2008年3月3日(月)
ゲーム作りのスペシャリストを育成する専門学校で、「ゲームクリエイター」という夢を実現するために奮闘する生徒たち。果たして彼らは、どんな思いを持ってゲーム作りを学んでいるのか。それぞれの分野に学ぶゲームクリエイター候補生たちの熱い気持ちとゲームに対する情熱に迫る! | ||
大阪で生まれ、富山県で育った加藤由里さんは、高校卒業後にアミューズメントメディア総合学院のゲームグラフィックコースに進学。小さいころからゲームに親しみ、中学生のころには、ゲームクリエイターを目指していた。 | ||
加藤由里 1988年5月5日生まれ 大阪府出身 | ||
「根っからのゲーマーだったので、いつからゲームクリエイターを目指したとかいう実感は、実はあまりないです。絵の世界は、内尾和正さんのイラストを見てはまったのがきっかけです」 中学卒業後に進学したのは、商業デザイン科という特殊な学科だった。ここは国からスペシャリスト育成の指定を受けた、商品をPRするためのポスターデザインやロゴ作り、商品のパッケージなどを考えるという、デザインに関して実戦的に学習できる場だった。同級生のほとんどは、美大や印刷関係など絵に関する方面に進んだ。加藤さんがゲームグラフィッカーを目指すのは、当然の流れだったのだ。 「絵に関する仕事をするというのは、中学のころに決めいていて迷いはまったくなかったです。母親は看護師で、本当は私にもそういう技術系の仕事をやって欲しかったのかもしれませんが、「あんたなら、どこでもやっていけるだろう」と送り出してくれました。高校の同級生も一緒の寮にいるので、その辺りの安心感もあったかもしれません」 中学生のころに進路を決めて、順調に夢に向かっている加藤さんだが、最初は戸惑いもあったようだ。特に高校で学んできた商業デザインとの違いには驚いた。 「商業デザインは止まった絵で、ゲームグラフィックは動画なので、通じる部分はあるけど、伝え方がまるで違うという印象です。プログラムで実際に絵が動いた時は、「うおっ」と思わず感動しました(笑)。夏期のゲーム共同制作では、すごくレベルの高い人と一緒だったので、そこについていくのが大変でした」 制作したのはオンラインでプレイするカードゲームで、そこではインターフェイスや背景などを担当。本人いわく「調整役みたいな感じでした」とのこと。実際に完成したゲームのクオリティは高く、発表会では一般参加者の人気投票でトップを獲得。そして冬期では、なんと乙女ゲームを制作中だ。そこには、将来設計を見据えた挑戦があった。 「写真が好きなのも影響しているかも知れませんが、ゲームグラフィックの中では背景が好きです。画面全体で見た時にキャラクターって小さいじゃないですか。でも背景って、ゲームの空気感を出すというか、あり得ない世界を画面に演出することができるんです。早い段階から背景のデザイナーになりたいと思って学院に入学したくらいですから。逆に苦手意識があるのは頭身の高いリアルな2Dイラスト。自分としては、描いてみるとバランスが崩れていて、まだまだ納得がいかないんです。それを克服するためにも、乙女ゲームに挑戦してみようと思ってやってます。あくまで背景にこだわっていきたいけど、どこで何が役に立つかわからないので、いろんなことをやっておきたいです」 絵にこだわりを持つ加藤さんだが、マンガやアニメなどさまざまなエンターテイメントがある中で、あえてゲームグラフィックを選んだ理由は、「好きだから」だ。 「映画を見たりマンガを読んだりするのも、確かに楽しいです。でもどんなにスゴイ絵も見ているだけじゃつまらないんです。スゴイ絵を自分で動かせることに意味があるんです。他人がプレイしているのを見ても、“私ならこうするのに”と思ってプレイしたくなりますから。それは、私がゲームオタクだからだと思います」 取材が始まるまではおとなしそうな感じだったが、実際に話してみるとはっきりモノを言うタイプなので驚かされる。ゲームグラフィッカーとして大きな夢を持ちつつ、それでいて「就業体制がしっかりしていて、夜は帰って寝れるゲームメーカーがいい(笑)」という現実的な発言があったりと、独特な個性の持ち主だ。 「よく第一印象と違うと言われます(笑)。でも行動しないと、何も始まりませんから。基本的に負けるのが嫌いだし、他人よりも上を目指したい。友だ | ||
ちにすごく才能ある人がいるんです。その人と同じもので勝負しても勝てないし、負けるのが悔しい。だから、どこでその友だちに勝つかを考えたりしています」 負けず嫌いで努力家。中学時代から一歩ずつ歩んできたゲームグラッフィカーの夢まで、あとわずかだ。 |
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・アミューズメントメディア総合学院
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