News

2008年3月23日(日)

【WF2008[冬]】声優5人が出演した「グレンラガン」トークイベントをレポート!

 東京ビッグサイトで2月24日に開催されたフィギュア&ガレージキットコンベンション「ワンダーフェスティバル 2008[冬]」。その中で開催された「天元突破グレンラガン」トークショーの模様をお届けする。

▲この日のイベントに出演した声優陣。上段左から柿原徹也氏、小西克幸氏、檜山修之氏。下段左から井上麻里奈さん、福井裕佳梨さん。

 「天元突破グレンラガン」は、2007年4月~9月にかけてテレビ東京系列で放送されたガイナックス制作のTVアニメ。人々が地下で暮らしている世界を舞台に、穴を掘ることだけが得意な内気な少年“シモン”が、さまざまな出来事を経て男として成長していく様子を描いたロボットアクション作品だ。
 24日に開催されたトークショーには、主人公“シモン”役の柿原徹也氏、“カミナ”役の小西克幸氏、“ヨーコ”役の井上麻里奈さん、“ニア・テッペリン”役の福井裕佳梨さん、“ヴィラル”と“ココ爺”役の檜山修之氏が出演。トークユニット「アニメ会」の三平×2さんとサンキュータツオさんが司会を務める中で、5人は自分の演じたキャラクターについての話や、それぞれがオススメするシーンなどの話を、ブース前につめかけた大勢の観客たちに披露した。

 以下で、トークショーで行われたコーナーの中からいくつかを抜粋して紹介していくので、興味がある人や、残念ながらこのイベントに参加できなかった人はぜひチェックしてもらいたい。


■それぞれのキャラクターについて■

 まずは、キャストそれぞれが、自分の演じたキャラクターのどんな部分が好きかというテーマでトークすることに。柿原氏は“シモン”について「誠実なところ。本当の意味での男の強さがあると思います。序盤では、住んでいた村の女の子たちにさげすまれていたんですが、“カミナ”や“ヨーコ”や“ニア”と出会い、そして“ヴィラル”と戦ったことで……主役は“カミナ”だと言われつつも(笑)、ずっと頑張った“シモン”は、男の中の男だと思いましたね」と話した。すると小西氏は「大丈夫。お前(“シモン”)が主役だよ」と美味しいところを持って行きつつ“カミナ”の好きなところは「バカなところ」と発言。すると司会からこの意味についてたずねられ、小西氏は「この人って、一生懸命のバカじゃないですか。これくらいまっすぐにバカになれるって、素敵なことだと思うんですよ」と説明した。続けて「“カミナ”って、役が走ってくれているから、アドリブとかも勝手に出てくるんですよ。“ヨーコ”のオッパイを見て「おはようございます」とか、“ヴィラル”と再開した時に「どちらさまでしたっけ?」とか、温泉のシーンで「ワッショイワッショイ」って言ったりとかね」と、アフレコしていた当時のことを語ってくれた。
 3番目は井上さん。「(“ヨーコ”は)いい女だなと思います。女性ってどこかしら冷静な部分があって、“カミナ”や“シモン”がバカやったりするのを横で支えているんです。回を追うごとに演じている自分でも憧れるような、いい女に成長していきましたね~」と演じた役の魅力について説明してくれた。福井さんは“ニア”の「当たり前だと思うことを、当たり前にズバッと言える」ところが好きだと答え「彼女が言う言葉は本当の気持ちなので、皆さんを言い正そうとする言葉じゃないんですね。とっても純真で、だからこそ彼女の言葉には納得できるところがあるんです。そこがすごいなぁと思います」と説明した。
 最後に答えたのは檜山氏。“ヴィラル”について「檜山的に大好物なキャラクターですね。カッコいいシーンと情けないシーンが用意されているキャラクターって、役者として演じがいがあるんですよ。カッコよすぎるだけでもつまらなかったりするし、逆にドジばっかりで見せ場がなさ過ぎても寂しい。(“ヴィラル”は)ちょうどいいバランス。そこが大好きです」と、役者としての立ち位置から“ヴィラル”の魅力を語ってくれた。

▲小西氏のアドリブについて、小西氏自身は「“カミナ”がそうさせたんですよ」と言ったが、それに対して檜山氏は「みんな後輩だから言いにくいんでしょうけど、放し飼い状態ですよ!」と一言でバッサリ。


■思い出に残るリテイク■

 ここでは、声優陣がアフレコ中に出された「リテイク(録り直し)」についての思い出を語ってくれた。柿原氏の思い出に残るリテイクは、第17話で青年に成長した“シモン”が“ニア”にプロポーズをするシーン。シリーズ構成の中島かずき氏らからは、(第1、2部では)素のままの声でやってくれとディレクションされたのだが、柿原氏は「第3部に入って“シモン”も成長したことだし、低めに話さなきゃいけないと思って……やっちゃったんスねぇ、僕……。ホストっぽい声で」と暴露。そして実際にホスト声で「キレイになったと思わないか?」と演じると、思わぬボーナストラックに観客からはよろこびの歓声と大爆笑が、小西氏からは「なんでやっちゃったの、それ~」と実に残念そうなコメントが飛び出した。そして柿原氏は、中島氏のモノマネを披露しながら、ダメ出しを食らった場面をおもしろおかしく再現していた。
 福井さんからは、第10話でのリテイク話が。大グレン団を襲う“アディーネ”に対して言った「じゃあ、お父様が死ねといったら死ぬのですか!?」というセリフに力が入りすぎてしまい、リテイクが出たのだとか。司会から「どんな感じで演じたんですか?」と質問されると「炎のように……(“ニア”の)眼の中にあるお花が、炎に変わるくらいの感じで」と答えていた。
 第1話の“ヨーコ”には「もっとエロく」とリテイクを出されたのだとか。最初は、「セクシーなんだけれど、しゃべり方や口調は優等生っぽく色気を感じさせない感じで演じるように」と指示されたのだが、“シモン”たちと一緒に「ラガン」に乗り込むシーンでは「もうちょっとエロくやって」とストレートに言われたとのこと。それに対して井上さんが「エロくですか? そういうのニガテですねぇ」と返したところ、スタッフたちが大笑いしていたというエピソードが明かされた。「天元突破グレンラガン」の収録現場は笑いが絶えない現場だったようで、井上さんは「ブースの向こう側のスタッフさんの笑い声がマイクに入るんじゃないかと心配になるくらいでした」とも話していた。

▲第10話での、福井さんのリテイクについて柿原氏がコメントしようとすると、横から小西氏が「ええ。燃えてましたね」とコメントを横取り! コメントを持っていかれた柿原氏は、ガックリとうなだれていた。


■自分だけが知っているココだけの話■

 ここでは声優陣による「天元突破グレンラガン」のトリビアが披露された。小西氏は、“マッケン”役を演じた神永レオの正体について。ファンの中にはご存知の人も多いと思うが、神永レオは小西氏の別名義のこと。小西氏は「こんな素敵な作品なのに、“カミナ”は途中退場じゃないですか。でも最後まで出たいと思って「何か役はないんですか?」って話をスタッフにしたんですよ。そしたら2つあると言われて、その中の無口な役に決まったんですね。エンディングのテロップにも出ないつもりだったんですけど、ご好意で出させていただいて」と神永レオとして“マッケン”を演じた経緯を口にした。ちなみに神永レオという名前については「コレは飲み屋さんで決まった名前で、「“カミナ”がオレ」っていうのをもじった名前です。ぜひファンの方にはウィキペディアなんかを作ってもらえたらね、そこから出演作とか増えるかもしれませんしねえ」と言うと会場は大爆笑。檜山氏からは「事実上デビュー作で引退作じゃねえか!」とツッコミを入れられると「言ったもんがちですから、ハイ」と返して笑いを誘っていた。
 続いて福井さんは「あの~コレ、言ってもいいんですかねえ」と恐縮しながらも、番組後半に現れる“シモン”たちの敵「アンチスパイラル」の最初の名前が「宇宙マン」であることを明かした。福井さんは、オーディオコメンタリー収録の際にこのことを知ったようで、このコメンタリーは、今後発売されるDVDに収められることも明かされた。宇宙マンが気になるファンは、DVDを楽しみに待っているといいだろう。
 そして最後は「柿原、オレのマネをするならもっとレベルを上げろ!!」というもの。これはトリビアではなく、檜山氏からのメッセージ。ここ最近、柿原氏はさまざまな場所で檜山氏のモノマネをしているらしく、「普通は役者って、同じシチュエーションをやっていたらうまくなってくものなんですけどねえ、コイツは現状維持もしくは下降線で……」と残念そうに語り「やってもいいから……もうちょっとサマにして」と切実なお願いをしていた。

▲ここで特別に、柿原氏がいつもやっている檜山氏のモノマネをすることに。すると柿原氏は「ガオ! ガイ! ガー!」と大絶叫! 会場から「ええええ~!?」と驚きの声が響く中、檜山氏は「ここはガイナックスブースだろう! 空気読めよっ!!」とモノマネが似てる似ていない以前のところでツッコミを入れていた。そして檜山氏はお手本として「調子に乗るな! 人間!!」と“ヴィラル”のセリフを披露。すると会場&柿原氏からは、大きな拍手と感嘆の声が返ってきた。

▲「出番がないのに現場に行くなんて」と感心するアニメ会の2人だったが、そんな2人に小西氏は「いや、小野坂さん(“リーロン”役)や斎賀(“ロシウ”役)とゲームしに行ってただけです(笑)」とぶっちゃけていた。


■スタッフに聞いてみたいグレンラガンの謎■

 このコーナーでは、本作のアニメーションプロデューサーを担当した武田康廣氏が、キャスト陣からの質問に答えていった。檜山氏から、人間から恐れられる獣人の戦士から、地下に戻りたいと願う人間たちの味方をするようになった“ヴィラル”についての質問がぶつけられた。「第2部と第3部の間で、7年の時間が経っているわけですが、その間に“ヴィラル”に何があったんですか?」との質問に武田氏は、今石洋之監督から預かってきた答えを読み上げた。その答えは「知らん!」というシンプルなもの。あまりの答えにズっこける出演者一同だったが、武田さんは続けて「シリーズ構成の中島さんの頭の中にあると思うので、今度あった時に聞いてきますって(監督が)言ってました」と言い、あくまで自分の考えですが、と前置きした上で「最初の1年間は、獣人に復讐をする人間たちから逃げて逃げて逃げ回る1年間で、次の3年は放浪の3年間。そして4年経って、人間たちのいる地下に戻りたいと思うやつらが出てきた。そんな彼らに同情して一緒に闘うようになったんじゃないかなぁ」と答えてくれた。制作陣の中にも“ヴィラル”の空白の7年が気になる人もいるようで「スタッフの中にも“ヴィラル”の7年間で何かできたらおもしろいなぁって言ってるやつもいるんですよ」と、まったくどうなるのかはわからないものの、外伝を作りたい意思がゼロではないことを明らかにした。
 続いての質問は、柿原氏の「“シモン”の第4部でのサングラスはなぜあのデザインになったのか」というもの。これについてはキャラクターデザインの錦織敦史氏と今石氏から答えを預かってきたようで、「“カミナ”よりパワーアップしました(錦織氏)」、「サングラスの形でも“カミナ”を超えた男になったってことです。カッコいいでしょ?(今石氏)」と答えていた。その答えにいまひとつ不満そうだった柿原氏に「イヤなら次から出なくてもええんよ?」と宣言。「パワハラだ! パワハラだ!」と騒ぐ出演陣の中で、柿原氏は必死に謝って会場を笑わせた。さらに小西氏は「“シモン”が“カミナ”を超えたとのことですが、物語的にそうなっているのであれば、それは仕方がないですよね」と、これまでの発言とはそぐわない「オトナの対応」を見せていた。
 また福井さんからは「“ニア”の好物はカニなんですか?」との質問が寄せられた。実は、福井さんは「1日にカニを10杯は食べます」と、会場を驚かせるほどのカニ好きで、「“ニア”が作る料理の中に、よくカニの足とかが出てきていたもので……気になっていました」とのこと。この質問について今石氏は「“ニア”は料理をした回で初めてカニを食べたんじゃないでしょうか。気に入ったとは思いますが、彼女は自分の料理の味見をしていないので、好みかどうかはわかりません」という答えを示した。

▲「トップをねらえ!2」のキャンペーンなどで福井さんと一緒に北海道へ行ったという武田氏は、「普段の飲み会では福井さんもそんなに飲んだり食べたりしないんですが、カニが出る時は別ですね。ひたすら食べてる。もうね、最後の方なんか殻ごと食べてるくらい」と、冗談交じりに福井さんのカニ好きについて話してくれた。


■自分の役で一番好きなシーン■

 タイトル通り、自分が演じたキャラクターの登場シーンで一番好きなシーンを出演陣がそれぞれ紹介していくコーナー。各キャストが取り上げたシーンは以下の通り。

 柿原氏は、第11話「シモン、手をどけて。」で“シモン”が口上を述べるシーンをチョイス。選んだ理由としては「ようやく“カミナ”のことを吹っ切れたシーンなので、思い出に残っていますね。8話で“カミナ”が死んじゃって、9~11話の冒頭までずーっとしょぼくれている“シモン”を演じていたので、ようやくこのシーンではじけることができたので印象に残っています」とのこと。小西氏は「TVでオンエアを「お前が立たなきゃいけないんだぞ」っていう“カミナ”目線で見ていたらすごい泣けてきましたね」と当時の気持ちを語ってくれた。井上さんはこのシーンについて「これまで弟分だった“シモン”が男の子として立ち上がったシーンなのでとてもカッコよく思えました」とコメント。また檜山氏は「僕は敵側の“ヴィラル”を演じていたし、彼はこのシーンの後で“カミナ”が死んだことを知るわけですから、やっぱり他のみんなと比べると少し距離があるかな。ただ、こういうシーンはロボットアニメのキモなので、先輩の役者として「柿原うまくやれよ!」とは思っていましたね」と、先輩らしい意見を口にしていた。

 檜山氏は第26話「行くぜダチ公」で、夢の中で妻と子どもに囲まれて、おだやかに過ごしている“ヴィラル”が、夢だと気づいて現実へ戻っていくシーンを取り上げた。そのシーンがモニターで流されると、会場中から「ああ~!」と賛同する声が。選んだ理由について檜山氏は「この話の数回前で獣人が子孫を残すためには、みたいな話があって、そこで獣人は動物的に交配して子孫を残していくわけではないと明かされていたんですよね。そういう伏線があるにもかかわらず、“ヴィラル”がこういう夢を見ている。そこで、彼がそういう人間的なことに、どこかで憧れを持っているんだなぁとわかったんですよね。“ヴィラル”のことをキャラクターとして深いなぁと思えたので、このシーンは好きなんですよ」と語ってくれた。柿原氏は、自ら演じた役のライバルである“ヴィラル”が仲間になったくだりについて、「“シモン”は、囚人として“ヴィラル”と一緒に収監されていたので、そこで会話していたと思うんですよ。その後、監獄から出た“シモン”が“ヴィラル”に「一緒に「グレンラガン」に乗ろう!」と言うんですね。ここで“シモン”が彼のことをすんなりと受け入れていたので、僕もすんなりと受け入れられましたね。むしろ“キタン”や他のメンバーが“ヴィラル”のことを受け入れてくれるのかが心配でした。結局それは杞憂だったんですけどね」と述べていた。

 井上さんは、第13話「みなさん、たーんと召しあがれ。」のラストで、“ヨーコ”が“シモン”に、自分が“カミナ”のことが好きだったことを打ち明けるシーンを選んでいた。「“カミナ”がいなくなって、ずっと苦しい思いをしてきて、“ヨーコ”の中で「なんで去っちゃうのよ!」って思いがあって、それを“ニア”にぶつけていた部分もあったんですけれど、ここは、彼女が成長して“カミナ”という壁を乗り越えられたシーンなんですね」と言う井上さん。続けて「作中でいろいろとかわいい顔を見せている“ヨーコ”ですけれど、このシーンの彼女の顔は何より一番美しかった印象が残っています」と話してくれた。“ヨーコ”について小西氏は、第8話でキスしたことに触れて「自分のためもあるんだろうけど、「グレン団」のためだっていうのもあったと思うんですよ。“ヨーコ”にキスしたり10倍返しだっていうのは、ここに帰ってくるよっていう意思表示っていう意味もあったんじゃないかな」と自分なりの解釈を示した。そして柿原氏は「“シモン”にとって、“ヨーコ”は初めて身近に現れた同年代の女の子だったんですよね。だから意識してはいたと思うんですけれど、恋心とはちょっと違ったかもしれません。“ヨーコ”と“カミナ”の距離が近づいていくのを見てワナワナしていたのは、「自分が置いてけぼりにされてしまうんじゃ?」と思っていたからなんじゃないかと。“ヨーコ”に“カミナ”を取られてしまったようにも感じたでしょうし」と、“シモン”から見た“ヨーコ”について語ってくれた。

 最終話の“シモン”と“ニア”の結婚シーンを取り上げたのは、福井さん。柿原氏にとっても思い入れがあるシーンだったようで、思わず下を向き涙ぐんでしまっていた。福井さんは、このシーンを演じた時の心境を思い出しながら「「グレン団」のことも何も知らなかった“ニア”が、“ヨーコ”との衝突などを通じて成長していって、“シモン”へ「愛してる」としっかり想いを伝えられたところなので、思い入れがあります。“ニア”は消えてしまうんですけれど、悔いはないっていうとおかしいんですけれど、本当の信頼関係で結ばれていて、すごく爽やかな気持ちで悲しさを乗り越えていけました」と、つかえながらも、その思いを口にした。柿原氏は「台本をもらった時は「あ~やっぱりこうなるんだ……」と、すごく悲しかったんですね。だけど演じている時は悲しさよりも、ようやく“ニア”を助けてあげられたんだな、という気持ちでいっぱいでしたね。僕の中で「愛してる」っていうセリフがすごく来るセリフで、「好きだよ」じゃなくて「愛してる」と“ニア”の最期に言ってあげられたのはよかったですね。今見てもウルっと来るくらいです」と話してくれた。檜山氏は「2人も言ってましたけれど、参列者もそういう状況をどこか達観しているんですよね。しょうがない、って言うと軽くなっちゃうんだけど、彼らは本当に笑顔で祝福しているし、そこに強がりはないんですよね。だから、主役たちを含めて魅力的な集団ですよね。すげえヤツらだと思います」と、「グレン団」全員についての感想を言った。

 トリの小西氏が選んだシーンは――「全部」。会場から笑い声が響く中、司会の2人から詰問されていた小西氏だったが「あれだけ短い時間の中を走り抜けてきた、彼の人生そのものが好きなんですよ」と説明し、スタッフがチョイスした“カミナ”の名シーンをモニターで上映することに。そのシーンは第6話「てめえら全員湯あたりしやがれ!!」で、“ヨーコ”の裸にかかったモザイクを外してもらうために“カミナ”が敵の言うことをホイホイ聞いてしまうシーン。井上さんは「いいシーンがいっぱいあるのに、スタッフさんがあえてここを選んだことにショックを受けました」とガックリ。小西氏は「バカですねぇ~、ガイナックス。もちろん演じていて、楽しかったことは楽しかったですよ。「ワッショイ」とか「おはようございます」っていうアドリブを入れまくった回ですから」と語った。ここで他の声優陣が“カミナ”について語っていくことに。それぞれ「小西がアドリブで「どちらさまでしたっけ?」を入れたシーンですね。あれは、役者としてやられましたね。僕の中で、小西と“カミナ”がシンクロしたシーンです(檜山氏)」、「グっときたのは、“カミナ”が「俺の太陽この手でつかめば、スゲー熱いが我慢する!」と叫ぶシーンですね。私もしょっちゅう思い出してます(福井さん)」、「“ヨーコ”としては、彼の一挙一動すべてが彼女のすべてなんですが、やっぱり心にずっと刺さっていた「10倍返し」って言葉かな。第25話のパラレルワールドで“カミナ”が出てきてくれたことが、彼女にとっての10倍返しだと思うので、そこは大切なシーンですね。(井上さん)」、「2話で憧れていたお父さんの死体を見て泣いて落ち込んでいたのに、3話でもう気持ちをひっくり返していたんですよね。彼の強さを語るために、あのシーンはとっても大切だと思います(柿原氏)」と“カミナ”の印象的なシーンについてコメントした。


■自分にとっての「グレンラガン」■

 そしてイベントの最後では、キャストそれぞれの「天元突破グレンラガン」に対する想いやファンに対するメッセージが語られた。

●柿原氏
 本放送が終わって再放送をやっていますけれど、ファンの皆さんが、休日なのに時間を割いてこういうイベントに来てくれる。コスプレもいっぱいしてくださって、本当にありがとうございます。皆さんの魂が伝わってくる感じです。放送が終わっても、ずっとこの熱さが続いていくと思います。皆さん、これからも「グレンラガン」を愛してください。本当に今日はありがとうございました!

●小西氏
 今日は、ありがとうございました。自分にとっての「グレンラガン」、本当に簡単です。すごい好きです! そんな言葉で収まらなくて、ゲージでどれくらい好きなのか表現できると簡単なんでしょうけど。ガイナックスの山賀さんは「10年やっていきたい」とおっしゃってましたけれど、自分としてはライフワークとしてずっとやっていければいいなと思っています。将来、「懐かしのアニメ」みたいな番組に、“シモン”として柿原が出てきたりしたらうれしいですね。

●井上さん
 今日は風の強い中、こんなにたくさんの「グレン団」が集まってくれてうれしかったです。この「グレンラガン」という作品は、2クールの放送期間でしたけど、1年間携わってきた作品です。自分の中でメインとして1年間続ける役って今までになかったので、“ヨーコ”とこの作品は、かけがえのない存在になっています。本放送が終わってからもこれだけの熱い声援をいただけて、うれしく思っています。これから先も、応援よろしくお願いいたします!

●福井さん
 皆さん、今日は本当にありがとうございます。ブラウン管の向こうに「グレン団」の皆さんがたくさんいらっしゃるんだと、すごくわかるイベントでした。人の気持ちが熱い作品だったと思います。この作品にかかわれて、本当に光栄です。おばあちゃんになった時に、孫にも見せて、一緒に楽しめればとワクワクしています。まだまだ熱は冷めない状態です。みなさん、これからもよろしくお願いいたします。

●檜山氏
 こんなに風の強い中、会場に大勢の人が来て、なおかつ「グレンラガン」の1コーナーにこんなに大勢の皆さんが足を止めていただいて、この作品のパワーをあらためて感じることができました。我々声優って、キャラクターや作品との出会いは受け身的なので、その中でこの作品と“ヴィラル”に出会えたことは、うれしいことであり、名誉なことだと思っています。僕自身もこの名誉に10年は浸っていたいのですが、小西の言ったように10年なんて半端なことは言わず、死ぬまで浸っていられれば何よりだと思います。そのためには皆さんの後押しが不可欠ですので、一緒に死ぬまで応援していただければと思います。


 先のコーナーでも登場した武田プロデューサーが再びステージに登場。3月に開催される「東京国際アニメフェア」でイベントと発表が行われることが明らかにされると、観客からは大きな歓声が起こっていた。その後、拍手でキャストたちを見送り、イベントは終了となった。

(C)GAINAX・中島かずき/アニプレックス・KDE-J・テレビ東京・電通

データ

■「ワンダーフェスティバル 2008[冬]」開催概要
【開催日】2008年2月24日10:00~17:00(※終了)
【開催場所】東京ビッグサイト 東2~6ホール
【入場料金】2,000円(税込・公式ガイドブック付)
※小学生以下は無料。

■関連サイト
「天元突破グレンラガン」公式サイト