「TGSフォーラム2006」の基調講演で、久夛良木氏がPS3の夢の可能性を語る!
「東京ゲームショウ2006」の業界関係者向けカンファレンス「TGSフォーラム2006」。その基調講演として、SCE代表取締役社長兼グループCEOの久夛良木健氏による「PS3が創る次代のエンタテインメント」をテーマにした講演が行われた。
11月11日のPS3発売を控え、世界から注目を集める今回の「TGS2006」だが、SCEブースではPS3の実機を200台そろえ、さまざまな対応タイトルの試遊が可能となっている。久夛良木氏は、まずはじめに「ぜひ会場にてコントローラを手に取っていただきたい」とした上で、PS3用ソフト『リッジレーサー7』、『バーチャファイター5』、『機動戦士ガンダム Target in Sight(仮称)』、『ファイナルファンタジーXIII』といったタイトルのムービーを上映。「PSが発売されてから12年の時を経て、ゲームの進化、新たな映像表現を感じて欲しい」と話した。
また、久夛良木氏は「ゲームはコンピュータサイエンスの最新テクノロジーが惜しみなく投入されたコンテンツであり、現在のゲームはコンピュータエンターテインメントのひとつの到達点であると認識しています。これからはネットワークをつなぐことにより、さらに大きなブレイクスルーが生まれるでしょう」とコメント。
久夛良木氏、ひいてはSCEでは、ネットワークによってコンピュータ同士をつなぎ、ユーザーが所有するハードごとに機能する現在のゲームコンテンツの進化形として、ネットワークの先に存在するホストコンピュータで情報の処理を行い、ゲームコンテンツに還元するというシステムを考えているという。このシステムが構築されれば、世界中の地形・建造物のデータを現地から入手し、ゲーム内に再現することも可能。「世界中のユーザーが自分がいる場所の情報をアップデートすることで、リアルタイムでさまざまな場所に仮想現実の中で行くことができる。まさにヴァーチャル体験による「どこでもドア」が実現できます」と、久夛良木氏はその可能性を語った。
加えて、PS3のネットワークの活用としては、過去のタイトルをダウンロード配信によって販売するというシステムも考えているという。現在は構想段階だが、「将来的にはメガドライブなどの他社ハードのソフト、映画などの映像コンテンツも配信してできるようにしていきたい」とのことだ。
最後に久夛良木氏は、「ネットワークの普及により、ゲーム産業は未来への新たな扉を開こうとしています。この映像を見ていただき、その可能性を体感していただければと思います」とし、PS3用ソフト『アフリカ』のイメージムービーを上映。この『アフリカ』は、アフリカの大地に生きる動物たちを写したCGムービーが話題を呼んでいるタイトル。ゲーム内容の詳細は今回も明らかにされなかったが、美しいCGグラフィックの動物たちが、ゲーム内でリアルタイムに動く日はそう遠くないのだろうか。
この他、基調講演終了後には久夛良木氏によるトークセッションが行われ、
すでにお伝えしているように「PLAYSTATION3」の「HDD 20GB」版について、価格変更、およびHDMI端子の標準装備について発表された。
SCEの久夛良木氏が登場した、「TGSフォーラム2006」の基調講演。PS3に関する具体的な話題ではなく、将来を見越した展開について語られた。
日経BP社「ITpro」発行人の浅見直樹氏を聞き役に行われたトークセッション。15分ほどの短いセッションだったが、「PLAYSTATION3」の価格変更などが発表された。
■関連サイト
・「東京ゲームショウ2006」公式サイト