2008年4月24日(木)
2008年4月より、フジテレビのノイタミナ枠他で放送スタートしたTVアニメ「図書館戦争」。その作中で“堂上篤”を演じる前野智昭氏にインタビューを行った。
「図書館戦争」は、有川浩先生が原作、徒花スクモ先生がイラストを手掛けるアスキー・メディアワークス刊行の同名小説シリーズをアニメ化した作品。人権を侵害する表現を取り締まるという建前で、「メディア良化法」が成立してから30年後の日本を舞台に、本を守るために「メディア良化委員会」と戦う「図書隊」の活躍が描かれていく。監督は「ウエルベールの物語 ~Sisters of Wellber~」の浜名孝行氏、制作は「攻殻機動隊 S.A.C.」シリーズのプロダクション I.Gが担当する。
以下に、前野氏のインタビューを掲載していくので、本作を見ている人はぜひチェックしていただきたい。
――まず、演じていらっしゃる“堂上”の役どころを教えてください。
前野智昭さん(以下、前野):ヒロイン“笠原郁”の教官ということで、非常に厳しい人です。他人にも厳しいけれど、自分にはもっと厳しいタイプです。昔は“郁”のように直情径行型の人間で、冷静になった今、彼女の行動を見て過去の自分と被らせつつ「ああ、コイツは昔のおれみたいなヤツだ。ほっとけない!」って思っているキャラクターです。
――なるほど。では前野さんから見て、“堂上”のここが好きだなという部分がありましたら教えてください。
前野:カッコいいとは思いますね。男として素直にあこがれる部分はあります。でも、僕とは正反対のタイプかな(笑)。
――“堂上”とは正反対のタイプとおっしゃいましたが、「図書館戦争」でいうと、どのキャラクターが自分に似ていると思いますか?
前野:自分と似ているのはたぶん、達央くん(鈴木達央氏)が演じる“手塚光”ですね。僕は結構ウンチクが好きなんで。それと、正論が好きなところとかも似ていると思います。
――そういえば、原作でも“手塚”は「正論を武器にするな」といさめられるシーンがありましたね。
前野:僕もよくツッコまれますよ(笑)。「理屈が多い」って。そのあたりも似ているのかな?
――アフレコ現場の雰囲気はどんな感じでしょうか?
前野:やっぱり1話は、全員役の雰囲気をつかむのに一生懸命であまり会話もなかったんですが、回を増すごとに、“稲嶺”役の佐藤さん(佐藤晴男氏)が随所にアドリブを入れてくれたりして(笑)。今はとっても楽しく収録させてもらっています。音響監督の平光さん(平光琢也氏)も、仕事は楽しくやろうぜってタイプの方ですし。正直に言うと、最初はアフレコ現場に来るのが怖かったんですけれども、今では毎週この時間がとっても楽しみです。
それと、僕と達央くん、そして井上さん(井上麻里奈さん)、沢城さん(沢城みゆきさん)は比較的年齢が近いんですよ。そのおかげもあって、いい意味で緊張感はあるとはいえ、現場は楽しいです。やっぱり、演じている側も楽しくないと見ている側もおもしろく思ってもらえない気がするんですよね。
――今回、TVアニメでは初めての大きな役となりますが、そのことについてどう思いますか?
前野:いやぁ、もう……「僕でいいんでしょうか?」って初めは思いました。いろいろな縁に恵まれてこの役をいただいたんですが、最初はとてもプレッシャーが強かったです。「ノイタミナ」枠での放送ということや、原作自体もとても人気がある作品ということもありましたし。僕自身、実際に読んでみたらおもしろかったですし。
――すでに原作は、お読みになっているんですね。
前野:読みました! そして自分にできるかなぁと不安になっちゃいました(笑)。姉や事務所の方にもすすめたんですが、みんなすっかりハマッてしまいましたね。女性も男性も夢中にさせてしまう作品だなぁと思いました。男性がドキドキワクワクするようなアクションシーンと、女性がキュンとするような恋愛シーンが織り交ぜられていて、とても楽しんで読めました。キャスト陣の中で読み終えたのは一番早いかもしれません(笑)。
――原作の中でお気に入りのシーンがあったら教えていただけるでしょうか?
前野:僕のお気に入りは、“小牧”と“毬江”ちゃんのエピソードですね。“小牧”って、いつもひょうひょうとしているキャラクターなんですが、そんな彼が、小さいころから知っている“毬江”ちゃんのピンチに感情をあらわにしてしまうところが印象的でした。
――本作では教官として登場する“堂上”ですが、もし自分の先生が“堂上”だったらどう思いますか?
前野:うわぁ、イヤですねえ(笑)。冗談が通じなさそうじゃないですか。勉強に必要ないものを持ってきていたらすぐに怒られそうですし。でも、休み時間になったら話しかけたりするんでしょうけれど、あんまり気軽に接したりはできないでしょうね。
――では逆に、もしも前野さんが“堂上”の立場だとして“郁”のような生徒を持ったとしたらどうでしょう?
前野:やっぱり「コイツは世話が焼けるなぁ……」って感じでしょうけど。でもほっとけないと思います。ひいきとは少し違うんですけれど、きっと他の生徒とは違う目で見ちゃうかもしれませんね。
――現在、インターネットラジオステーション<音泉>では、Webラジオ「関東図書基地広報課」も始まっていますが、こちらの感触はいかがですか?
前野:僕よりも達央くんのほうが乗り気ですね。彼の中で「こうしよう!」というビジョンがあるみたいで、「前野、痛いの平気?」とかよくわからないことを聞かれました(笑)。
――それは少し怖いですね(笑)。
前野:「とりあえず、からいの平気ならいいや」って言ってました(笑)。体当たりのラジオになりそうですが、こちらもぜひ聞いてもらいたいですね。
――最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いいたします。
前野:最初はものすごいプレッシャーを感じていたんですけれど、スタッフもキャストも皆さん優しい人たちばかりで、今は楽しくやらせていただいてます。回を増すごとに、皆の呼吸が合ってきて、どんどんおもしろい作品に仕上がってきていると思います。原作読んでいらっしゃる人はもちろん、これまでご存じなかった人も、アニメを見て原作を手に取ってもらえればと何よりです。そんな作品になるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。
――ありがとうございました!
(C)有川浩・メディアワークス/図書館戦争製作委員会
■TVアニメ「図書館戦争」