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2008年5月23日(金)

【今週の1本】錬金術も学校生活も、両方楽しめる欲張りなRPG『マナケミア2』

 最近は、「やり込み系」と呼ばれるタイトルが数多くあるが、その中でも『アトリエ』シリーズといえば、本来の目的そっちのけでえんえんと調合だけが楽しめたりする、まさにその手のタイトルの代表作だ。1本あれば、しばらくは他のゲームがいらなくなってしまうほどに遊び尽くせる『アトリエ』シリーズから、今回は5月29日に発売される最新作であるPS2用ソフト『マナケミア2 おちた学園と錬金術士』をピックアップした。学校を舞台に、ユニークなスクールライフと調合、どちらも楽しめる贅沢な仕様になっている。

■「おちた学園」に入学してくる2人の主人公

 ゲームの舞台となるのは、空高く浮かぶ島にある「アルレビス学園」。古くから数多くの著名な錬金術士を輩出してきた名門校だが、錬金術の才能を持たない者は門をくぐることさえできない。だが近年、教育者の質の低下により、卒業後にまともな錬金術士になる生徒が激減。加えて、「マナ」と呼ばれる精霊の力も減少し、「マナ」に頼って空中に浮かんでいた「アルレビス学園」は地面へと墜落してしまう。ここに至り、学園は方針転換を決意。錬金術以外も教えることにし、そのおかげで活気も取り戻していった。
 そんな中、時を同じくして2人の生徒が入学してくる。1人は、「マナ」に対して暗い思いを抱く少年。もう1人は、「マナ」を手に入れるためという目的を持った、田舎育ちで錬金術の知識がほとんどない少女。2人は学園の中でどのように出会い、どう成長していくのだろうか……。

■主人公によって変化するストーリー

 これまでに発売されている作品では、女性キャラクターが主人公であることが多かった『アトリエ』シリーズ。しかし今作では、主人公が男女から選択できるようになっている。ゲームを開始すると、最初に男性キャラクターの“ロゼ”か、女性キャラクターの“ウルリカ”かを選ぶ。どちらで始めるかにより、違ったストーリーで物語が進んでいくのだ。仲間になるキャラクターも同じにはならず、物語も変わる。ただし、学園生活を送るという基本的な部分は2人とも一緒なので、メインのストーリーはほぼ同じだ。ということで、今回は“ウルリカ”を選んでプレイしてみた。
最初に“ロゼ”または“ウルリカ”を選ぶ。どちらかでクリアしても、別のキャラクターで再び始めれば違うストーリーが楽しめる。


 最初は、幼なじみの“クロエ”と行動をともにすることになる。彼女は、“ウルリカ”に無理矢理連れられて「アルレビス学園」へと入学したということで、かわいそうなキャラクターかと思いきや、口が悪すぎ。イベントが起きるたびに、その口からは辛口なセリフがバンバン飛び出してきて、見ていて飽きないキャラクターだった。
“クロエ”のセリフは、どれをとっても口が悪くておもしろいい。とはいえ、現実にこんな人が学校にいたら、仲よくやっていけるかどうかは疑問……。


■課題をクリアするために採取へ行こう!

 そんな感じで、オープニングイベントが終わると最初の授業が始まり、学生課に行って課題を受け取ることになる。初めての課題は、「リフュールポット」というアイテム作ること。材料となるアイテムは学園の外にある「学びの橋」というところで採取できるとのことなので、さっそく“ウルリカ”と“クロエ”の2人でパーティを組んで出発してみた。移動は、学園内やワールドマップでは行き先を選ぶだけ。採取地などのダンジョン、キャラクターを自由に動かして先へと進んでいく。
移動は、行き先を選んで決定するだけ。地名も出るため、迷うことはない。イベント中に行かなければならない所は「!」マークで表示される。

ダンジョン内でも、スタートボタンを押せばマップが表示される。目的地がある場合は、校内マップと同じく「!」マークで示されるため、迷子になることはないだろう。


■戦闘も採取も、実はとても簡単

 途中に現れるスライムのような敵に触れると、相手の頭上にボタンマークが描かれた吹き出しが飛び出すので、それと同じボタンを押せば先制攻撃になる。このシステムがなかなかユニークで、違うボタンを押すと敵の先制攻撃になるため、ダンジョン内を歩いていても緊張感が途切れないのだ。とはいえ、ボタンが表示されている時間はそれなりに長いので、ある程度PS2で遊んでいる人ならば滅多に先制攻撃を食らうことはないだろう。
フキダシの中に書かれた印と同じボタンを押せば先制攻撃に。間違えると、敵が先に攻撃してくる。


 戦闘は、ターン制のコマンド選択式で、素早い順に順番が回ってくる。こういった戦闘方法の場合、素早さをプレイヤー自身が記憶しておかないと作戦を立てづらいということが多々あるが、本作では画面右上に行動順序がアイコンで表示されているため、非常にわかりやすい。コマンドから行動を選ぶと、そのキャラクターが次にいつ行動できるのかを教えてくれるのも親切だ。また、ダンジョン内にはセーブポイントを兼ねた回復場所があるので、スキルを出し惜しみせずにサクッと倒していった方がよさそうだ。
コマンドを選ぶオーソドックスな戦闘だが、仲間が増えると連続攻撃なども可能になる。


 なお、初めて登場するシステムに関しては、必ず細かな説明が挿入される。これがかなり懇切丁寧なので、マニュアルを見ることなく進められたのがよかった。筆者のように、ソフトを購入してもマニュアルを見ない「ずぼら人間」にはピッタリ。
ヘルプは力が入っていて、これを見るだけでシステムが全てわかる。ゲーム中でわからないことがあったら必ずチェックしよう。


 敵を倒しながらダンジョン内を探索していると、ところどころに野菜や果物、鉱石のフキダシが表示される場所が見つかる。そこが採取地だ。フキダシのところで○ボタンを押すと、野菜アイコンの場所ではルーレットが回り出す。これを○ボタンで止めると、表示された絵柄の材料が入手できるのだ。他にも、前作と同じく釣りも用意されているなど、採取に関してはおもしろいシステムが導入されており、遊び心満載。思わず話を進めないで、何度もダンジョン内の採取地に通ってしまったほどだ。ちなみに、課題は特殊なものでもない限り、時間制限などは特にない。存分に採取を楽しむことができる。
採取方法はいろいろあるが、ルーレットでは同じ絵柄を全てそろえると、オマケで別のアイテムもゲットできる。サービス精神旺盛だ。


■調合は○ボタンを押すだけと簡単だが……

 飽きずに長時間ダンジョン巡りをし、材料を大量にゲットしたところで、本作のメインとも言える調合にトライ。調合というと難しそうに聞こえるかもしれないが、システムは実に簡単だ。作りたいアイテムを選択後、表示されている中から使いたい材料を選ぶ。すると、画面左下で「錬金円環」と呼ばれるルーレットが回り出すので、適当に○ボタンを押すだけ。これだけで、必ずアイテムが完成する。
 また、選んだ材料と「錬金円環」を止めた位置によっては、完成品の品質が変わってくる。品質次第で、同じアイテムでも能力が変化するため、あらゆる品質にしようと調節するだけで長時間遊んでしまった……。この後、課題を提出するとイベントが発生し、自動的に1週間が過ぎていく。これを繰り返していき、1年間の学園生活を過ごしていくこととなる。
材料の数だけ2~4回、○ボタンを押せば完成。「錬金円環」中央の数値が上下することで、完成品の品質が変わってくる。


■豊富なやり込み要素で、長く遊べるタイトル

 ありとあらゆるところにやり込み要素が入っているので、ちょっとでもコンプリート癖がある人は、時間を無制限に奪われてしまうので注意が必要かもしれない(笑)。特に、アイテムの品質を変えることで出現する特徴などもあるので、これをすべて出そうと思って調合し始めると、いくら時間があっても足りないほどだ。
 また、イベントもテンポよく入ってくるため、飽きやすい人でも楽しくプレイできる。筆者は前作を90時間以上プレイしてしまったが、本作も間違いなく100時間をオーバーするまで遊びそうな予感だ。1本を長く遊びたい人には、是非ともすすめたい1本といえるだろう。(佐々木潤)

(C)GUST CO.,LTD. 2008

データ

▼『マナケミア2 ~おちた学園と錬金術士たち~』
■メーカー:ガスト
■対応機種:PS2
■ジャンル:RPG
■発売日:2008年5月29日
■価格:通常版 7,140円(税込)/プレミアムボックス 10,290円(税込)

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■関連サイト
『マナケミア2 ~おちた学園と錬金術士たち~』公式サイト
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