フロム・ソフトウェア、夜を徹しての就活セミナー「真夜中企画会議」を今年も開催
フロム・ソフトウェア社屋 1F イベントスペースにおいて1月6日22:00~翌朝6:00にかけ、就職活動イベント「真夜中企画会議 2006」が行われた。
「真夜中企画会議」はその名の通り、夜を徹して明け方までプランニングが体験できるという一風変わった就職活動セミナー。真夜中ならではのテンションで参加者同士で自由に話し合い、頭の中にあるアイデアを形にしていく過程を実際に体験することができる。2005年1月にも同様のイベントが実施されており、参加者から非常に好評を博したため、今年も引き続き開催される運びとなった。
2度目の開催となる今回は、学生24名、フロム・ソフトウェアの現役社員2名、同社内定者4名の計30名が参加。本セミナーでは、参加者が3人1組の全10チームに分かれ、フロム・ソフトウェアの開発社員チームと学生チームが定められたテーマに基づいて企画力やプレゼンテーション能力を競い合うという、企画コンペ形式が取られた。
企画コンペの審査員は、フロム・ソフトウェア 開発部部長/プロデューサーの谷口篤士氏、同社宣伝部の瀬川圭一郎氏が担当。挨拶した谷口氏は「長丁場になるので、スタミナの配分に気をつけて、マラソンのような感覚でがんばってほしい」と参加した学生たちにエールを送った。
企画コンペの流れは、まず最初の20分間で各チームごとに企画のコンセプトを決定。その後はチームメンバーとディスカッションを続けながら、別室にて谷口氏、瀬川氏にアドバイスや意見を仰ぐことができるフィードバック全3回を通じて企画を固め、深夜4:00より最終プレゼンテーションを行う。
今回のテーマは、「コンピュータやネットワークを利用した新しいエンターテイメントを企画せよ!」というもの。第1回目のフィードバックでは、対応機種やジャンルにこだわらず「日常生活の音を集めて曲を作る」、「外出することでゲーム内容にリンクする」といったアイデアが提出されたが、まだまだ内容はあやふやな状態。谷口氏と瀬川氏からは、「エンターテイメントの意味や、受け取った側の視点でおもしろそうな要素をよく考えてほしい」、「コンセプトはわかりやすいものでないと人に伝わらない。コンセプトの意味や目的、イメージをよく考えること」、「オリジナリティや商品の競争力なども考慮してほしい」といったアドバイスが送られ、参加した学生たちは皆熱心に聞き入っていた。
全チームが第1回目のフィードバックを終えた頃、谷口氏に印象をたずねてみると「フロム・ソフトウェアの社員2人は企画経験者なので、全体的に見てコンセプトを考える時点では得をしていますね。学生たちよりも一歩進んでいるような印象を受け、安心しました(笑)。短い時間で学生たちがどのくらい成長してくれるか、期待しています」と話した。
フィードバックで得たアドバイスを踏まえ、さらに論議を重ねてプランニングの要点や順序を学ぶ学生たち。各チームともに試行錯誤しながらもなんとか企画をまとめ上げ、4:00より最終プレゼンテーションが実施された。
フロム・ソフトウェアの社員2チームは、「テーマパークなどのファンタジー世界を体感できるヘッドマウントシステム」、「フリー対戦が楽しめる戦隊ヒーローもののアクションゲーム」という企画をそれぞれ発表。学生チームからは、カメラ視点を自由に変更しながらスポーツ観戦が楽しめるアイデアや駅伝をモチーフとしたゲーム、電車の車両内における音楽、情報配信など、プラットフォームやジャンルにこだわらずさまざまな企画が発表され、審査の結果、優秀賞には「夫婦円満のための団塊世代向け旅行支援サイト」を発表した学生チームが選ばれた。
セミナーの最後に谷口氏と瀬川氏は講評として、「優秀賞を決定した理由としては現実味と、個人的にハートウォーミングな映画などが好きなので、あたたかい雰囲気がするこの企画を選びました。ミーティングを重ねていく上で企画自体が良くなっていくチームも多く見られましたが、最初にピックアップしたキーワードやコンセプトに限界があり、2回目のフィードバックで天井を感じてしまった人もいると思う。こういった流れを覚えてもらうと、今後いろいろなジャンルで何かをやり遂げようという時に役立つのではないかと思います(谷口氏)」、「優秀賞は、“この商品はこういったところがおもしろいんですよ”と要点を伝えやすいというところで判断しました。今回は自分も勉強になりました(瀬川氏)」とコメント。学生たちは、「いろいろなことを経験して、知識や体力が必要だと思った」、「企画を立てるということの意味、やり方、順序、重要な点などについて体験できた」と参加した感想を語っており、企画を練る楽しさや難しさを体験できたようだ。
好評につき、昨年に続いて2度目の開催となる「真夜中企画会議」。今回は、24名の学生が参加した。
審査員を務めたのは、PS2用ソフト『義経英雄伝』シリーズやPSP用ソフト『アドベンチャープレイヤー』のプロデューサーである谷口氏(上)と、宣伝部の瀬川氏(下)。
フロム・ソフトウェアの社員6人(内定者含む)は、企画担当の川手達也氏、森田一史氏が率いる2チームに分かれて参加。
別室で行われたフィードバックでは、手厳しいアドバイスも飛んだが、学生たちは粘り強く議論を重ね、最終プレゼンテーションに向けて企画をまとめていた。
最終プレゼンテーションでは、全10チームが企画を発表。パワーポイントだけでなく、スケッチブック描いたイラストを用いるチームも。
■関連サイト
・「真夜中企画会議」紹介ページ(2005年に行われたイベントの模様を掲載中)
・フロム・ソフトウェア