「市場に大きな影響を与えるタイトルを」シェーン・キム氏がXbox360について語る
オランダ・アムステルダムで開催された、Xbox 360の欧州プレス向けイベント「X05」。2日目となる10月5日(現地時間)には、各タイトルのクリエイター陣へのインタビューが行われた。
インタビューは世界各国のメディアと合同で行われたため、日本市場に向けての話題が乏しかったものもあったが、日本メディアのみで「Microsoft Game Studios(以下、MGS)」のジェネラルマネージャーであるシェーン・キム氏に話をうかがうことができた。
日本では12月10日にリリースされるXbox 360。北米、ヨーロッパの市場と比較して、日本市場がどのようにとらえられているのかなど、気になる質問をシェーン氏に向けてみた。
――今回新たに、Silicon Knights社(シリコンナイツ:『Too Human』を開発中)とReal Time Worlds社(リアルタイムワールド:『ライオットアクト』を開発中)という2つの開発会社が、「MGS」からXbox360用ソフトをリリースすることが発表されました。この2社と仕事をすることになった経緯を教えてください。
シェーン氏(以下、敬称略):私たちとしては、各分野においてベストな開発会社と仕事をしていきたいと、常日頃から思っています。両社は本当にいいタイトルを持っており、『Too Human』に関しては長い間興味を持って注目していたタイトル。私たちは、プラットフォームに「強み」を持たせてくれるタイトルを求めているのです。
――日本においては、ミストウォーカーの坂口博信氏、キューエンタテインメントの水口哲也氏、ゲームリパブリックの岡本吉起氏らが「MGS」からのリリースを決定しています。今後も「MGS」では、日本のデベロッパーと仕事をするということはありますか?
シェーン:3人のような、日本のクリエイター陣と仕事ができることは、当社にとって非常にすばらしい機会だと思っています。先の質問でも答えたように、その分野において、その地域において、ベストなところと手を組みたい。日本の開発会社との今後についてですが、現在では発表できるところはありません。ですが、日本のマーケットにおいて成功したいと考えているので、協力してくれる会社を常に探しています。
――「MGS」内部に開発スタジオを設けて、タイトルを制作するということはあるのでしょうか?
シェーン:私たちは過去にXbox用ソフトとして『ファントムダスト』というタイトルをリリースしました。一方で、今は外部のクリエイター陣と協力して開発を進めています。これは「MGS」内部の資源・人材を考えてのことなんです。それが今の「MGS」の方向性ですが、将来はどうなるかわかりません。
――「MGS」では、ワールドワイドで年間にどれくらいのタイトルを発表したいという目標はありますか?
シェーン:特に予定は立てていませんが、市場に大きな影響を与えてくれるタイトルを年に少なくとも3~4本は出したい。それが6、7本とかになることもあると思いますが。
――アジア、ヨーロッパ、北米の3地域ではユーザーの好みが異なると思いますが、日本市場ではどんなジャンルのタイトルを強化していきたいと考えていますか?
シェーン:次世代のために、私たちは日本のユーザーに積極的にアピールしていかなければならないと認知しています。今まではそこがおろそかになっていた。ですから、今回は日本で有名なクリエイターの協力を得ることにしたのです。もちろんワールドワイドで成功したいと思っていますが、各地域の興味が違うということも理解しています。
――今の話をさらに深く聞きますが、3つの地域のユーザーの興味の違いをどのように捕らえていますか?
シェーン:北米とヨーロッパの違いは、その他の地域差よりは少ないと思います。特に北米は長いゲームの歴史があるので、そういった好みが確立していますね。ヨーロッパでは、ラリーやフットボールのゲームが人気があります。一方で、任天堂がヨーロッパで成功したというのは、ライトなカジュアルゲームが人気を集めたからだと考えています。
――最後に日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
シェーン:日本のユーザーにとって、Xbox 360はすごくエキサイトできるハードだと思います。「東京ゲームショウ2005」でも確認しましたが、以前よりもサードパブリッシャーの各社が日本好みのゲームを作るようになってきている。ハードのパワーアップと日本向けコンテンツの充実、非常にすばらしい時が来たのではないかと思っています。
――ありがとうございました。
シェーン・キム氏が統括している「Microsoft Game Studios」では、世界中の開発会社と協力して、多数の魅力的なXbox360用タイトルを準備中。さらに多くの日本のクリエイター陣が参入するのかなど、今後の動向にも注目しておきたい。
■関連サイト
・Xbox 360特設サイト
・Xbox.com