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2003年9月27日(土)

【TGS】発売日は2004年の「冬」!?『MGSザ・ツインスネークス』トークショー

 コナミから発売される、ゲームキューブ期待のA・AVG『メタルギア ソリッド ザ・ツインスネークス』。このゲームの内容や魅力を開発者自らが語るトークショーが、コナミブースにて開催された。このトークショー“[METAL GEAR SOLID THE TWIN SNAKES]STAGE”は、TGS期間中に3度開催される。開発を手がける「3つ」のクリエイターにちなみ、「蛇」「龍」「騎」と題名を変えて伝えられるこのトークショー。「蛇」はコナミ・小島秀夫監督を、「龍」は本作のムービーを担当する映画監督・北村龍平氏を、「騎」は制作を手がけるクリエイト集団・シリコンナイツ社を意味する。本日開催されたのは、小島監督をゲストにゲーム開発に至った経緯や、現在の進行状況について語る「蛇」。それでは会場で何が語られたのか、その内容をお伝えしよう。

 司会の女性から小島監督の名が告げられ、壇上に小島氏が登場すると、ステージを見に来ているすべてのMGSファンの目が釘付けに。本作の詳細な内容や、その進行具合、発売日の情報など、あらゆる情報を聞き漏らさんとする、ソリッド・スネークたちの目が一点に集中したのだ(と少なくとも感じた)。それに対しさわやかに、にこやかにあいさつをする小島監督。一瞬にして場の空気が和む。壇上のスネークは、自信にあふれていた(と感じた)。

 まずGCで本作を開発するという話が出たときのことについて。「普通に移植したのではつまらない」(小島監督=以下「 」内は氏)と感じたのだそうだ。「『1』は20世紀最高の物語と言われ、『2』は21世紀最高のシステムを構築したと評された。この2つの要素を1つにまとめたいと考えたのが本作です」。つまりは最高の物語を最高のシステムで作り上げるということだ。それも高水準のハードであるGCで。引き続き、北村龍平氏がどのように本作に関わってくるのかについて「ポリゴンデモの部分を担当してもらっている」と語った。さらにこのデモについては、「すべて北村監督に丸投げです。まったく口を出してません。だからすごい北村テイストになっていますよ」とも。小島監督は多くを自らが手がけるとこのとで、今回のように全てを人に任せるというのは珍しいことなのだとか。その直後に上映されたポリゴンデモでは、流れるように印象的なシーンが進み、また、ズームイン・アウトを巧みに使った演出など、北村テイストの『MGS』を観ることができた。なお、ムービーは明日以降もコナミブースで上映されるので、会場に行く人は要チェックだ!

 話は引き続きポリゴンデモの話題。「(デモ部分は)3時間のボリュームがあり、カット数は2700カット。これは通常の映画2本分のカット数に当たります」と語った。印象的な演出に、膨大なボリュームの映像……これはもう移植の域をはるかに越えていると言っていいだろう。新作でも移植でもない、新たな『MGS』ワールドなのだ!

 次に開発会社であるシリコンナイツ社の話に進む。と、ここで新しいゲスト、シリコンナイツ社の社長であるデニス・ダイアック氏が登場。この後は、小島監督とダイアック氏、2人のトークで進行することとなった。「多くのファンがこのステージを見に来てくれてうれしい。とても興奮しているよ」と語るダイアック氏。ここでなぜ、小島監督は制作をシリコンナイツ社に依頼したのかについて聞かれた。「GCの制作は経験がないので、どうしよう……と思っていたら、“某師匠”にシリコンナイツ社を紹介してもらった」(小島監督)。某師匠とは、ゲームクリエイターの頂点に位置する1人、任天堂の宮本茂氏とのこと。シリコンナイツ社は、『エターナルダークネス 招かれた13人』(GC/任天堂)を開発したことでも知られる、カナダの天才クリエイト集団。宮本茂氏の導きで、小島監督とシリコンナイツ社は出会うことになったのだ。実際に開発を担当してみてどんな印象か、という質問に「小島監督とも意見交換をたくさんしたし、スクラムを組んでやっている感じ。非常にいい仕上がりになっているよ」(ダイアック氏)との答えが。これはかなり期待できそうだ。

 ここで“某師匠”である、宮本茂氏からのビデオメッセージが上映された! 「作家性の強いデニスと小島監督の制作ということで、始めはどうなるかと思ったけど、制作は順調ですね。任天堂×シリコンナイツ×コナミとすばらしいコラボレーションができてとてもよろこんでます。これからもがんばりましょう」(宮本氏)

 宮本氏も非常に期待している様子。ビデオレターを見ていたファンたちの期待もますます高まっているようだ。

 だが、残念なことに30分のステージ時間はもうわずか。ここで気になる発売日を聞かれ、「開発は順調に進んでます。発売日は……冬!です。2004年の頭くらい。早いうちですよ」(小島監督)と気持ちのいい答えが! そう遠くない時期に、ソリッド・スネークの勇姿を間近で体験できることだろう。

 そして最後に壇上の2人からのメッセージが。「本作は、移植作ではなくてコラボレーション作品。開発は順調です。ぜひ、冬にみなさんに遊んでほしいです」(小島監督)「オリジナル(PS版『1』)の精神を保ちつつ、『2』の最新技術を取り入れたのが今回のGC版です。ぜひ、オリジナルを遊んだ人も、『MGS』が初めての人もプレイしてください」
(ダイアック氏)

『メタルギア ソリッド ザ・ツインスネークス』……気鋭クリエイターが大集結し作り上げた、この作品には心から期待せずにはいられない。明日以降には、世界が注目する映画監督にして本作のクリエイター・北村龍平氏をフィーチャリングしたステージ「龍」、制作を手がけた北の職人集団・シリコンナイツ社にスポットを当てたステージ「騎」がある。どんな話が飛び出すのか、それも大いに気になるところ。もちろん、この2つのステージレポートも感情たっぷりにお伝えするので、会場に行けなかった人はぜひ読んでほしい!

ときどきギャグを交えつつ、開発状況について語る小島監督。非常にリラックスしており、制作も順調なことがうかがえた。

シリコンナイツ社のダイアック氏(中央)を加え、さらにショーは続く。今回は開発のきっかけに関する話が多かったが、技術的な話もいつか聞いてみたいところだ。

マリオ生みの親、宮本茂氏からのメッセージが!「本当は会場に行きたかったんだけど‥」と語っていたが、小島×宮本対談も聞きたかった!

最後に参加したファンにあいさつ。30分があっという間に過ぎていったイベントだった。明日以降も期待!!


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