SCEは本日7月21日、都内ホテルにて「PlayStation Meeting 2005」と「PlayStation Awards 2005」を開催した。
「PlayStation Meeting 2005」は、PS2をはじめとする各ハードの新作タイトルや、今後のプロモーション展開などについての発表会。本日の司会進行は、SCEJプレジデントの竹野史哉氏が担当し、グラフや最新映像を交えながらPS2、PSP、そしてPS3の順に発表を行った。以下では、会場にて発表された情報を各ハードごとにお伝えしよう。
■PS2「世界累計出荷台数は9,162万台。年末にはレベルファイブ開発の新作RPGも発売」
2000年3月4日に発売日を迎えたPS2は、先日
こちらでもお伝えしたとおり、世界累計出荷台数が9,162万台を突破。国内市場では薄型モデルの新型PS2(SCPH-70000)が好評を博しており、それまでゲームに興味を持っていなかった女性や30歳以上の新規ユーザー層の開拓に成功したという。
対応ソフトについては、全世界で8億6,300万枚を出荷。竹野氏は「日本は非常に大きな市場。この日本市場に今年夏から期末にかけても数多くのタイトルがラインナップされることになります」と語り、PS2最新タイトルの紹介へと進んだ。
タイトル紹介では、SCEJエグゼクティブバイスプレジデントの佐伯雅司氏が壇上に上がり、進行を務めた。会場のスクリーンでは、スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーXII』や『キングダムハーツII』をはじめ、セガの『PHANTASY STAR UNIVERSE』、SCEの『ワンダと巨像』といった最新タイトルの映像をダイジェストで上映。さらに佐伯氏は、レベルファイブの日野晃博氏を壇上に招き、全世界で初公開となる新作『ローグギャラクシー』の発表を行った。
レベルファイブといえば、『ダーククロニクル』や『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』といった名作RPGを手がけてきたゲームパブリッシャー。日野氏は『ローグギャラクシー』について、「『ドラゴンクエストVIII』と同時に制作が進められていたタイトルで、かれこれ2年半近く開発を続けています。スタッフの人数も期間も、僕らとしては過去最大規模の作品。日本には『ファイナルファンタジー』と『ドラゴンクエスト』という大きなタイトルがありますが、この2つに匹敵するソフトを作ってみたいと思っています」と、開発への意気込みを力強く語ってくれた。
ゲームの舞台となるのは、特徴の異なる数々の惑星と広大な宇宙。宇宙にあこがれる主人公“ジェスター・ローグ”とヒロインの“キサラ”を中心に壮大な物語が展開するという。本日公開されたムービーでは、砂漠で巨大な怪物に襲われる“ジェスター”を“キサラ”が救い出すイベントシーンや、宇宙空間での2人の会話、戦闘シーンなどを確認することができた。
また、“ジェスター”役を若手人気俳優の玉木宏氏、“キサラ”役を上戸彩さんが担当するなど、キャスティングにも力を入れているという。発売時期は今年の12月で、8月5日には公式サイトがオープンする予定なので、期待して待っていよう。
■PSP「新カラー“セラミック・ホワイト”が登場。インターネットブラウザ機能も追加」
PS2に続いては、昨年12月12日に発売されたPSPについての発表。PSPの出荷台数は、日本・アジア、北米を合計して507万台。今年9月には欧州での発売も予定されており、さらに出荷台数を伸ばすことになりそうだ。
竹野氏によると、日本・アジアと北米の市場を比較すると、UMD videoの販売本数に大きな差が見られるという。北米では6月までのUMD videoの売り上げが430万本。アジア・日本市場の40万本と比較すると、10倍以上の売れ行きを見せている。9月14日には、「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」のDVDとUMDの同時発売も控えており、各市場での販売本数に注目が集まりそうだ。
7月27日には、PSPのシステムソフトウェアがバージョン2.00にアップデートされる。バージョン2.00の特徴的な変更点は、インターネットブラウザ機能の追加。FLASHには非対応とのことだが、無線アクセスポイントを利用することで外出先でもインターネットの閲覧を楽しめる。
会場では、インターネットブラウザ機能の使用例の1つとして、So-netが7月27日にスタートする「Portable TV」のデモンストレーションが行われた。「Portable TV」は、映画やスポーツ、アニメといった映像コンテンツをPSP向けに配信するサービス。利用方法は、PSPのインターネットブラウザから「Portable TV」にアクセスし、見たいコンテンツをメモリースティックにダウンロードするだけ。保存したコンテンツは、いつでも見たいときにPSPで再生することができる。「Portable TV」のコンテンツ配給元には、バンダイチャンネルやソニーピクチャーズ、ギャガ・コミュニケーションズといった会社が名を連ねており、多彩なコンテンツが用意されそうだ。
また、
既報のとおり、PSP初の新色となる「セラミック・ホワイト」も発表された。この「セラミック・ホワイト」は、周辺機器を同梱したバリューパックのみの販売となっており、価格は26,040円(税込)。
さらに、今夏から発売が予定されているPSP用ソフトのラインナップも公開。アトラスの『真・女神転生デビルサマナー』やコナミの『パワフルプロ野球 ポータブル(仮称)』、バンプレストの『スーパーロボット大戦(仮称)』といったソフトに加え、『バイトヘル2000』や『東北大学未来科学技術共同開発センター川島隆太教授監修 脳力トレーニングポータブル』などのオリジナルタイトルも確認できた。
ダイジェスト映像の上映後には、5つのメーカーのクリエイターらが登壇。現在開発中のPSPタイトルのプロモーションを行った。
●『福福の島』ムームー 森川幸人氏
『がんばれ森川君2号』や『くまうた』といった個性的なタイトルで知られる森川氏の新作は、プレイヤーの運勢がゲームに深く関係する『福福の島』。占いや心理分析がゲームに取り入れられており、プレイヤーのプロフィールを入力することで、NPCとのコミュニケーションやミニゲームなど、毎日違った魅力を体験できるという。森川氏は「電車の一駅分の時間で楽しめるような、“すぐやめられるけど、毎日遊べるゲーム”を目指します」と語った。
●『ポータブル・リゾート(仮称)』ナムコ 遠山茂樹氏
『ポータブル・リゾート』は、「リゾートを遊ぶ、飾る、持ち運ぶ」というコンセプトのもとに開発が進められているタイトル。プレイヤーは青い空と海が広がる南の島で、動物の餌付けや釣りなど、自由気ままに遊ぶことができる。
ゲーム中には、ユニークな操作方法やアイデアが多数取り入れられている。その1つのウクレレは、PSP本体を楽器に見立て、スティックを弾いて演奏。ボタンの組み合わせで、多彩なコードを奏でることができるので、本格的な演奏もできそうだ。
●『モンスターハンターポータブル』カプコン 田中剛氏
人気アクションシリーズのPSP版となる『モンスターハンターポータブル』は、PS2版『モンスターハンターG』をもとにバランス調整が施されている。それにとどまらず、2人で森の宝を奪い合う「トレジャーハント」などの新要素が追加され、PS2版をやりこんだ人も楽しめる内容になっているという。
さらに、発売が待たれるPS2版『モンスターハンター2』と連動。飛竜や行商人が、PSPとPS2の間を行き来するなど、多彩な仕掛けが用意されるとのことだ。
●『CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII-』スクウェア・エニックス 橋本真司氏
会場で上映された映像は、「E3 2005」で公開されたものと同じくゲーム内容をイメージしたアニメーション。ゲーム映像やシステムの公開は行われなかったが、橋本氏は「PSPならではの映像とゲームの融合を目指して開発中です」語ってくれた。
●『ワールドサッカーウイニングイレブン9 UBIQUITOUS EVOLUTION』コナミ 高塚新吾氏
コナミの人気サッカーゲーム『ウイニングイレブン』シリーズが、ついにPSPへ登場する。ワイヤレス対戦はもちろんのこと、PS2との連動システムも用意されるという。操作方法に関しては、PS2の操作感を再現すべく調整を進めているとのことだ。なお、発売日はPSP本体の「セラミック・ホワイト」と同じく9月15日。
この他にも、バリエーション豊かなタイトルが続々とリリースされるPSP。佐伯氏は、「新色のセラミック・ホワイトがリリースされる9月15日を、昨年12月12日のPSP発売日に続く、大きな攻勢をかけるタイミングだと思っている」と語り、年末にかけて発売されるタイトルラインナップに大きな期待を寄せた。
■PS3「ミドルウェア開発の有力メーカーと提携。9月の東京ゲームショウにも期待」
「PlayStation Meeting 2005」最後の話題となったのは、次世代機PS3について。「E3 2005」で詳細なスペックやデモ映像が公開されたPS3だが、日本国内での発表は本日が初となる。
PS3に関する発表パートの進行は、SCE社長兼CEOの久夛良木健氏が務めた。まず久夛良木氏は、「E3 2005」の発表後に国内外から寄せられた感想や意見を紹介。同氏によると、「E3 2005」の発表やデモ映像がクリエイターに与えた影響は大きく、「ソフトの開発機材を早く提供してほしい」という声が届いているという。
ソフトの開発に必要なミドルウェアについては、Havok、AGEIA、Epic Gamesといった海外の有力メーカーと戦略的ライセンス契約を締結。加えて、プログラミングツール開発会社である英・SNシステムズ社の買収に向けて基本合意に達したことを発表した。これら有力メーカーの参加により、PS3ソフトの開発環境は大幅な進化をとげるとのことだ。
さらに会場では、PS3用ソフトのタイトルラインナップも一部公開。フロム・ソフトウェアのロボットアクション『Project Force』やカプコンの『バイオハザード5』、さらには、PS2で発売されたばかりの『GENJI』の映像などが上映された。『GENJI』については、正式なアナウンスこそなかったが、PS3での続編が期待できるかもしれない。
技術的な話題を軸に進められた本日の発表。9月の「東京ゲームショウ2005」では、各ソフトメーカーから対応タイトルが続々と明らかにされるだろう。久夛良木氏の語る「次世代のエンターテインメント」に触れられる日が、今から待ち遠しい限りだ。
本日の司会を務めた竹野氏。スクリーンに映し出されたグラフの解説とともに、PS2の販売状況などについて語ってくれた。
日野氏が率いるレベルファイブの最新作『ローグギャラクシー』。「驚きが詰まったソフトに仕上げたい」とのことなので、ゲーム中に盛り込まれるであろう数々の仕掛けに期待したい。
7月27日より、PSPにはユーザー待望のインターネットブラウザ機能が搭載される。PSPの楽しみ方が、これまで以上に広がることになりそうだ。
森川氏の新作は、不思議な住人たちと島での生活を楽しむ『福福の島』。現実の時間ともリンクしており、プレイするたびに違った魅力を体験できるという。
久夛良木氏は「PSフォーマットは、これまでのハードとの互換性を保ちつつ、常に新しいテクノロジーを盛り込む唯一のプラットフォーム」と力強くコメント。
会場にはPS3のモックアップも展示されていた。「東京ゲームショウ2005」のSCEブースでは、間近で見られるかもしれない。
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