2007年12月19日（水）
【ハード番長】声優ナビ機能もある『MAPLUSポータブルナビ2』インタビュー・前編
漢なら黙ってまっすぐ進め！ 押忍!!（挨拶） 毎度、アクティです。恒例の挨拶も終えたところで、「電撃ハード番長」の第6回。今回はちょっと趣向を変えて、明日12月20日に発売されるPSP用ソフト『MAPLUSポータブルナビ2』をチョイスしてみます。
エディアが発売する『MAPLUSポータブルナビ2』は、2006年12月に発売された『MAPLUSポータブルナビ』の後継にあたるナビゲーションソフト。全国各地いたるところの道路地図を収録していて、自動車や徒歩で移動する際のルート探索が行えるなど、かなり本格派仕様のナビソフトです。詳しい情報は、以前の記事を参照していただきたく。
さて、なぜハード番長で取り上げたかというと、このソフトを効果的に使うには、PSP専用のハードウェア「GPSレシーバー」（PSP-290）が必要だから。……強引ですかネ。ともかく、今回開発を担当している方にロングインタビューを敢行することができたので、「電撃ハード番長」初の前後編でお届けします。聞き手は僭越ながらアクティが務めました。んではスタート！
■SCEとの協力で生まれた初代『MAPLUSポータブルナビ』
――本日はお時間を割いていただき、ありがとうございます。まずは、初代『MAPLUSポータブルナビ』を作られたキッカケから教えてください。
田口氏(以下・敬称略)：弊社は「PND(パーソナルナビゲーションデバイス)」と呼ばれるポータブルナビを開発しております。もともと携帯電話向けに位置情報データの提供を行うなど、さまざまなサービスを提供していたのですが、やはり「いいプラットフォームがないな」と。また、日本は他国と比べてもカーナビの普及率がすごく高くて、おおざっぱに(車両全体の)半分にナビが搭載されている計算なのですが、その数字は決してドラスティックに伸び続けているわけではなく、残り半分の方々は「高いコストを払ってまでは搭載する気がもともとない」のではないかとも考えてしまうのです。
そうした状況下で、より多くの方に使っていただけるような製品を3年ほど前から検討していました。現在PNDと呼ばれているものとあわせて一緒に検討していたのが、ゲーム機や、皆さんが頻繁にお使いのデジタル機器でして、「それらの機器上でナビゲーションをさせたいな」とずっと思っていたんです。
――その中で、ゲーム機としてPSPが浮上したと。
田口：ええ。実は昔、ゲームボーイであったり、ワンダースワンであったりと、いろいろ検討していたこともありました。ただ、スペック面やら何やらで、どの機種もナビをするのに十分ではなかったんです。そうした時に、SCEさんからPSPが発表されて、よくよく調べてみたところ「コレは行ける」となりまして。UMDの容量も1.8GBあるなど余裕もありますし、「PSPをナビに使えるんじゃないか」と考えたんですよ。そこで、PSPが発売して間もないころにSCEさんにご提案させていただき、そこからゆっくりとプロジェクトが動き始めました。
実際には、弊社としてはPNDが先にリリースされて、その後に『MAPLUSポータブルナビ』の1作目が出るという流れでした。
――企画をされた当時は、まだSCEさんから「GPSレシーバー」が出ていなかったんですよね？
田口：そうですね。具体的な製品化はされていなかったです。ただ、マイクやカメラなどとあわせて、SCEさんが提案する「PSPの利用スタイル」として、GPSも紹介されていた記憶があります。その点で、「PSPをナビにする」という我々の提案も親和性があったんじゃないかな、と思いますね。
特に初代の制作時には、まずこの製品の可能性をご理解いただくのに苦労しました。でも、開発が承認されて実際に制作を始めてからは、とても前向きにご支援いただけまして。最終的には、SCEさんとのコラボレーションで、初代の時にソフトとGPSレシーバーをセットにしてバリューな価格でご提供することもできましたし、PSPのCMでも取り上げていただきました。
――SCEさんとの協力があってこそ、ということですね。先ほどUMDの容量についてお話が出ましたが、ナビソフトを作成する上で容量面の問題はやはり大きいですか。
田口：全国で、かつある程度の縮尺にわたる道路地図を入れるには、UMD程度の容量が必要になります。例えばUMDの10分の1の容量ですと、全国の地図を入れることができずにナビ面で不便になったり、地図が汚くなったりするでしょうし。1GBあればそれなりに入るんですが、1.8GBあるとかなりリッチなデータを収録することができます。足りない分のデータは、メモリースティックなどで補うことができるのも大きいですね。
■ユーザーからの声を反映して生まれたのが『2』
――追加データのお話が出ましたので、ここからは『2』の話に移して、Webからの追加データについてうかがいます。低縮尺率の詳細な地図データは、ダウンロードでの提供ですね。
松永氏(以下・敬称略)：はい。スポットなどを細かく見る時に使う市街地図データでは、建物の形も大まかですが見ることができます。特に徒歩でお使いの場合に便利ですよ。
――拝見させていただいたところ、市街地図では道幅もかなりわかりやすくなっています。
松永：前作では、道が1本の「線」だったこともありまして……(笑)。道路の幅を持たせることができたのは、大きな進歩ではないかと自負しています。
――改良を重ねての『2』ということですね。他にも、ユーザーの方からの要望としてどのようなものがありましたか？
松永：先ほどの「地図の見ばえ」については、お客様からの要望が非常に多かったですね。他にも、「見た目でどういったところを走っているかがわからない」といった部分でのご要望が多かったです。
田口：言ってしまえば、地図が「ショボい」ということですよね(笑)。ただ、初代の時は「ナビをきっちりやる」ことを前提に作っていましたので。
松永：せっかく表現力が豊かなPSPというプラットフォームですので、『2』の地図こそが「これでしかるべき」なのかなという気はしています。ちなみに、Webの「MAPLUSナビコミュニティ」との連携で「ここのパーツはこの色で」といった具合に細かく地図の色を指定できる機能も用意する予定です。Web上でお好みの地図データを作成、ダウンロードしていただくことで、PSP上でもその設定を反映させることが可能になります。
――その機能は非常にユニークですね。
松永：いろいろな地図ソフトが、いろいろな見せ方をしているというのが現状でして、となると、ユーザーの方ごとに好みのデザインが異なると思うんですよ。ユーザーさんがそれぞれ自分に合った地図を作れるというのは、本作の大きなウリです。
■「俺ナビ」で自分好みに地図をカスタマイズ
田口：PSPはゲーム機でありながら「デジタルギア」でもあるので、特に男性の方の多くは「PSPで何かできたらな」という思いを強く持っていらっしゃると思うんです。PSPにGPSを付けてナビになる、というだけでもワクワクしていただけそうな気がしていますし、そうして興味を示してくださる方に向けた「おもしろさ」を提供していけたらなと考えています。
今回の『2』ではそうした面がすごく充実していて、「カスタムナビ」と我々が言っているものなのですが、従来我々が「使いやすいだろう」と考えてプリセットしている機能のうち、ユーザーさんの方でかなりイジくれる仕様になっているんです。
――俗にいう「俺ナビ」機能ですね。……この「俺ナビ」という名称は、どなたの発案ですか？
松永：えーと、開発の側で、企画段階から「フレーズとしていいよね」と話していて、それをそのまま使ってしまったという……(笑)。
――えー、なんというか了解しました(笑)。「俺ナビ」の名に恥じないほど、カスタマイズ要素がかなり細かいですよね。
松永：そうですね。40項目以上ありますので、これを1つずつ設定すると「億」を超えるセッティングのパターンが生み出せます。いろいろと遊んでいただけるのではないでしょうか。我々としては、できる限りのところを項目化したつもりです。
――逆に、細かくカスタマイズできすぎて何をすればいいか困る、ということもありそうですね(笑)。
松永：ですよね(笑)。そうした場合は「プリセット」機能を利用いただきたいです。こちらとしても、本格的にもっと細かくすることもできたのですが、バランスを考慮した結果、今の項目数に落ち着きました。もし、ユーザーの方にこれを受け入れていただければ、次はもっと細かくしてもいいのかな……と。
田口：やはり道具というのは、自分仕様にしたいものだと思いますので。ストイックなカーナビには必要ない機能なのかもしれませんが、「俺ナビ」のような機能は、このソフトに必要な味付けなのではと考えています。
【→後編に続く】
(C)2007 Edia Co.,Ltd. All Rights Reserved.
■メーカー：エディア
■対応機種：PSP
■ジャンル：ETC
■発売日：2007年12月20日
■価格：8,190円(税込)
※「PSP専用GPSレシーバー」(PSP-290)に対応
■『MAPLUSポータブルナビ2』の予約・購入はこちら
エディアが発売する『MAPLUSポータブルナビ2』は、2006年12月に発売された『MAPLUSポータブルナビ』の後継にあたるナビゲーションソフト。全国各地いたるところの道路地図を収録していて、自動車や徒歩で移動する際のルート探索が行えるなど、かなり本格派仕様のナビソフトです。詳しい情報は、以前の記事を参照していただきたく。
さて、なぜハード番長で取り上げたかというと、このソフトを効果的に使うには、PSP専用のハードウェア「GPSレシーバー」（PSP-290）が必要だから。……強引ですかネ。ともかく、今回開発を担当している方にロングインタビューを敢行することができたので、「電撃ハード番長」初の前後編でお届けします。聞き手は僭越ながらアクティが務めました。んではスタート！
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| インタビューに応じてくださった、エディア取締役兼事業本部長・田口政実氏(左写真)と、ナビゲーション事業部・松永剛氏(右写真)。気さくで終始笑顔の絶えないお2人でした。 | |
■SCEとの協力で生まれた初代『MAPLUSポータブルナビ』
――本日はお時間を割いていただき、ありがとうございます。まずは、初代『MAPLUSポータブルナビ』を作られたキッカケから教えてください。
田口氏(以下・敬称略)：弊社は「PND(パーソナルナビゲーションデバイス)」と呼ばれるポータブルナビを開発しております。もともと携帯電話向けに位置情報データの提供を行うなど、さまざまなサービスを提供していたのですが、やはり「いいプラットフォームがないな」と。また、日本は他国と比べてもカーナビの普及率がすごく高くて、おおざっぱに(車両全体の)半分にナビが搭載されている計算なのですが、その数字は決してドラスティックに伸び続けているわけではなく、残り半分の方々は「高いコストを払ってまでは搭載する気がもともとない」のではないかとも考えてしまうのです。
そうした状況下で、より多くの方に使っていただけるような製品を3年ほど前から検討していました。現在PNDと呼ばれているものとあわせて一緒に検討していたのが、ゲーム機や、皆さんが頻繁にお使いのデジタル機器でして、「それらの機器上でナビゲーションをさせたいな」とずっと思っていたんです。
――その中で、ゲーム機としてPSPが浮上したと。田口：ええ。実は昔、ゲームボーイであったり、ワンダースワンであったりと、いろいろ検討していたこともありました。ただ、スペック面やら何やらで、どの機種もナビをするのに十分ではなかったんです。そうした時に、SCEさんからPSPが発表されて、よくよく調べてみたところ「コレは行ける」となりまして。UMDの容量も1.8GBあるなど余裕もありますし、「PSPをナビに使えるんじゃないか」と考えたんですよ。そこで、PSPが発売して間もないころにSCEさんにご提案させていただき、そこからゆっくりとプロジェクトが動き始めました。
実際には、弊社としてはPNDが先にリリースされて、その後に『MAPLUSポータブルナビ』の1作目が出るという流れでした。
――企画をされた当時は、まだSCEさんから「GPSレシーバー」が出ていなかったんですよね？
田口：そうですね。具体的な製品化はされていなかったです。ただ、マイクやカメラなどとあわせて、SCEさんが提案する「PSPの利用スタイル」として、GPSも紹介されていた記憶があります。その点で、「PSPをナビにする」という我々の提案も親和性があったんじゃないかな、と思いますね。
特に初代の制作時には、まずこの製品の可能性をご理解いただくのに苦労しました。でも、開発が承認されて実際に制作を始めてからは、とても前向きにご支援いただけまして。最終的には、SCEさんとのコラボレーションで、初代の時にソフトとGPSレシーバーをセットにしてバリューな価格でご提供することもできましたし、PSPのCMでも取り上げていただきました。
――SCEさんとの協力があってこそ、ということですね。先ほどUMDの容量についてお話が出ましたが、ナビソフトを作成する上で容量面の問題はやはり大きいですか。
田口：全国で、かつある程度の縮尺にわたる道路地図を入れるには、UMD程度の容量が必要になります。例えばUMDの10分の1の容量ですと、全国の地図を入れることができずにナビ面で不便になったり、地図が汚くなったりするでしょうし。1GBあればそれなりに入るんですが、1.8GBあるとかなりリッチなデータを収録することができます。足りない分のデータは、メモリースティックなどで補うことができるのも大きいですね。
■ユーザーからの声を反映して生まれたのが『2』――追加データのお話が出ましたので、ここからは『2』の話に移して、Webからの追加データについてうかがいます。低縮尺率の詳細な地図データは、ダウンロードでの提供ですね。
松永氏(以下・敬称略)：はい。スポットなどを細かく見る時に使う市街地図データでは、建物の形も大まかですが見ることができます。特に徒歩でお使いの場合に便利ですよ。
――拝見させていただいたところ、市街地図では道幅もかなりわかりやすくなっています。
松永：前作では、道が1本の「線」だったこともありまして……(笑)。道路の幅を持たせることができたのは、大きな進歩ではないかと自負しています。
――改良を重ねての『2』ということですね。他にも、ユーザーの方からの要望としてどのようなものがありましたか？
松永：先ほどの「地図の見ばえ」については、お客様からの要望が非常に多かったですね。他にも、「見た目でどういったところを走っているかがわからない」といった部分でのご要望が多かったです。
田口：言ってしまえば、地図が「ショボい」ということですよね(笑)。ただ、初代の時は「ナビをきっちりやる」ことを前提に作っていましたので。
松永：せっかく表現力が豊かなPSPというプラットフォームですので、『2』の地図こそが「これでしかるべき」なのかなという気はしています。ちなみに、Webの「MAPLUSナビコミュニティ」との連携で「ここのパーツはこの色で」といった具合に細かく地図の色を指定できる機能も用意する予定です。Web上でお好みの地図データを作成、ダウンロードしていただくことで、PSP上でもその設定を反映させることが可能になります。
――その機能は非常にユニークですね。
松永：いろいろな地図ソフトが、いろいろな見せ方をしているというのが現状でして、となると、ユーザーの方ごとに好みのデザインが異なると思うんですよ。ユーザーさんがそれぞれ自分に合った地図を作れるというのは、本作の大きなウリです。
■「俺ナビ」で自分好みに地図をカスタマイズ田口：PSPはゲーム機でありながら「デジタルギア」でもあるので、特に男性の方の多くは「PSPで何かできたらな」という思いを強く持っていらっしゃると思うんです。PSPにGPSを付けてナビになる、というだけでもワクワクしていただけそうな気がしていますし、そうして興味を示してくださる方に向けた「おもしろさ」を提供していけたらなと考えています。
今回の『2』ではそうした面がすごく充実していて、「カスタムナビ」と我々が言っているものなのですが、従来我々が「使いやすいだろう」と考えてプリセットしている機能のうち、ユーザーさんの方でかなりイジくれる仕様になっているんです。
――俗にいう「俺ナビ」機能ですね。……この「俺ナビ」という名称は、どなたの発案ですか？
松永：えーと、開発の側で、企画段階から「フレーズとしていいよね」と話していて、それをそのまま使ってしまったという……(笑)。
――えー、なんというか了解しました(笑)。「俺ナビ」の名に恥じないほど、カスタマイズ要素がかなり細かいですよね。
松永：そうですね。40項目以上ありますので、これを1つずつ設定すると「億」を超えるセッティングのパターンが生み出せます。いろいろと遊んでいただけるのではないでしょうか。我々としては、できる限りのところを項目化したつもりです。
――逆に、細かくカスタマイズできすぎて何をすればいいか困る、ということもありそうですね(笑)。
松永：ですよね(笑)。そうした場合は「プリセット」機能を利用いただきたいです。こちらとしても、本格的にもっと細かくすることもできたのですが、バランスを考慮した結果、今の項目数に落ち着きました。もし、ユーザーの方にこれを受け入れていただければ、次はもっと細かくしてもいいのかな……と。
田口：やはり道具というのは、自分仕様にしたいものだと思いますので。ストイックなカーナビには必要ない機能なのかもしれませんが、「俺ナビ」のような機能は、このソフトに必要な味付けなのではと考えています。
【→後編に続く】
(C)2007 Edia Co.,Ltd. All Rights Reserved.
データ
▼『MAPLUSポータブルナビ2』■メーカー：エディア
■対応機種：PSP
■ジャンル：ETC
■発売日：2007年12月20日
■価格：8,190円(税込)
※「PSP専用GPSレシーバー」(PSP-290)に対応
■『MAPLUSポータブルナビ2』の予約・購入はこちら
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■関連サイト
・『MAPLUSポータブルナビ2』公式サイト
・MAPLUS
・エディア