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2006年2月23日(木)

「文化庁メディア芸術祭」の贈呈式が都内で開催、優秀賞に『nintendogs』など

 本日2月24日、文化庁とCG-ARTS協会が主催する文化庁メディア芸術祭実行委員会が主催する「平成17年度(第9回) 文化庁メディア芸術祭」の贈呈式が都内ホテルで行われた。

 「文化庁メディア芸術祭」は、優れたメディア芸術作品やその作者を表彰するとともに、その創作活動を支援し、広く紹介していくメディア芸術の祭典。贈呈式では、「アート部門」、「エンターテインメント部門」、「アニメーション部門」、「マンガ部門」の各部門における大賞、優秀賞、奨励賞の受賞者に、文部科学大臣の小坂憲次氏から賞状が手渡された。

 「エンターテインメント部門」は、デジタル技術を用いて作られたゲームや遊具、映像(VFX、CMなど)、キャラクター、Webといったコンテンツを対象としており、応募作品総数357点のうち、ゲーム作品は95点。同部門では、任天堂のDS用ソフト『nintendogs』が優秀賞を受賞しており、贈呈式には開発チームを代表して任天堂情報開発本部制作部プロジェクトリーダーの水木潔氏が出席した。
 水木氏は、本作の受賞に際して「“ゲーム”というよりも“そこに犬がいてくれるだけでうれしい”というエンターテインメントを目指してスタッフ一同がんばった結果が『nintendogs』です。ただ、このような賞をいただけるまでに盛り上がったのは、ブログでの紹介や、さまざまな場所で「すれちがい通信」を試してくれるなど、実際に遊んでいただいた方々のおかげだと思います」と喜びのコメントを寄せた。

 「エンターテインメント部門」の審査は、CMディレクターの中島信也氏をはじめ、株式会社ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏、ビバリウム代表取締役社長の斉藤由多加氏、セガの鈴木裕氏、アートディレクターの宮崎光弘氏が担当。審査委員からは同部門の審査について、「『nintendogs』は“かわいい”とプレイヤーの心を動かす表現力が評価されたが、ゲーム全般を見ると今後もっと新鮮な感動を期待したいところ(主査・中島氏)」、「作品の傾向としては、新しいプラットホームが徐々に出そろってくる中、その環境に合わせた新規な試みに期待したが、従来の作品からの移植にすぎないものが多く残念。もちろん受賞した作品は、そうではないオリジナリティがあったからこそ選ばれたものである(石原氏)」と総評および、作品講評が述べられており、受賞の選出には新たな感動や新鮮さが重視されたようだ。

 その他、「第9回 文化庁メディア芸術祭」の「エンターテインメント部門」では、審査委員会の推薦作品として、コナミのPS2用ソフト『METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE』、斉藤由多加氏が手がけたGC用ソフト『大玉』、スパイクのPS2用ソフト『喧嘩番長』、任天堂のDS用ソフト『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』、『やわらかあたま塾』、スクウェア・エニックスのPS2用ソフト『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』、SCEのPS2用ソフト『ぼくらのかぞく』、『ワンダと巨像』、アイレムソフトウェアエンジニアリングのPS2用ソフト『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』、任天堂のゲーム機「ゲームボーイミクロ」が選出されている。

 なお、明日2月24日~3月5日には、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)で「第9回 文化庁メディア芸術祭」の受賞作品展が開催。各部門の受賞作品や推薦作品が一堂に展示されるので、興味がある人は足を運んでみてはどうだろうか。



作家やクリエイターが集まり、華やかな雰囲気で行われた「文化庁メディア芸術祭」の贈呈式。



ゲーム関連では、『nintendogs』が「エンターテインメント部門」の優秀賞を受賞。開発チームの代表として、水木氏が賞状やトロフィーを受け取った。







子犬をかわいがるという新たな遊びの形が高く評価された『nintendogs』。贈呈式でプロモーションムービーが流れると、子犬のかわいらしい動作には場内から思わず声があがったほど。

(C)2005 Nintendo

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■関連サイト
「平成17年度(第9回) 文化庁メディア芸術祭」受賞作品 紹介ページ
「文化庁メディア芸術祭」公式サイト