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2007年6月7日(木)

【今週の1本】脱力系探偵AVGの決定版!?『おさわり探偵小沢里奈シーズン21/2』

 「電撃オンライン ファーストインプレッション」初登場のまり蔵です。先日、村田(仮)に「ちょいと兄さん、おもしろいゲームがあるんだが……」と話したところ、「俺に勧めている暇があったら、そのパッションを原稿にしたためろ!」と言われたので、私のこの熱い思いを文章にして読者のみなさんにお伝えすることにします。

 今回紹介するのは、5月24日にサクセスさんから発売されたDS用ソフト『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2~里奈は見た!いや、見てない~』。2006年4月に発売された『おさわり探偵 小沢里奈』の続編にあたる作品です。
 さまざまなオマージュが感じられるタイトルとか、購入特典が「宇宙ふりかけ スペース★シャケラ(永谷園おとなのふりかけ・焼鮭味)」だとか、いろいろとツッコミどころが満載の本作。もちろん、ゲームの内容もツッコミどころ満載です。はてさて、サクセスの名物広報・齋藤マサル氏も自ら認める、脱力系おさわりエンターテインメントの中身とは……?

■おぉ……なんてこったい……!

 ゲームを始めると、まず最初にチュートリアルが始まります。本作の主人公で「おさわり探偵」こと“小沢里奈”が自分の部屋から出られなくなり、スピーカーから聞こえる執事“じい”の指示のもと、脱出を試みるという場面です。前作をプレイした人はもうおわかりかと思いますが、『1』と同じスタートですね。
 なんとか部屋のカギを見つけようと、さっそくタッチペンで部屋のあちこちをおさわりしまくり。「前作では確か絨毯の下にあったはず」と絨毯をめくってみれば、“じい”に「いくらなんでも同じ場所に重要アイテムを隠したりはしませんぞ」とか言われる始末。浅はかですみません……。
 その後さわりまくった結果、“里奈”の優秀な助手“なめこ”が火を噴いて(えっ?)、ドアを破壊して脱出に成功しました(ええええっ!?)。そうよね、別にカギを使わなくてもドアは開くよね……。ゲーム冒頭から予想の斜め上をいく展開に、思わず唸ってしまいましたよ。恐るべし……!

■総当たり方式なのになぜか爽快!?

 本作は、「おさわり探偵」と銘打たれている通り、探偵モノのアドベンチャーゲームです。ゲームシステムには、由緒正しい「総当たり方式」を採用。NPCの話しを聞き逃したり、アイテムを取り逃している場合はストーリーを進めることができません。往年のミステリー系ゲームが大好きという人には、なじみ深いシステムではないでしょうか。
 本来、ちまちまとコマンドを選択していくという作業になりがちなこのシステム。しかし本作では、ニンテンドーDSのタッチ画面を使うことで、この単調な作業がスピーディかつ爽快なものへと変わっております。第1話「盗難」で、“里奈”がそうめんを5束集めなければならないというシーンがあるんですが、3束見つけたところでどうしても詰まってしまい、とりあえずいろいろとさわっていたら思いもよらないところで発見! これならストレスがたまることなく、ゲームを進めることができますなあ。もし、本作をプレイしていて詰まっている方がいらっしゃったら、「考えるな、とにかくさわりまくれ!」という言葉を贈りたいと思います。

■増殖する怪しいキャラクターたち

 本シリーズの魅力の1つが、個性的なキャラクター陣です。なにせ、主人公“里奈”の助手からして“なめこ”なワケで。ちなみにこの“なめこ”、「んふんふ」しか言わないくせにものすごく優秀なんですけどね。
 もちろん今作も、奇っ怪な新キャラクターたちが多数登場します。まり蔵的おススメめキャラクターは2名。1人は“里奈”のことを「生涯の好敵手」と呼ぶ“怪盗もろこし”。予告状を出してから盗みに入るという、古式ゆかしい神出鬼没の怪盗さんです。外見がトウモロコシなのはご愛敬。もう1人は、“怪盗もろこし”逮捕に情熱を燃やす女性“ダリア警部”。着々と怪盗取り逃がし記録を更新中のドジっ娘です。この2人が、今回いろいろと引っ掻き回してくれます。ときには“里奈”の捜査のジャマをし、ときには“里奈”の推理をカクランする……ってアレ?
 ほかにもイケメン骨董屋“KIMI”やタフな考古学者“ハリソン”、なぜか事件現場に出没する牛乳屋、幽霊、地底人、宇宙人などと、小粋な会話を楽しむことができます。小ネタがふんだんに盛り込まれた、キャラクター同士のやりとりにも注目していただければと。

■笑いアリ涙アリの
脱力系エンターテインメント


 とまあ、システム、キャラクターの紹介をしてきましたが、本作のキモはなんといってもストーリーです。カラーそうめんの盗難事件をはじめ、列車で巻き起こる窃盗事件、銅像損壊事件、幽霊屋敷の怪異、宇宙人襲来など、脱力感あふれるエピソードがてんこ盛り。コメディと思われがちですが、第4話「追憶」では“シルヴァーくん”と“コロンさん”の甘く切ない恋物語にホロっときてしまったり。「探偵モノ」という枠に捕らわれない、自由で大胆な物語をぜひ多くの方に堪能していただきたいです。アドベンチャーゲームが好きという方なら、間違いなく楽しめる作品だと思います。

 前作を知らなくても問題なく楽しめますが、『1』をプレイしていたらもっと楽しめるかも。なめこ1袋には負けますがお安くなった『おさわり探偵 小沢里奈(ぐっどぷらいす)』も発売されているので、そちらもぜひ! なんとも不思議なおさわりワールドに、ドップリつかってみてはいかがでしょう?(まり蔵)
おさわり探偵2

おさわり探偵2

おさわり探偵2

おさわり探偵2
のっけから“なめこ”が火を噴くという、人知を越えた展開が。“なめこ”はこんな特技も持っていたんですねえ。“じい”の「さすがは、おじょうさまでございますな」の台詞がなんともシュール。
おさわり探偵2

おさわり探偵2
前作にも登場していた、“里奈”の友人“まなみ”&“ちとせ”は今作でも健在。あいかわらず“まなみ”は、事件を引き寄せる金●一くん体質なようで。そして“ちーちゃん”も、あいかわらずのツンデレっぷりを発揮していました。ツンデレ、かわいいよツンデレ。
おさわり探偵2
なにかとクオリティの高いパフォーマンスで、まり蔵を魅了する“じい”。今作では、机の下からニョロニョロと飛び出して、まり蔵の腹をよじらせてくれました。しかし彼の、今作での発明クオリティは意外に高かった気がします。
おさわり探偵2
今作から登場の新キャラクター“ダリア警部”(左)と“怪盗もろこし”(右)。“怪盗もろこし”は逆さになってますが、お気になさらず。個人的には“ダリア警部”の「弱きを助け! 悪をくじく!」の決め台詞&ポーズが好きでした。まあ、いいところはまるでなかった彼女ですけど。
おさわり探偵2

おさわり探偵2
今回1番のサプライズだった、イケメン骨董屋さんの登場。ちょっと、“里奈ちゃん”がトキめいてますわよ、奥様! この骨董屋、言動が怪しくていちいちまり蔵のツボにはまりました。いっそのこと“里奈ちゃん”とくっついてくれないかなあ。
おさわり探偵2

おさわり探偵2

おさわり探偵2
まり蔵の涙腺を破壊した、4話の“シルヴァー”くんと“コロンさん”。ネタバレになるんで詳しくは書きませんが、いい物語だった。また、BGMの「風の谷の感動」がいいんだ、これ。ぜひ物語とあわせて堪能していただきたい楽曲ですね。

(C)2007 SUCCESS/BeeWorks

データ

▼『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2~里奈は見た!いや、見てない~』
■メーカー:サクセス
■対応機種:DS
■ジャンル:AVG
■発売日:発売中(2007年5月24日)
■価格:5,040円(税込)

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※Amazonの販売価格:4,284円(税込)

■関連サイト
『おさわり探偵 小沢里奈 シーズン2 1/2~里奈は見た!いや、見てない~』公式サイト
サクセス