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2003年9月24日(水)

PC『銀河英雄伝説』最新作はMMOSLG!ゲームシステムの詳細が明らかに

 ボーステックは本日9月24日、現在開発中のSLG『銀河英雄伝説VII』(以下、『銀英伝VII』)発表会を行った。この発表会には、ボーステック代表取締役の八巻龍一氏をはじめ、韓国の大手ネットワークエンターテインメント企業プレナス社長の盧炳烈氏、中国大手ネットワーク企業盛大ネットワークの日本事務所代表、黄哲氏が出席。『銀英伝VII』の概要の説明のほか、韓国と中国での展開について、両国のパブリッシャーより説明された。

 『銀英伝VII』は、田中芳樹氏のスペースオペラ「銀河英雄伝説」を基にしたシミュレーションゲームシリーズの最新作。今作は、シリーズ中でも人気が高かった『IV』をベースに、1サーバー群あたり最大2,000人がアクセス可能な、MMOSLGとして開発が進められている。

 本作の基本的なプレイの流れは、実時間で1カ月~6カ月程度のセッションに、帝国側か同盟側の軍人として参加し、リアルタイムに進行する戦争に参加していく。セッションは、ユーザー募集を一定期間行った後スタートされ、帝国、同盟のどちらかが相手の主星系を占領するか、一定期間経過で終了となる。セッション終了後はキャラクターを引き継いで、再度リセットされたセッションに参加することが可能となっており、キャラクターの年齢が60歳に達するまで、同一キャラクターでのプレイが可能とのこと。また、場合によってはラインハルトやヤン・ウェンリーといった、原作に登場したキャラクターを使えることもあるという。

 また、『銀英伝VII』は『IV』をベースにしているということで、戦闘時の戦術テクニックだけではなく、政治面が大きくクローズアップされていることが大きな特徴。このシステムは「階級」と「提案」によって実現されており、階級の低いプレイヤーは決定権を持つプレイヤーに「提案」という形でユニットの供給などを依頼し、階級の高いプレイヤーはそれに対して受理、あるいは拒否を決定することが可能となっている。

 『IV』では、プレイヤー以外はすべてNPCのため、決定権を持つ上官への提案が通るかどうかは、相性とプレイヤーの階級によって決められていたが、MMOになった本作では提案の妥当性や、上官との面識、どれだけ親密かが提案の通りやすさを決めることになるだろう。もちろん、いちいち提案するのが面倒であれば、自らが皇帝や元帥、評議会議長などの地位まで上り詰めてしまうという手もある。

 さて、本日の発表会では、実際にサーバーに接続した状態で、戦闘シーンが披露された。この戦闘はあくまでデモ的なものであったが、ラインハルトの旗艦「ブリュンヒルト」が精密な3Dグラフィックで描かれている様子が確認できた。八巻氏によれば、40~50種類の戦艦が用意されているとのことで、他にも数多くの特徴的な旗艦が登場するはずだ。

 また、戦闘シーンのグラフィックは3Dで表示されているが、実際は平面上での戦闘になっている。この点については、コントロールや戦術のわかりやすさや、高速にユニットを動かすのではなく、挟撃など陣形や戦術が勝負を決めるゲーム性を考えて、平面での戦闘を採用したと説明された。

 発売時期については、その後2004年春頃発売を予定している。プレイのためには、パッケージの購入のほか、月単位などのプレイ料金を徴収する予定だが、価格についてはいずれも未定とのこと。

 なお、本作は日本のほか、韓国と中国でもサービスを行うことが明らかにされている。特に中国でサービスを展開する盛大ネットワークは、中国企業としては異例の資本参加をボーステックに対して行っており、発表会でも「『銀英伝VII』の中国での成功を確信しています」(黄哲氏)と、本作に期待している様子をうかがわせた。

 ボーステックでは、本日より公式サイトをオープンし、今後はそちらで続報を公開する予定。また、2004年1月頃には、1セッションの最大人数である2,000人規模のβテストを予定しているとのことなので、「銀英伝」ワールドの軍人になりたいファンは、公式サイトの更新に注目していきたい。

初のMMOとなる『銀英伝VII』について八巻氏は、「『VI』では16人のネット対戦に対応したが、今回は2,000人が戦うことになる」と、規模をアピール。

ボーステックでは1989年に第1作目を発売。その後、『VI』までシリーズ展開し、同社の主力タイトルとなった。

グラフィックはフル3Dを採用。前述したように、ラインハルトになれる可能性もあるので、ブリュンヒルトに乗って指揮を取れるかも……?

「提案」が通るかどうかは、上官プレイヤー次第。よい関係を築いておきたいところ。

盛大ネットワークの黄哲氏は、中国では、海賊版がほとんどだが日本産コンテンツの人気が高いことを説明。『銀英伝7』の成功にも自信があるとのことだ。

(C)2004 田中芳樹・TW (C)2004 BOTHTEC
ORIGINAL MECHANIC DESIGN 加藤直之

データ

▼『銀河英雄伝説VII』
■メーカー:ボーステック
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP)
■ジャンル:SLG
■発売日:2004年春
■価格:未定
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■関連サイト
「銀河英雄伝説VII」公式サイト
ボーステック
盛大ネットワーク