2008年4月21日(月)
現在、NHK・BS2にて毎週木曜日に放送中のTVアニメ「アリソンとリリア」。そのメインキャラクター“アリソン”を演じる水樹奈々さんと、“ヴィル”を演じるくまいもとこさんにインタビューを行った。
左の写真は、インタビューに答えてくれた水樹奈々さん(左)とくまいもとこさん(右)のもの。 |
「アリソンとリリア」は、アスキー・メディアワークスから発刊されている時雨沢恵一先生の小説「アリソン」と「リリアとトレイズ」をアニメ化したもの。「アリソン」は、東西に分かれた2つの国家が戦争を繰り返しているある大陸を舞台に、空軍で飛行機を操縦する少女“アリソン”が、孤児院で一緒に育った幼なじみの少年“ヴィル”とともに、「戦争を終わらせる価値がある宝」を探す旅に出る冒険活劇だ。
「リリアとトレイズ」は、「アリソン」から10数年後を描いた作品で、“アリソン”と“ヴィル”の娘“リリア”と、そのボーイフレンド“トレイズ”を軸に展開する物語となっている。
以下に、水樹さんとくまいさんのインタビューを掲載するので、興味のある人はチェックしてほしい。
――まず、ご自分の演じる役どころについて教えてください。
水樹奈々さん(以下、水樹):私の演じる“アリソン”は空軍に所属している女の子。とても活発な少女で、思い込んだら一直線なタイプです。そして、密かに思いを寄せている“ヴィル”を振り回したりしています。でも中身は本当に純粋な娘で、自分のやりたいことを明確に持っている熱血少女で、見ていて気持ちのいい、とても素直な女の子です。
くまいもとこさん(以下、くまい)::“ヴィル”くんは“アリソン”の幼なじみで、出会ったその日から尻に敷かれています。「おまえは子分だー」と言われて(一同笑)。性格はいたって温厚で、本が好きなインドア派、そして成績優秀……うーん、私とまったく接点がない、と思いきや、飛行機が苦手とか猫舌とか、ディテールの部分で似ているところがありますね。基本的には“アリソン”のことは好きなんですが、恋愛感情まではいかない感じです。恋愛に関しては奥手というか、鈍感なところがありますね。
水樹:うん、そうなんですよね(笑)。
くまい:女の子って発育が早いところがあるっていうか、比較的早く生意気盛りになりますけれど、男の子ってもうちょっとゆっくりな感じで、その典型ってイメージですね。だけど、1回聞いたことは絶対に忘れなかったり、射撃が得意だったりと、「エッ?」と驚くような特技を持っています。意外と奥の深い男の子なのかもしれませんね。
――お2人が好きなキャラクターや似ていると思うキャラクターは?
水樹:好きなキャラは……やっぱり“アリソン”ですっ!
くまい:なんだか奈々ちゃんの分身みたいだよね。
水樹:そうですそうです。って、自分で勝手に思っているだけなんですけど(笑)。
くまい:本当に普段の奈々ちゃんって感じ。「東京国際アニメフェア」でも言っていたけど、休みになったら友だちを無理やり旅行に連れて行くところなんか、「まんま“アリソン”じゃん!」って、思いながら聞いてました(笑)。
水樹:そうなんです。意外と共通点多いかもしれませんね(笑)。第1話でも、任務の途中だったのに学校に飛行機着陸させちゃうし。思い込んだら一直線ってところは似ているかもしれませんね。
くまい:でも、そんな“アリソン”がかわいいよね。
水樹:それと、一見“ヴィル”が振り回されているように見えますけど、“ヴィル”が“アリソン”を寛容に受け止めて操作しているところがありますよね。
くまい:そうかなぁ? 「やめようよ」って言うほうじゃない?
水樹:そう。“アリソン”は「やるわよ!」って強引にことを進めてしまうんですが、それは“ヴィル”がいてくれるからこそできる行動だと思うんですね。彼がいないとこんな行動できないんだろうなぁって思うところは多々あります。やっぱり2人で1人って感じです。
くまい:私も一番好きなキャラクターは、“ヴィル”ですね。実は結構共通点も多かったりしますし。私はどっちかというと「さらっていくぜ!」ってタイプじゃなくて「さらっていって」ってほうなので(笑)。
――では、お2人もいいコンビという感じなのでしょうか?
くまい:そうですね、思いがけず(笑)。今まで一緒にお仕事した時は、わりと奈々ちゃんはかわいらしい役が多かったんですが……。
水樹:くまいさんと競演する時は、わりと引っ込み思案なタイプのキャラクターが多かったと思います。
くまい:あ、なんかいい経験したのかも(笑)。で、そんな“アリソン”も好きです。“ヴィル”って、つらい身の上話を明るくサラッと話すんですが、それって“アリソン”がそばにいて引っ張りまわしてくれたからだと思うんです。
――お2人ともに好きだという“ヴィル”と“アリソン”の2人には、射撃が得意だったり飛行機を操縦できたりするわけですが、お2人の得意ワザってなんでしょう?
水樹&くまい:と、得意ワザ!?
水樹:ワザって……私は、書道?
くまい:字がキレイだもんね!! 役名と名前を書く用紙があるんですが、奈々ちゃんはすっごいキレイな字を書くんですよ。で、私は“ヴィル”だから、奈々ちゃんの字のすぐ下に書かなきゃならなくて(笑)。いっつも「どうやったらこんなに上手に字がかけるんだろう」って、感心してます。本当に字も歌もうまいし……。お嫁さんにほしいくらいですよ(笑)。
水樹:字や歌って、お嫁さんに必要ですかね?(笑) 料理ができたほうがいいんじゃ……。
くまい:料理は私がやるから(笑)。
水樹:ワーイ!! それでお願いします(笑)。私は、小さなころに母から「字がキレイなほうが知的に見えるから」って言われて(笑)、4歳から習っていたんですよ。でも、同年代の女の子は丸っこくいマンガに出てくるような字を書いていて、ノートもすごく華やかなんです。
――確かに、小学生くらいの女の子のノートって、かわいらしかったりしますよね。
水樹:そうなんです! でも、私の文字はすごく男らしい感じで(笑)。それがちょっとコンプレックスというか……。でも、筆を使うのはちょっと得意ですよ!
くまい:歌もお上手で、奈々ちゃんからCDをもらったんですけれど、メッセージが書いてあって。その字が本当に素晴らしくて、感動して今でもとってあります。
水樹:あっうれしい! ありがとうございます!!
――では、くまいさんお願いします。
くまい:ワザかどうかわからないんですが、見かけによらないところでピアノですかね。ピアノは、幼稚園から11年やってましたけれど、いかんせん手が小さくて……。小学校の高学年くらいになるとオクターブ飛ぶ曲を弾かされて、ピアノの先生から「(指と指の谷間の)ヒレのところを切りなさい」って。その時、私スポーツも好きで水泳をやっていて、ヒレを切るのはちょっとなぁ、と思って切らなかったんですよ。
――ヒレを……。聞いてるだけでも痛そうですね。
くまい:で、発表会があって、その時の課題曲がオクターブ飛ぶ曲だったんですよ。当時、オクターブ届かないのが悔しくて、小指を外側にムリヤリ曲げようとしたんです。そのせいか、小指がゆがんじゃってるんですよね。
――ずいぶんと熱血系なピアノ少女だったんですね。
くまい:でも、そんなに熱心だったわけでもないかもしれません(笑)。小さいころは外で遊ぶのが好きな子どもだったんで、先生が弾く曲を頑張って1回で覚えて遊んでました。次の週に先生の前で弾いて「ハイ合格」って感じでした。
水樹:えっ、スゴイ!! それって、むしろすごいことですよね!?
くまい:もしかしたら、小さいころは天才だったかもしれませんね。今は普通になっちゃいましたけれど(笑)。芝居をやりたかったんで、音楽はやめたんですけれど、今でもピアノや歌は好きです。
――今、くまいさんが水泳をやっていたとおっしゃってましたけれど、お2人はスポーツはお好きですか?
水樹:私は、中学の時に部活で卓球をやっていました。ちょうど中学に上がるころに卓球ブームがあって、花の女子バレー部よりも入部希望者が多かったですね。でも1年生のころはラケットも握らせてもらえなくて……。3年生が引退するまでは、ず~っとピンポン玉拾いをやってました。
くまい:え? ず~っと?
水樹:ず~っとです。3年生が引退してようやくラケットを握らせてもらえて、私はシェイクハンドのラケットをやりたかったんですけど、ジャンケンで負けて(笑)、ペンラケットでやることになっちゃったんです。
――大会とかにも出場されたんですか?
水樹:はい。でも初めて出た大会の相手がカットマンで、どんなにスマッシュを打って頑張っても全部カットされちゃって。ヨワヨワでした。でもすごく好きだし中学の時に一生懸命やっていたから、今でも温泉とかに行ったらついつい……。
――燃えちゃったりするんでしょうか?
水樹:ハイ、燃えちゃうんです。ドーンって、腰もしっかり落として(笑)。
くまい:なんかカッコいいねぇ。
――そう言うくまいさんは、どんなスポーツが好きなんでしょう?
くまい:私はスポーツは全般的に好きなんですけれど、特に野球ですね。球技全般やりましたけれど。
――ご覧になるんじゃなくてプレイする側ですか?
くまい:やる側です! 女子野球部なんてなかったんで、もっぱらバッティングセンターでしたけれど。とにかく打ちまくるのが快感でしたね。
水樹:どれくらいの速さまで打てるんですか?
くまい:最高で130km/hくらいですね。
水樹:スゴイ!!
くまい:逆に遅いと打ちづらいんです。タイミングが合わなくて。だからもう、正月休みには必ず行ってます。それと後は、モータースポーツですね。レースを見るのも好きですけれど、自分で運転するのが好きですね。
――免許は中型ですか?
くまい:いえ、大型です。でも大型は足が届かなくて……泣く泣く中型に乗っています。
――ありがとうございます。ではまた「アリソンとリリア」に話題を戻しまして。「アリソン」のパートには、“ヴィル”の他に“ベネディクト”という男性が出てきて“アリソン”にモーションをかけたりしますが、お2人は年上と同年代の男性だったら、どっちがお好みですか?
水樹:年齢はあんまり関係ないですね、私は。学生時代は、やっぱり男性に引っ張ってほしいなって、そのころは年上の男性にあこがれたりもしたんですけど、20歳を超えたころから、年齢はそんなに気にならなくなりました。私より年下なのにとてもしっかりしている人もいれば、逆に年上なのに「お子ちゃまだな~!」って思う人もいたりして(笑)。だから“ヴィル”みたいな人だったら、一見気弱だけど頼りになるという、そのギャップにひかれちゃうかも。
くまい:ん~なるかなあ?
水樹:なると思います!
――もしよろしければ、おじいさんですけれど“ワルター”を入れてもらっても……。
くまい:“ワルター”は(笑)。ちょっと年上過ぎるよねえ。
水樹:さすがに年上過ぎますね(笑)。
くまい:私は年齢とか顔とかじゃなくて、ウソつかない人。他人に対してだけじゃなくて自分に対しても。そんな人だったらいいかなあ。信じ合える人なら問題ないと思いますね。趣味が合わないと困りますけれどね。私は山に行ってるのに、彼は海に行っちゃうとかね。信頼関係があれば年齢の差は……あ、でも“ワルター”はちょっとアレですけどね(一同笑)。
――続いて、原作者の時雨沢先生から預かってきた質問といいますかお願いになるんですが、「“アリソン”と“ヴィル”の決めゼリフを決めてください」とのことですが、いかがでしょう?
水樹&くまい:えーっ!? 決めゼリフ!?
くまい:「着いてこいっ!」ってタイプでもないしなぁ……。
水樹:難しいですね……。なんだろう……。
くまい:これはもう“アリソン”に向けての言葉しか思いつかないんですけれど「信じてるよ」って。
一同:おおー。
水樹:素敵ですねぇ。うれしいですね。じゃあ私は……「どこでもさらいに行くわ!!」で(一同笑)。
――ありがとうございます。きっと時雨沢先生もよろこんでくれることかと思います。では逆に、時雨沢先生に質問したいことってありますでしょうか?
水樹:“アリソン”的には、“ヴィル”がどの時点で“アリソン”のことを女性として意識しはじめるのかを聞きたいですね。
くまい:あー、なるほど。確かに。
水樹:“ヴィル”って冷静に分析するタイプなんで、「自分が恋をしてるかもしれない」って、気づく瞬間があったと思うんですよ。いくら彼が鈍感でも(笑)。でも、どのタイミングでっていうところがわからないんですよね。それとも“アリソン”から強引にいったのかな(笑)。
くまい:あー、そっちのほうがありそうな気はするね(笑)。
水樹:でも“アリソン”は、“ヴィル”のことを意識して真っ赤になったりする場面がアニメの中でも描かれていたりしていて、彼女はとても奥手だと思うんですよね。“ヴィル”から言ってくれるのを待っているんじゃないかなって。「なんで気づかないのよ、好きなのよ私は~!!」って、痺れを切らして言っちゃいそうな気もするんですけどね(笑)。2人がどのタイミングで急接近するのか、そのあたりのエピソードが気になりますね。
くまい:そのエピソードもアニメや小説でやってもらいたいですよね。
水樹:いいですね! すごく楽しそうです!
――では、くまいさんはいかがでしょう?
くまい:う~ん、“ヴィル”の実の親はどこに……って、そういう話は彼は気にしていないだろうと思いますし。そうなると、やっぱり奈々ちゃんと同じですね。いつ“ヴィル”は“アリソン”の恋心に気づいて、それに応えるんですか? という、共通の質問ですね。
――それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いいたします。
水樹:1話たりとも見逃せない怒涛の展開が待っています。本当に1話1話濃いんですよ。毎回いろいろな事件に巻き込まれて、その中で“アリソン”と“ヴィル”が成長していく姿が描かれていて、演じている私もいつも元気をもらっています。皆さんも「アリソンとリリア」を見て、日ごろたまっているストレスを発散してほしいなって思います。
くまい:昨今のアニメとは少しカラーが違っていて、時間は遅いんですけれど家族でも見られるような雰囲気があるんですよね。初めて見るのにどこか懐かしいところがあると言うか。またそれだけでなく、歴史に関する言及ですとか、いろいろなメッセージがこめられていると思うんですよね。飛行機好きにはたまらないドッグファイトもあって、見どころしかない作品ですので、1話たりとも見逃さずにご覧になってください。
――ありがとうございました!
時雨沢先生の答えは、後ほど電撃文庫MAGAZINEなどを通じてお伝えする予定となっている。掲載号などはわかり次第お伝えするので、気になる人は、続報を楽しみに待っていてもらいたい!
また水樹さんとくまいさんから、2人のサイン入りポストカードをいただいた。こちらを抽選で3名様にプレゼントする。応募は、4月24日より「ユーザープレゼント」コーナーにて受け付けるので、欲しい人は見逃さないよう注意しておこう。
(C)時雨沢恵一/アスキー・メディアワークス/「アリソンとリリア」製作委員会
■TVアニメ「アリソンとリリア」