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2003年8月11日(月)

航空史100周年記念!歴史に残る名機を収録した『MSフライトシミュレータ2004』

 マイクロソフトは本日8月11日、先日発売スケジュールを発表した『マイクロソフト フライト シミュレータ 2004 翼の創世紀』(以下、『FS2004』)の製品説明会を実施した。

 この説明会には、ホーム&リテール製品部 プロダクト マネージャの風間彩氏と、本作の日本語化を担当する朝比奈氏が出席。前作『マイクロソフト フライト シミュレータ 2002』と比べて進化したポイントなどを中心に、『FS2004』の特徴が説明された。

 本作の最大の特徴は、1903年のライト兄弟による「人類初の動力飛行」から100年目を記念する作品として、「1903 ライト フライヤー」「カーチス JN-4 ジェニー」「ライアン NYP スピリット オブ セントルイス」といった、歴史に残る航空機9機種10機を収録したところ。また、それらの機体によって成し遂げられたフライトを再現するモードも用意されている。さらに、米『Flying』誌の記者でありパイロットでもあるレーン ウォレス氏が執筆した、機体とフライトの詳細に関する記事によって、飛行記録や歴史的背景を知ることもできるようになっている。

 また、上記のポイントのほかにも、前作登場から2年が経過していることもあり、グラフィック、システム面ともに大きくパワーアップされた。以下で、各要素を紹介していこう。

・GPSのカラー化
 現在位置を中心に周囲の地図を表示するGPSが、モノクロからカラー表示に変更された。また、あわせて地形の起伏を表現することが可能になっている。

・雲の3D化
 『FS2002』では2Dで表現されていた雲が、3Dで表現されるようになった。絹雲、層雲、積雲、積乱雲の4パターンを基本にして、高度や密度によって表示パターンを変化させることで、リアリティが大幅に向上している。特に、飛行中に雲の中に入ったときに、3D化の恩恵を実感することができるだろう。また、風防ガラスへ打ち付ける雨や雪の表現も、よりリアルなものへと変化している。

・ATC(航空交通管制)の機能向上
 『FS2004』では、当初とは異なる目的地への飛行や、滑走路の変更といったフライトプランの変更が、飛行中に行えるようになった。また、フライトプランを決めるときに、都市名から空港の検索が可能になっている。1都市の中に複数の空港がある場合に、非常に役立つ機能だ。

・仮想コックピットでの操作
 仮想コックピットとは、『FS2002』で登場したコックピット内を3Dで再現するモード。『FS2004』では、このモードを使用中にマウスとキーボードでの操作が可能になった。スロットルをドラッグ&ドロップで動かしたり、ボタンをクリックでON/OFF切り替えすることができるとのこと。

・地表グラフィックの強化
 空港やランドマークなども『FS2002』に比べて、さらに精密に描写されるようになった。収録された空港数は23,000にものぼり、美しい町並みと風景を楽しむことができる。

・ラーニングセンター
 従来、複数のpdf形式で収めていた各種資料を、すべてHTML化。ラーニング センターというメニューの中から、リンクをたどる形で閲覧することができる。また、HTMLに埋め込む形で、貴重な動画や写真も大量に収録されているのは、航空機マニアにはうれしいところ。
 さらに、フライトレッスンの音声もすべて日本語に吹き替えられており、フライトシミュレータ未経験者でも、基本的な操作から順番に覚えていくことができる。

 このほかに本日の説明会では、前回の発売発表では明らかにされなかった、推奨スペックが明らかにされた。これによれば、OS:Windows98/Me/2000/XP、CPU:Pentium4 1.4GHz以上、メインメモリ:256MB、GPU:VRAM32MB以上のDirectX9.0a対応ビデオカード、とのこと。

 この『FS2004』、すでに英語版がPCショップで取り扱われ始めているが、日本語版では前作から約2倍に増えたテキストを、完全ローカライズして発売するという。また、初回限定版としてブリキ製パッケージという、家庭用、PCゲームを通じてこれまでになかった材質の限定版を発売することが明らかにされた。半永久的に保存できるパッケージになっているので、航空機ファンを自負する人は、ぜひ予約して初回限定版を入手したいところだ。

説明会では、朝比奈氏によるデモプレイを交えながら、本作の解説が行われた。

ライト兄弟の「1903 ライト フライヤー」。滑走路脇には、飛行距離を示す石標が置かれている。

GPSがカラーになり、地形の高低も認識できるようになった。下と右に並ぶボタン類も飾りではなく、操作可能だ。

雲の表現も、『FS2004』で大きく進化したポイント。動的な変化も発生するようになった。



上は『FS2002』、下は『FS2004』の成田空港。ステーションや遠景などが、より細かく描かれていることがわかる。

説明会会場には、Matrox社製GPU「Parhelia-512」を使用し、3ディスプレイによるコックピットが用意された。

一般の家庭で環境を整えるのは難しいが、狭額縁の液晶モニターであれば場所を取らずに3画面プレイできそうだ。


データ

▼『マイクロソフト フライト シミュレータ 2004 翼の創世紀』
■メーカー:マイクロソフト
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:SLG
■発売日:2003年10月
■価格:未定

■関連サイト
『マイクロソフト フライト シミュレータ 2004 翼の創世紀』公式サイト