News

2005年10月5日(水)

ミストウォーカー『ASH』など新作も続々!「ニンテンドーDSカンファレンス2005.秋」

 任天堂は本日10月5日、東京ファッションタウンビルにおいてゲーム業界関係者向けの発表会「ニンテンドーDS カンファレンス2005.秋」を開催した。

 この発表会では、11月よりサービススタートとなるDS向けワイヤレス・インターネット接続サービス「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」を中心に、年末商戦に投入されるDS用タイトル群、2006年以降に発売が予定されている新作などが多数紹介された。さらに新タイトルとして、スクウェア・エニックスが新感覚スポーツゲーム『マリオバスケ 3on3』を、ミストウォーカーが手がけるシミュレーションRPG『ARCHAIC SEALED HEAT(ASH)』を開発中であることもあわせて発表。発表会の全容を下記で詳しく紹介していこう。

 発表会ではまず、任天堂代表取締役社長の岩田聡氏が登壇。昨年2004年12月に発売されたニンテンドーDSのこれまでの歩み、今後の展開について語った。DSの日本国内における累計出荷台数は、2005年9月末の時点で360万台以上を記録しており、DSの本格的な普及には「Touch! Generations」シリーズとなる新機軸タイトル『nintendogs』、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』、『やわらかあたま塾』の3タイトルが大きな役割を果たしたと話す。
 これを受け、任天堂では「Touch Generations」の取り組みを継続的に展開するとし、定番ゲーム集『だれでもアソビ大全』を11月3日に発売。さらに、“もっといろいろなトレーニングをしたい”というユーザーの要望に応えた『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』を12月29日に、英会話練習用ソフト『英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け』を2006年1月に発売することが明らかにされた。



『だれでもアソビ大全』 『英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け』
『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』


●「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」
 続いて岩田氏は、新サービス「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」について説明。任天堂は、このサービスに関して「カンタン、あんしん、無料」という3つのポイントに徹底してこだわったという。まず「カンタン」では、“ネットワークにつないで遊ぶことそのものが難しい”という技術的なハードルの解決策として、接続時のIDやパスワード入力を省略。ID・パスワードは、ユーザーが初めて接続する時に自動的に生成され、DS本体に保存されるとのことだ。
 これに加えて、一切の接続設定をせずにWi-Fi接続を体験できる場として、「ニンテンドー Wi-Fiステーション」が全国のゲームショップ1,000カ所に設置される他、全国3,000カ所以上に展開されている「FREESPOT」でもWi-Fi接続が利用できるという。



 また、自宅でも「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」を気軽に楽しめるよう、PC用ブロードバンドのインターネット常時接続を利用する周辺機器「ニンテンドーWi-Fi USBコネクタ」を用意。このアダプタを常時接続したWindow XP PCのUSBポートに差し込めば、DS上設定画面のボタンを押すセットアップのみで、自宅のPCがDS用の無線接続拠点になる。
 なお、無線LANルーターには、Wi-Fi接続の設定を容易にするための手段として、バッファローのルーターに搭載されている自動設定技術「AOSS」、ならびにNECのルーターに搭載されている自動設定技術「らくらく無線スタート」を採用。これらの無線LANルーターを使用している場合には、ルーター上のボタンとDSの設定ボタンを同時に押すだけで、各種設定が自動的に行われる。



 2つ目の「あんしん」については、誰とでもつながる接続方法以外に、直接向かい合って通信したことのある人および、ユーザー固有のフレンドコード(12桁の数字)を交換し合った人のみがWi-Fiコネクションの中で自動的に“友だち同士”と認識する仕組みが用意される。
 これらの仕組みをどのように使用するかは、ゲーム開発者にゆだねられる。「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」対応ソフト第1弾となる『おいでよ どうぶつの森』は友だち同士限定に設定されている一方、『マリオカートDS』は「ともだちと」、「こくないのだれかと」、「せかいのだれとでも」、「ライバルと」の4種類から対戦相手を選ぶ機能が搭載されている。

 そして3つ目の「無料」だが、任天堂は自社ソフトすべての「ニンテンドー Wi-Fiコネクション」利用料を無償にすることを改めて強調。岩田氏は、より高度なサービスを提供するサードパーティメーカーの有償サービスを妨げる考えはまったくないとしていながらも、「多くのユーザーに『Wi-Fiコネクション』を体験してもらうことで、将来に向けて家庭でのWi-Fi無線インターネット利用の普及を目指していきたい」と述べた。

●これからはDS普及の第2段階
 岩田氏は、DSの販売台数が300万台以上となったことを踏まえ、これからは普及の第2段階に突入するとコメント。ゲーム人口の拡大を中心として展開するタイトルだけでなく、熱心なゲームファン向けの歯ごたえのあるタイトルも必要だとし、スクウェア・エニックスが開発を進めている『マリオバスケ 3on3』と『ファイナルファンタジー III』、ミストウォーカーが手がける『ASH』の映像が公開された。ステージには、スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏、『FF III』の開発を担当している同エグゼクティブプロデューサー/ディレクターの田中弘道氏、『ASH』開発スタッフであるミストウォーカーの坂口氏らが登壇。それぞれ各タイトルに対する意気込みや思い入れを語った。

・スクウェア・エニックス代表取締役社長 和田洋一氏
「『マリオバスケ』の映像でスクウェア・エニックスというロゴが出て、驚かれたのではないかと思います。DSの新しい手触り感をどのように表現していこうかと考えた時に、“バスケットボール”の企画を進めていました。そして、もっとわくわくした雰囲気を出すために、“マリオ”の世界観を使いたいということになり、スクウェア・エニックスのほうから任天堂さんにお願いして、このような作品になりました。本作は『マリオRPG』以来のコラボレーションとなりますが、これからもスクウェア・エニックスは、任天堂とガッチリとコラボレートしていきます。」




 さらに和田氏は、先日公式サイトでアナウンスされたFFシリーズ過去タイトルの移植についても触れ、『IV』に次いで『V』、『VI』をGBA移植することも明かした。


・スクウェア・エニックス エグゼクティブプロデューサー/ディレクターの田中弘道氏
「『FF III』は1990年から15年間、まったく移植やリメイクがなかったタイトル。意識的にではないんですが、機会を逃して15年も経ってしまいました。これだけ期間があくと、普通の移植ではユーザーさんが納得してもらえないと思ったので、今回は本格的なグラフィックはフル3Dに採用し、歴代初の完全リメイク作品となっている。ただ、原作のよさを失ってしまうといけないので、オリジナルスタッフも監修として参加してもらい、超本格的に作り直しています。もう少し時間がかかってしまいますが、期待していてください」


・ミストウォーカー代表 坂口博信氏
「本作は、いにしえに封印をされた炎を題材にした作品。主人公は“アイシャ”という王女で、その炎に焼かれた人間が灰になって蘇るという謎を解き明かしていくという物語が展開します。リアルなグラフィックが特徴で、高精彩な印象を受ける、フォトリアルな世界を構築したいと思っています。本作はRPGの要素を多く取り入れており、我々は“チームタクティクス”と呼んでいるんですが、RPGとシミュレーションRPGの中間に位置するようなジャンルにうまく育ってほしいと思っています。個人的にはシミュレーションRPGというジャンルが好きなのですが、実はこれまで1度も制作したことがありません。本作では20年分のアイデア、エネルギーを注いでいいものにしたい。」


 また、『ASH』のキャラクターデザインを担当した皆葉英夫氏、音楽を担当した崎元仁氏も駆けつけ、「これまではアートディレクションという役割が多く、キャラクターデザインを担当するのは今回が初。わくわくして制作に参加しています(皆葉氏)」、「坂口さんのシナリオに音を付けるのが楽しみです。シナリオを読ませてもらいましたが、主人公のもの悲しい雰囲気をいかしておもしろいことができればいいなと思っています(崎元氏)」とそれぞれ話していた。
『ASH』の開発に携わる意気込みを話す皆葉氏(右)と崎元氏(左)。


 坂口氏によれば、本作は謎が謎を呼ぶような厚みのあるストーリーが展開するとのこと。まさに熱心なゲームファンが満足するようなタイトルに仕上がりそうなので、続報を楽しみに待ちたいところだ。

発表会終了後には、この年末商戦に投入される最新タイトルの体験会も実施。別会場とWi-Fi接続でつなぎ、『おいでよ どうぶつの森』や『マリオカートDS』の試遊を体験することができた。



データ

(C)2005 Nintendo
(C)2005 Nintendo (C)2005 Plato
(C)2005 Nintendo (C)2005 SQUARE ENIX

■関連サイト
「ニンテンドーDSカンファレンス2005秋」詳細ページ
任天堂