2007年3月30日(金)
テクモは、本日3月30日に東京・品川グランドセントラルタワー 「THE GRAND HALL」にてプレスカンファレンスを開催し、多くの新作タイトルを発表した。
まず最初に登壇したのは、テクモ代表取締役社長の安田善巳氏。安田氏は「テクモのゲームは、10代後半から20代前半のゲーム好きをターゲットとするものが多かった」と前置きし、この日発表するタイトルは女性や高年齢の人にも気軽に楽しんでもらえるラインナップを揃えたと自信を覗かせた。また、「テクモは今後、DS市場に本格的に参入します。タッチぺンを使ったアクションゲームの新しいスタイルを全世界に提案すべく、開発陣も「遊び」の原点に戻ってゲーム作りに取り組んでいます」と挨拶。以下、本日発表された5タイトルの情報を紹介する。
■DS『DS 西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ「京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」』
本作のプロデューサーを務める、テクモ ゲーム事業部の設楽昌宏氏は、「このゲームはある2人との出会いがなければ生まれませんでした。1人は、原作者の西村京太郎氏。もう1人は、「ニンテンドーDSと、『脳を鍛える大人のDSトレーニング』を買ってきて」と頼んできたボクの母です」とユニークな前置きを披露。「これまでゲームにまったく関心のなかった母までがDSを欲しがっているのを見て、市場の変化を実感しました。しかし、DSのユーザーのうち30%を占めている中・高年層がプレイするゲームは、教養系のタイトルしか選択肢がないのではないかと。そこで、このようなユーザーに遊んでいただけるゲームを開発することを基本コンセプトとしました(設楽氏)」と、開発の経緯を説明した。
続けて、設楽氏から本作の内容が紹介された。ゲームジャンルはアドベンチャーで、シナリオの原案と監修は人気作家の西村京太郎氏が担当。プレイヤーは新人探偵の“新一新”を操作して、謎に包まれた父親の死の真相に迫ることになる。調べたい場所をタッチしたり、登場人物のウソの証言をタッチペンで指摘するなど、DSの機能を活かしたゲームになるとのことだ。特徴的なシステムは、怪しい部分がクローズアップされる「カットパネル」システム。ゲームに慣れていないプレイヤーに対する配慮も万全といえそうだ。発売日は2007年の秋、価格は未定となっている。
ゲーム説明後には、原作者の西村氏と本作のナビゲーターを務める女優の山村紅葉さんを招いて、トークショーが行われた。西村氏は自身の作品がゲーム化されることについて、「今は、小説が携帯電話に掲載されたりしますよね。そういう時代になってますから、時代遅れにならないようにね。本が売れないご時世ですから、ゲームから入ってきてくれると人がいるといいですね」と会場を笑わせた。一方、山村紅葉さんは「撮影所では、待ち時間で年配の方から若い子まで、みんなよくゲームで遊んでいるんですよね」と、幅広い年代の人がゲームで遊んでいることに驚いていたようだった。
DSユーザーの中高年齢層は、約480万人いると分析した設楽氏。しかし、この層がプレイするゲームはごく限られているとか。 | 本作は、「安心」、「簡単」、「役に立つ」という3つのキーワードで中高年齢層にアプローチしていくという。 |
西村氏は、コンピュータを相手に麻雀ゲームを楽しむことがあるとか。 | 写真左から、設楽昌宏氏、安田善巳氏、西村京太郎氏、山村紅葉さん。 |
【スクリーンショット】
■PC『ロード・オブ・ザ・リングス オンライン アングマールの影(日本語版)』
ファンタジー小説の金字塔で、映画も大ヒットを記録した『指輪物語』の世界観をベースにしたPC用MMORPG。「中つ国」を舞台に、“サウロン”の復活を巡って繰り広げられる「指輪戦争」を体験することができる。本作は、「LieVo」で初めてのパッケージ販売が行われるとのことで、発売日は2007年5月、価格は5,040円(税込)を予定している。
テクモ LieVo事業統括の佐々木憲太郎氏は、「パッケージ販売は、LieVoの豊富なソリューションメニューの1つです。今後も、テクモのタイトル販売、あるいはパートナーのタイトル販売と、さまざまな展開をしていきたいと考えています」とコメントした。
ゲーム画面上映後、ステージに登壇したさくらインターネット代表取締役の笹田亮氏からは、「4月24日からクローズドベータテストを行い、ゴールデンウイーク明けにはパッケージの販売を開始する」と運営スケジュールが発表された。また、このパッケージには、クライアント料 3,000円と1カ月分のプレイ1,500円をあわせた4,500円相当のプレイチケットと、限定ゲーム内アイテム「はやての指輪」が同梱されるとのことだ。
佐々木氏によれば、原作の壮大な世界観が忠実に再現されるという本作。“フロド”や“ガンダルフ”といった、原作で活躍したキャラも登場するのだろうか? | 写真左から、笹田亮氏、佐々木憲太郎氏。 |
【スクリーンショット】
■DS『かいて しゃべって はじめよう!モンスターファームDS』
今年で10周年を迎える『モンスターファーム』シリーズの最新作がDSで登場する。これまでのシリーズでは、CDを読み込むことでモンスターを再生(作成)していたが、本作ではタッチペンで描いた絵が再生される「魔法陣再生」や、マイクで入力した音声が再生される「呪文再生」など、DSならではの新たな方法でモンスターを再生することになる。発売日は7月12日で、価格は5,040円(税込)を予定。
会場では、プロデューサーを務めるテクモ ハイシナジープロダクションの西澤弘氏による実演が行われたが、「呪文再生」では思ったとおりのモンスターが出現しないというハプニングが。さらに、司会の女性を呼び寄せて再度「呪文再生」の実演をする……かと思いきや、「結婚しよう」と切り出して「ムリ」とあえなくフラれるという一幕も。
続いて、本作の開発を担当するシング代表取締役社長・宮川卓也氏を招いてのトークコーナーへ。西澤氏から、ゲームを作るときのこだわりを聞かれた宮川氏は、「うちはアドベンチャーゲームを作ることが多いんですが、シナリオ、登場人物を個性的に、魅力的にするところですね。あとは全体の雰囲気ですね。「このゲームいいね」と言ってもらえるように気を使ってます」とコメントしていた。
西澤氏みずからタッチペンをとって、「魔法陣再生」を実演。コメントしづらいこの絵からも、きちんとモンスターが再生された。 | 宮川氏(写真左)と西澤氏(写真右)のトークでは、ゲームクリエイターとしての、それぞれのこだわりが語られた。 |
【スクリーンショット】
■DS『NINJA GAIDEN:Dragon Sword』
Xboxで人気を博した『NINJA GAIDEN』シリーズが、いよいよDSに進出! 『DEAD OR ALIVE』を開発したことで知られる、テクモ ハイエンドプロダクション Team NINJA リーダー エグゼクティブプロデューサーの板垣伴信氏は、DSへの参入について「次にどんなゲームを作ろうか考えたときに、2004年から携帯機でゲームを出すことを考えていた。シューティングやRPGを作ってもよかったが、新しいことにチャレンジしたかった」とコメント。DSのインターフェイスを最大限に活用することに挑戦するという。
ゲームシステムは見下ろし型のアクションゲームで、プレイヤーが操作するのはおなじみのスーパーニンジャ“リュウ・ハヤブサ”。攻撃や移動などはすべてタッチペンだけで操作できることが特徴で、画面を横にタッチすれば刀を横になぎ、縦にタッチすれば刀を縦に振り下ろす。画面を2回タッチすればジャンプで、敵を直接タッチすると手裏剣で攻撃するなど、板垣氏の言葉の通り、直感的な操作が魅力となりそうだ。なお、発売は2007年を予定しており、価格は未定。
「任天堂との話し合いのなかで、「“かすみ”を触るゲームでもいいですか?」と聞いたら、「いいですよ」と言われました(板垣氏)」という秘話も披露された。 | このようにDSを縦に持ち、移動したい場所をタッチすると、その場所に“リュウ”が移動する。 |
“ハヤブサ”の刀の振り方は、タッチペンの動きに対応している。 | 必殺技にあたる「忍法」を発動させるには、タッチペンで梵字を書くことが必要。また、発動後は画面をこすると術の威力がアップするという。 |
【スクリーンショット】
■PS3『NINJA GAIDEN Σ』
「東京ゲームショウ2007」で発表されてから動きがなかったが、いよいよプレイアブルの状態で姿を見せた! 本作はXbox で発売された『NINJA GAIDEN』をベースにしており、ヒロインの“レイチェル”が使用可能になったほか、新アクションや新武器が追加されているとのこと。テクモ ハイエンドプロダクション Team NINJA ディレクターの早矢仕洋介氏によるデモプレイで、秒間60フレームで表現されたスピーディーでなめらかな“ハヤブサ”たちの動き、そして新武器「二刀流」で敵を斬り捨てる爽快感をアピールしていた。
続いて、本作のイメージガールに起用された、タレントのリア・ディゾンさんが壇上へ。リアさんは「私はゲームが大好きで、前からゲームの仕事をしてみたかったんです。『NINJA GAIDEN』はアメリカでも有名なゲームですから、お話をいただいてすごくうれしかったです」と声を弾ませていた。さらに、“レイチェル”を使用して体験プレイを行ったリアさんは、早矢仕氏が「初めてプレイするのに、こんなに華麗に動かせるなんて」と驚いたほどの腕前を披露。グラフィックやキャラクターの動きに「スゴイ!」と感嘆しながら、みごとに敵を撃破してみせた。
リア・ディゾンさんがプロモーション活動をすることでも注目を集めそうなPS3『NINJA GAIDEN Σ』は、6月14日に7,800円(税込)で発売予定。また、4月27日からPLAYSTATION Storeにて体験版の配信が始まるので、ぜひチェックしてみてほしい。
早矢仕氏は、今日の発表会に向け、ギリギリまで映像を作り込んでいたという。 | 画面中を縦横無尽に駆け回る“ハヤブサ”。そのスピード感はまさに目にも止まらないほど。 |
「グラビア界の黒船」ことリア・ディゾンさんが登場! ゲームについて語る際には、感激のあまり(?)コメントに英語が混じる場面も。 | 真剣な表情でコントローラを握るリアさん。ダメージを受けたときには思わず声をあげるなど、かなりゲームに入り込んでいた様子だ。 |
【スクリーンショット】
データ
▼『DS 西村京太郎サスペンス 新探偵シリーズ「京都・熱海・絶海の孤島 殺意の罠」』
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