2008年7月7日(月)
『テイルズ オブ ハーツ』
馬場氏は、ハイスペックで描かれる『テイルズ オブ』が登場する一方で、2Dで描く『テイルズ オブ』を消したくないという思いから、本作では2D表現を採用したことを語っていた。 |
『TOH』は、2008年冬に発売予定のDS3作目となるマザーシップタイトル。DS版の『テイルズ オブ』としては、初めてテイルズスタジオが開発を担当する。2ギガビットROMが採用される本作では、シリーズ初の試みとしてPS2版『テイルズ オブ デスティニー』でCGムービーパートを制作した「白組」のフル3DCGムービー、Production I.Gによるアニメーションムービーと、2つのバージョンでムービーが収録されるという。
さらに、キャラクターデザインとテーマソングを、『テイルズ オブ デスティニー』でファンの圧倒的な支持を得た、いのまたむつみさんとDEENが担当することもプロデューサーの馬場英雄氏より明らかにされた。今作では、柿原徹也氏演じる“シング・メテオライト”と、井上麻里奈さん演じる“コハク・ハーツ”を中心に、人の心を描いたストーリーが展開するとのことで、通常のゲーム画面については2Dで温かみのある世界が描かれるそうだ。
“シング・メテオライト” |
“コハク・ハーツ” |
本作でテーマソングを担当するのは、「夢であるように」がファンの絶大な人気を得たDEEN。馬場氏もDEENも、「夢であるように」を超える意気込みでテーマソング制作に取り組んでいるそうだ。 |
また本作では、バトルシステムとして「コンビネーション エアーリアル LMBS(CNAR-LMBS)」が搭載されるとのこと。馬場氏によれば、このシステムは、『テイルズ オブ デスティニー』の「AR-LMBS」がより強化されたものになるそうだ。空中を舞いながらアクロバティックな戦闘が楽しめる他、一定の条件を満たした時に戦闘に参加していないパーティキャラクターと協力して、秘奥義などの強力な攻撃を行えるという。
『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2』
『TOW レディアント マイソロジー2』は、『テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー』の続編で、PSPで今冬に発売される。前作に登場したキャラクターに加えて、“ユーリ”をはじめとした新キャラクター31人が追加され、戦闘参加49人、戦闘不参加1人の計50人の『テイルズ オブ』シリーズキャラクターが登場する。また、登壇したプロデューサーの大舘隆司氏は、「戦闘に参加する49人のキャラクターのうち、45人以上がプレイアブルキャラクターとしてパーティに参加します」と話している。
戦闘不参加のキャラクターについて大舘氏は、「このキャラクターを登場させたら、こっちのキャラも出さざるをえなくなりました。けれど、このキャラクターは戦闘をするタイプではないので、1人だけ戦闘に加わりません」と話している。シリーズファンは、誰が登場するのか楽しみにしていよう。 |
さらに、左右に違う属性の武器を装備できる「双剣」をはじめとした新職業が追加される他、キャラメイクは大幅に強化されて髪型や目、口のパターンや色を細かに設定できるようになるという。キャラメイクは、細かな外見の設定だけでなく、ボイスパターンも2倍以上になっているそうだ。その他にも、秘奥義にカットインが挿入され、前作で好評だった連動サイトも発売日と同時にオープンすることが、大舘氏から語られた。連動サイトでは、マイキャラクターアップ&ダウンロード、アイテムの無料配信などの機能が用意されるとのことだ。
また、本作の開発はアルファ・システム、オープニングアニメーションはProduction I.G、テーマソングはBACK-ONがそれぞれ担当することが発表された。特にテーマソングを担当するBACK-ONは、熱心な『テイルズ オブ』シリーズのファンであるそうで、メンバーのTEEDA氏が未来研究所に赴いて、『テイルズ オブ ジ アビス』がいかに好きかをを語ったそうだ。その後、デモ曲の作成などやりとりを重ねて、大舘氏らと楽曲を固めていった結果、先日レーコディングが終了したという。作られた楽曲は、そのイメージもProduction I.Gに伝えられ、その雰囲気を反映したムービーに仕上がっていると、大舘氏もオープニングのデキに自信をうかがわせていた。
TVアニメ「テイルズ オブ ジ アビス」
最後に発表されたのは、2005年に発売されたPS2用ソフト『テイルズ オブ ジ アビス(以下、TOA)』のTVアニメ化。監督にこだま兼嗣氏、シリーズ構成に面出明美さん、キャラクターデザインに菱沼義仁氏、モンスター&メカニカルデザインに石垣純哉氏が起用され、10月より放送スタートする予定になっている。なお、製作はサンライズ、バンダイビジュアル、バンダイナムコゲームス、毎日放送、放送局は毎日放送、中部日本放送、TOKYO MX、BS11デジタルとのこと。
アニメ化について、「ファンの中でも、ドラマ性が高く、キャラクターも魅力的な『テイルズ オブ ジ アビス』をアニメ化してほしいという声は多かった」と話す吉積氏。しかし当時はそれを実現するには壁が多く、今回のアニメ化は、「バンダイとナムコが合併したことによって、できるようになったことの1つ」だと述べている。
続いて、本作の監督こだま氏と、ゲームから引き続き主人公“ルーク”を演じる鈴木千尋氏が登壇。こだま氏は「この作品は、アニメーションの世界ではめずしく早くから話をいただいたので、全26話分のシナリオの決定稿がすでに上がっています」と意気込みを、鈴木氏は「子安武人さんともアニメ化したらいいねと当時話していたので、うれしいです」と喜びを語っていた。さらにアニメ第1話の脚本がステージに届き、鈴木氏によるセリフ読みも行われた。
登壇したこだま氏(左)と鈴木氏(右)。吉積氏に「前に会った時と髪型が変わったから、雰囲気もずいぶん変わったね」と言われた鈴木氏は、「“ルーク”みたいに髪を切ったら“ヴァン先生”みたいになってしまいました」と冗談めかして笑いを誘っていた。 |
ゲーム版にもあったセリフを読み、生演技を見せてくれた鈴木氏。まったく変わらない“ルーク”の声を聞くことができた。 |
そして本日のラストには、多くのシリーズ作品でキャラクターデザインを手掛ける藤島康介氏がステージに上がった。『TOV』では、「和風テイストをキャラクターに入れてほしいとの要求があったので、それがとても大変でした」といった苦労話や、『TOA』では、「僕は、中学で「ガンダム」にハマってアニメが好きになりました。その「ガンダム」を手掛けたサインライズが、『TOA』のアニメ化をするので感慨深いです」といったアニメ化への期待を話してくれた。
そんな氏の誕生日は、まさに本日7月7日ということで、ステージには鳥海氏と中原さんが運んだバースデーケーキが登場。会場全体で藤島氏の誕生日を祝う拍手が響く中、氏はうれしそうにロウソクの火を消していた。
吉積氏とは家が近くて同い年、という話題で盛り上がっていた時に突如登場したバースデーケーキ。ロウソクを消した後には、「本日は私のためにお集まりいただいてありがとうございます」とコメントして、周囲や会場を笑わせていた。 |
以上、新作タイトルおよび新作TVアニメの情報が明らかにされた本日の発表会。タイトル情報以外にも、ミニTV番組「ビバ☆テイルズ オブ」の放送開始と、ファン雑誌「テイルズ オブ マガジン」の刊行が発表された。
「ビバ☆テイルズ オブ」は、7月4日よりBS11にて毎週金曜日22:50~23:30に放送中のアニメ「テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION」内にて放映される特別番組。この番組では、『テイルズ オブ シンフォニア』で“ゼロス”を演じた小野坂昌也氏がMCを務め、毎週シリーズにまつわるトークが展開するという。
軽妙なトークでも知られる小野坂氏が番組のMCを担当。ゲストも登場予定とのことなので、シリーズファンは番組で展開するトークに期待しよう。 |
一方の「テイルズ オブ マガジン」は、8月7日に『TOV』との同時発売が決定している『テイルズ オブ』専門誌。角川書店より刊行され、9月をはさんで10月からは月刊化される。こちらの雑誌には、シリーズの新作情報や、シリーズのキャラクター、物語、世界設定の紹介記事、『TOV』を中心とした『テイルズ オブ』シリーズのコミカライズ、ノベライズが主なコンテンツとして掲載されるそうだ。
(C)藤島康介 (C)2008 NBGI
(C)いのまたむつみ (C)2008 NBGI
(C)いのまたむつみ (C)藤島康介 (C)NBGI
(C)NBGI/サンライズ・バンダイビジュアル・MBS
Original Character Design (C)藤島康介