」とのことだ。
続く後編は、主に戦闘シーンの様子がメイン。詳細なシステムはいまだ発表されていないが、敵と敵の間を縫うようにして移動したり、リアルタイムに戦況が進むなど、ややアクション要素を重視した戦闘のように見えた。
また、戦闘以外のシーンの見どころとしては、NPCから買い物をする際に、フキダシを使ってメッセージが表示されていたこと。さらに、プレイヤーはここで「バストアップドリンク」を購入したようで、飲んだとたんに胸が大きくなるシーンも。『TFLO』では、キャラクターの身長や体格を一定の範囲で自由に設定できるので、アイテムなどを使えばこれを変更することもできるようだ。髪形についても、ムービーの最後に料理、鍛冶をするシーンに続いて、床屋のシーンが映っていたので、プレイ中に変えることが可能なのかもしれない。
以上の映像上映が終了した後、日野氏は「MMORPGは一般のゲームユーザーにはまだ認知されていないが、こういったプレイ映像などで楽しさを伝えていかなくてはいけないと思っている。『TFLO』をたくさんの人に遊んでもらうため、どうやったら普及できるのか、いろいろと考えています」と、MMORPGの楽しさを、多くの人にアピールする方法を模索しているとコメントした。
■『NINJA GAIDEN』
テクモのTeam NINJAが開発している、爽快忍者アクションゲーム『NINJA GAIDEN』。本日は、E3で公開されたムービーのほか、デモ用に作れられた特殊なバージョンのプレイアブルデモを使用し、テクモ執行役員でTeam NINJAのリーダーでもある板垣伴信氏自ら、ボス直前までのプレイを行った。
デモプレイでまず板垣氏がアピールしたのは、素早いアクションとカメラワーク。アクションは殺陣、壁走り、三角とびなど非常に多彩で、全体的に爽快感あふれる操作が可能になっているようだ。また、カメラワークも素早い動きに対応しており、プレイしやすそうな印象。主観視点と客観視点を切り替えられるので、シチュエーションによって使い分けながら進むことができるようになっている。また、HDDのキャッシュ機能を生かして、エリア間がシームレスに切り替わっていく様子も確認できた。
板垣氏によれば、本作は北米でクリスマスシーズンに発売し、その後できるだけ早く日本でも発売したいという。また、Xbox Liveに対応することで、何度でも遊べるようなアクションゲームに仕上げたいとのことだった。
マイクロソフトでは、今回発表した3タイトルのほかにも、『鉄騎大戦』『R:RACING EVOLUTION』『segaGT Online』『スパイクアウト エクストリーム』などを、この冬から来年にかけて発売する。日本市場の現状は、ピーター・ムーア氏自身「厳しい状況」となっているが、これらのタイトルとXbox Liveの新サービスで巻き返しが図れるのか、注目していきたい。
『Project Gotham Racing 2』のサウンド関係全般を担当した、ニック・ウィズウェル氏。音に限らず、本作の魅力全般を語ってくれた。
ドリフトなど、魅せる走りをするとポイントが加算されるシステムも、ブラッシュアップ。より美しい走りにこだわることで、高ポイントを獲得できる。
本日発表された新要素「YOKOHAMA」。再現度が非常に高く、本当に横浜を走っている気分を味わえる。
『TFLO』を開発しているレベルファイブの日野社長。MMORPGの楽しさをどうすれば伝えられるのかと考え、本日の映像を持ってきたという。
しゃべっている左のプレイヤーには、音波状のエフェクトが表示される。また、右のライフバーにも、同様のマークが出る。
画面奥のプレイヤーは、馬ではなく竜のような動物に乗っている。
多くの敵が出現し、ピンチなプレイヤーたち。アクション要素が強いのであれば、ボイスチャットはかなり役立つはず。
スーパー忍者リュウ・ハヤブサが大活躍するアクションゲーム『NINJA GAIDEN』。公開されたムービーのクオリティは非常に高い。
板垣伴信氏自ら『NINJA GAIDEN』をプレイ。壁走りや三角とびなどを、華麗に繰り出していく。
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