【今週の1本】オリジナルストーリーも楽しめる『ななついろ★ドロップスDS』
一時は冷めたアニメ熱だったのに、この2、3年はヒマになったせいか、見られる限り見ているという状況だったりする。そんな中で目を引いたTVアニメが「ななついろ★ドロップス」だったが、これは残念ながら都内では放映されなかったため、見られずじまいだった。そこに天の助けとばかりに現れたのが、5月15日に発売される本作『ななついろ★ドロップスDS タッチではじまる初恋物語』だ。前から気にはなっていたものの、こうしてプレイする機会に恵まれたのは運命でしょ! と勝手に思い込み、喜びを隠さずにプレイしてみた。
■オリジナルシナリオも収録されたDS版
物語の舞台は、世界で一番星に近い街「星ヶ丘」。ある日、怪しいジュースを飲んでしまった主人公“石蕗正晴(つわぶきまさはる)”は、なぜか日が落ちると羊のぬいぐるみに変身してしまうという体質になる。元に戻るためには、不思議な杖に選ばれた特別な女の子であるクラスメイトの“秋姫すもも”と協力して、夜空から降り注ぐ「星のしずく」を集めなければならないという。「星のしずく」集めのライバルも登場し、不思議な物語の幕が開ける……。
大まかな部分はPC版、PS2版のストーリーとほぼ同じだが、本作にはDS版だけのオリジナルシナリオも収録されているのだ。すでにこれらのタイトルをプレイ済みの人でも、ワクワクしながら遊べるというのはよい知らせだ。
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オリジナルシナリオが収録されているので、PCやPS2でプレイした人も楽しめるのはうれしい。 |
■ゲームはテキストアドベンチャーでサクサク進む
オープニングでは、かなり滑らかなTVアニメのノンテロップ版のムービーが流れる。さすがに次世代機のような画質ではないものの、ゲームとTVアニメの雰囲気をうまく反映した作りになっているのに思わず感心。中身はテキストアドベンチャー+ミニゲームと聞いていたので、とりあえず文字を読みながらサクサクと進めていくと、開始3分で早くもミニゲーム登場。最初のミニゲームは、画面が右から左へとスクロールしていく中で、モグラが出たらハンマーをタッチしてモグラを叩き、しおれた花があったらジョウロを選んで花をタッチ、雑草があればスコップを選択後に雑草をタッチするという操作を繰り返すだけだ。難易度は低く、「アクションが全然ダメ」という人でもクリアできそうな感じだったので、問題なくプレイできるだろう。
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ミニゲームは数種類入っているが、どれも簡単なのでアクションゲームが苦手な人でも楽しめる。 |
■ムービーやアニメは、思った以上にクオリティ高し
通常はテキストアドベンチャー形式で進んでいくのだが、ちょっと驚いたのは、上画面に表示されている画像が、さりげなくアニメーションしている点。このジャンルは、背景画にテキストが重なって表示されるか、画面下にあるボックス内にテキストが出てくるため、バストアップやイベントイラストも含めて、静止画であることが多い。しかし、本作では涙を流したり目パチしたりと、思ったよりも大胆に動く。上画面をグラフィック専用としているからこそ、できることなのだろうなぁと、マジマジと“すもも”を見つめながら考えてしまった。これでDSのモニターががもっと大きかったら、もっと“すもも”の顔が大きく……と、余計な妄想はともかく、各所にアニメーションがあることで、何げに萌えてしまうことは確か。またゲーム中では、ムービーが挿入されることもあり、こちらの動きも滑らか。ファンにとってはマストアイテムになること間違いなしと、早くも思ってしまったほどだ。
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通常は、上画面に背景やバストアップキャラが表示され、下画面に文字が並ぶ。 |
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時々、キャラクターがアップになったりアニメが表示されるのは、見ていて新鮮。これで画面がもっともっと大きければ……。 |
時折移動シーンが挿入されることがあり、そこでは行きたい場所を自由に選択できる。たどり着いた場所にミニゲームがあれば、何度もプレイしてスコアを稼ぐことが可能だ。獲得したスコアは蓄積していき、これを消費することで、メニュー画面のエクストラからイベントグラフィックなどをいつでも見られるようになる。
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移動先の選択シーン。ミニゲームがある場所では、スコアも表示される。 |
■オマケも限定版も豪華!
基本的にストーリーは、一本道なので困ることはないし、ミニゲームも簡単なので、誰もが楽しめる内容といえる。登場するキャラクターたちもいきいきとしていて、1ファンとしても十分に満足行く仕上がりだった。しかも、この手のソフトにありがちな操作性の悪さも見あたらなかったので、ストレスなくプレイできるのもうれしい。1度のプレイではCGなどゲーム中の特典を全部集めきることはできないので、何度も遊ぶ楽しみがあるのもナイス。おかげさまで、ゲーム序盤から中盤までで終わらせようと思っていたプレイが、気づけばとんでもない長時間におよんでしまうハメに……。やはり、自分の好みに合いすぎるゲームは仕事でするものではない、としみじみ思った1本だった。
元となったPC版やPS2版とは、また違った方向性で作られているので、これらのタイトルをプレイした人でも問題なく楽しめる。もちろん、ファンならば黙って通常版と限定版の2本は買うべきだろうし(笑)、単純に「絵が可愛い」という動機で買おうと思った人でも、難易度は低く抑えられているので十分に楽しめるだろう。ちなみに、初回限定版は豪華7大特典が同梱された7,000本限定のパッケージなので、争奪戦が起きることは必死。ファンなら死にものぐるいでゲットしよう。(佐々木潤)
(C)ユニゾンシフト/SOFTPAL Inc./『ななついろ★ドロップス』製作委員会
(C)2008 『ななついろ★ドロップス』製作委員会/ASCII MEDIA WORKS Inc.
データ
▼『ななついろ★ドロップスDS タッチではじまる初恋物語』
■メーカー:アスキー・メディアワークス
■対応機種:DS
■ジャンル:ETC
■発売日:2008年5月15日
■価格:通常版 5,040円(税込)/初回限定版 9,240円(税込)
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■関連サイト
・『ななついろ★ドロップスDS タッチではじまる初恋物語』公式サイト
・「電撃オンライン ファーストインプレッション」