既報のとおり、本日7月12日に都内で「PlayStation Meeting 2004」ならびに「PlayStation Award 2004 10th Anniversary」が開催され、会場には多数のゲーム業界関係者、マスコミが集まった。
前半に行われた「PS Meeting」は、司会をSCEエグゼクティブバイスプレジデントの佐伯雅司氏が務め、2004年末に発売が予定されている携帯型ゲーム機「プレイステーションポータブル(「PSP」)」の紹介を中心に進行。
最初に登壇したSCE代表取締役社長兼CEOの久夛良木健氏は、まずPSが発売10周年を迎えるとともに全世界において1億台の出荷を達成したことについて触れ、「PS2も7,100万台の出荷を記録するなど、大きな市場に成長した」と感慨深げにこの10年を振り返った。
そして、「PSファミリーの新たな一員」として「PSP」を紹介。「PS、PS2を生み出したSCEの一番新しいゲーム機。クリエイターたちに“もっとすごいゲームを作ろう”と思ってもらえるように、最新テクノロジーを投入し、すべての愛情を注ぎました」と述べた。
「PSP」の展開については、9月に開催される「東京ゲームショウ2004」にデモ機の出展を予定。2004年末に日本、来春にアメリカ、欧州市場へ投入を予定しているとのこと。なお、ここで「次世代プレイステーション」についても言及し、「E3 2005」の出展に先駆け、2004年度内に日本国内でプレミア説明会を計画していることも正式に発表された。
続いて、SCEのCEO・茶谷公之氏が「PSP」の特徴やその楽しさを詳しく紹介。「一家に1台から1人1台へ」と表現されるように、自分専用のPSが持てるとして「持つ楽しさ」、フルカラー表示や16:9ワイドスクリーン、4.3インチの大画面の搭載について「見る楽しさ」、最新のグラフィックスおよびサウンドでゲームプレイが楽しめるとして「操作する楽しさ」、Adhocモードにより最大16台までの「PSP」と同時接続が可能な他、USBでPS2とも連携できるとして「繋がる楽しさ」、“Eye Toyカメラ”をさらに発展させた専用カメラ、マイク付きヘッドセットに対応するとして「広がる楽しさ」と、5つの特徴を挙げて「PSP」の魅力をアピール。これまでスペックの高さが注目されてきた「PSP」だが、「単に性能のみを追求するだけでなく、まったく新しい楽しさを提供する」と語った。
また、すでに多数のメーカーが「PSP」参入を表明しているが、ゲームクリエイターたちも「PSP」についてコメント。ステージにはコーエーのゼネラルプロデューサーであるシブサワ・コウ氏が登壇し、「PSPのグラフィックはもちろん、無線LAN機能に注目している。PSPの登場は、ゲームクリエイターにとって大きなビジネスチャンス。新しいデジタルエンターテイメントの可能性が広がるとともに、期待と夢を込めてソフトを開発していきたい」と語った。
その他、SCEが「PSP」向けに発売を予定しているタイトルに新たなラインナップが追加。『TALKMAN(仮称)』、『サルゲー(仮称)』、『攻殻機動隊SAC(仮称)』、『ポポロクロイス物語(仮称)』、『ダービー(仮称)』の5タイトルの開発が明らかにされ、会場ではSCE 第2制作部 A&R課の山本吉輝氏が、新規タイトルの1つ『TALKMAN』の内容を説明。このタイトルは、「PSP」の音声入力機能をいかしたエンターテイメント性の高い通訳ソフト。ソフトにはあらかじめさまざまなシチュエーションが収録されており、9カ国語を操ることができるキャラクター“マックス”に日本語を翻訳させる、実用性の高い内容になっているという。会場では、ホテルのフロントでの一部始終を“マックス”に通訳してもらう「通訳モード」、“マックス”に英語の発音をチェックしてもらう「友だちモード」が披露された。
なお、「PSP」に参入を表明しているメーカーは、前回発表された34社から大幅に増え、7月12日現在59社となっている(詳細は別記事参照)。
最後に、SCEプレジデントの竹野史哉氏が「PSP」のメディアである超小型光ディスク「UMD」の特徴を説明。DVDに比べて安価で製造できる点や短期間でのリピート生産、初回1,000万枚~、リピート生産100枚~と少ロットより生産できるといった「UMD」のメリットを挙げた。さらに、これらの特徴を踏まえたオンライン製造受発注システム「APOLO」導入を発表。このシステムは、2004年8月より順次テスト導入を予定しており、販売店などにおける品切れを回避できると述べた。
なお、会場には「PSP」のデモ機が出展されており、「PS Meeting」終了後に、SCEをはじめ、カプコン、コーエー、コナミといったサードパーティの開発タイトルを試遊することができた。久夛良木氏によると、「東京ゲームショウ 2004」で「PSP」のプレイアブル出展を予定しているとのこと。「PSP」のプロモーション展開におけるキャッチフレーズである「Seeing is Believing!(“百聞は一見にしかず”という意)」が示すとおり、そのハイクオリティなスペックで表現される新たなエンターテイメントを実際に触れて確かめてみてほしい。
「PS Meeting」の司会進行は、SCEエグゼクティブバイスプレジデントの佐伯氏。
久夛良木社長は「PSP」を「娘」と表現。開発に注いだ愛情の深さがうかがえる。
PS、PS2、「「PSP」」、次世代機における今後の展開を発表。2004年後期には、「PSP」向けソフトの開発ツールの提供も予定されている。
「「PSP」」発売に寄せる期待を語ったコーエーのシブサワ氏。「PSP」の注目点は「無線LAN機能」とのこと。
SCE 第2制作部の山本氏が「世界中の誰とでも気軽に話ができるタイトル」として、『TALKMAN』を発表。
こちらは『TALKMAN』のゲーム画面。日本語で話すと登場キャラクター“マックス”がさまざまな言葉に翻訳してくれる。
「PSP」用ソフト『どこでもいっしょ(「PSP」)』の動画もスクリーンで公開。通信機能などをいかし、“トロ”たちが喜ぶ遊びが多数搭載されているとのことだ。
「PS Meeting」終了後は、「PSP」を実際に触ることができた。まず驚いたのはグラフィックの美しさ!
こちらはセガの「PSP」版『ぷよぷよフィーバー』。その他にも複数のタイトルが出展されており、試遊スペースは黒山の人だかりとなっていた。
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