2008年8月14日(木)
見事5,000人のオーディションを突破し、“ランカ”役を射止めた中島さん。しかし、このオーディションに参加するにあたって「このオーディションに落ちたら、別の道に進もう」と決意していたという。当時、高校生だった中島さんは「たとえば料理を勉強するのもいいし、お裁縫でもいいし、大学生もいいなぁって考えてました。もちろん本当の本当は「ステージに立ちたい!!」って気持ちが強くあったので、最後の賭けって感じでしたね」と複雑だった当時の心境を聞かせてくれた。しかしすぐさま「そのわりには、そんなに気負ってはいなかったんですけどね(笑)。そのあたりは、わたしの性格なので」と、あっけらかんとした笑顔を見せてくれた。
天神氏から「河森総監督の第一印象は?」と聞かれた中島さんの答えは「「ウンウン、ウンウン」ってずっとうなずいている方でした」というもの。オーディションの時は、とにかくたくさんの人に質問されたようで、力強くうなずいていた印象が強く残ったのだとか。
逆に河森氏から見た中島さんの第一印象は「(オーディションの時には)いい意味で度胸があるなと感じました。絶対本番に強いだろうなぁって。泣いちゃうけどね(会場笑)」とのこと。思わず「スミマセン」とテレる中島さんに、続けて河森氏は、歌や演技についてコメントした。「歌の方は最初から「これならいける」という思いがありました。演技のほうは、最初は演技している感じがあったんですが、だんだんと自然に、中から湧き上がるような印象になっていったのが楽しいですよね」とのこと。
制作に携わっている天神氏も、中島さんの成長を感じていたようで「ドラマの展開にあわせて、“ランカ”の人気の度合いと中島さんの人気の度合いがシンクロするように高くなっていきましたよね」と感慨深そうに話すと、河森氏は「そういうライブ感覚のあることをやってみたかったんですよね。やっぱりアニメーションって作るのに時間かかっちゃうから、ライブに縁遠いメディアの1つなんですけど。同時代に走っている感じを出せたのがうれしいですね」と、本作の手ごたえを口にした。
その後トークは、アフレコの話へとシフト。「収録ブースの中はどうですか?」と天神氏に話を振られた中島さんは「いつも隣に座ってらっしゃるのが遠藤(綾)さんなんですけど、最近だと、“ランカ”中心の回はわたしが「すみません(笑)」って言ったり、逆に“シェリル”さんが優勢の回は遠藤さんが「ゴメンネ~(笑)」って言い合ったりしています」と仲睦まじく収録に臨んでいる様子を話してくれた。ちなみに天神氏の「お互い足引っ掛けあったりしないの?(笑)」という冗談交じりの質問には「ないですよ~、そんなのっ(笑)」と、笑顔で返していた。
中島さんへの質問に続いて、「聞きにくいこと聞きますけど……」と恐縮しつつ、天神氏は河森氏に「好みのアイドルを教えてください! “ランカ”と“シェリル”」のどちらかから選ばせるかと思いきや「……と“早瀬未沙”の誰が好きですか?」と変化球をお見舞い! 河森氏は「……これは、予想外のトライアングラーですねぇ」と動揺しつつ「思い出の彼女とか「昼間は……」とか、いろいろありますよね。でも内緒です」と切り抜けていた。
2人への質問が終わったところで、今度は中島さんと河森氏が選んだ「マクロスF」第1~17話まででのイチオシシーンを紹介していくことに。中島さんが選んだのは……
第1話「クロース・エンカウンター」のラストシーン。パイロットのいない「VF-25」に乗り込んだ“アルト”が、“ランカ”を救うべく謎の生物「バジュラ」に立ち向かうシーンだ。選んだ理由について中島さんは「この時の“アルト”くんが今まででイチバン格好よかったんです!(会場笑)」と答えた。“アルト”が格好よかった理由について河森氏は「火事場のバカ力なんです。いざという時は強いんですよ」と話し、天神氏は「河森作品にしては、やられないで終わるっていうのも珍しいですよね」とコメントし、中島さんに「その後、“アルト”くんの印象は変わりましたか?」と質問。すると中島さんは「…………はい(会場笑)」と意味深な沈黙の後に、気まずそうにうなずいて見せた。そんな中島さんの印象をフォローするかのように、河森氏は「彼は、空を飛んでる時は強いんですよ!」とかばったものの「陸だとちょっと弱いんですけどね。でもこれから……って、これからどうなるんだろ?」とフォローし切れずに終わってしまう。そして天神氏に「テキトー!!(笑)」とツッコまれてしまい、最終的に中島さんがフォローを入れる形になってしまった。
続いては、河森氏のオススメシーンを紹介することに。そのシーンとは……
第15話「ロスト・ピース」で“アルト”を挟んだ“ランカ”と“シェリル”が「What’bout my star?」をデュエットしながら“アルト”に迫っていくシーン。河森氏いわく、このシーンは「思いついちゃったアイデアをギリギリでつっこんだ回」だそうで「第10話を制作している時に、菅野(よう子)さんと「娘フロ。」のライナーノートの打ち合わせをしていたんですよ。その際にこの曲を収録すると聞いたので、じゃあ曲を使ったシーンを入れなきゃもったいないじゃないか! と思って」作ったという。中島さんは「すごいですよね!」と純粋に驚きの意を込めた返事を返したものの、天神氏は「すごいですよね! ……そのぼう若無人ぶり(会場笑)。菅野さんと会ってくると、必ず新しいシーンを思いついてくるんですよ(会場笑)」と少しだけ制作陣の苦労を伺わせるコメントを残していた。
このシーンを踏まえたうえで、天神氏は「このシーンについて中島さんはどうですか?」と聞くと「この曲をレコーディングしている時は、まさかこんなシーンが出てくるとは思いませんでしたけど、すごく効果的というか、女の子の押せ押せ感が出ていてすごく好きですね!」と好印象の様子。そのシーンを作った河森氏は「迫られたら負けますよね(笑)」と早くも完敗予告。「ミュージカルとかを見ていて「こんなところで歌うかっ!!」って思わずツッコんだりする人もいるかと思うんですけど、街頭モニターから歌を流してみたり、不自然にならないギリギリのところを狙ってみました。それと「東京国際アニメフェア」の時、本番前にMay’n(メイン)さんが壁に向かって歌っているのを見て、(このシーンを)入れても大丈夫かな? と思って入れました」と制作秘話を口にしていた。そうした「思いつき」が制作に盛り込まれることは、少なからずあるようで、「(Zepp Tokyoの)ライブでもアイデアを思いつきました」と河森氏が口にしていた。それがはたして本編に生かされるかどうかは不明だが、ライブに参加した人は、注意して本編を見てみるとより楽しめそうだ。
ここでトークは終了。プレゼントをかけた大ジャンケン大会が行われた。中島さんの「さーいしょはキラッ☆」や河森氏の「さーいしょはデカルチャー!!」の掛け声にあわせて熾烈なジャンケンが繰り広げられ、サイン入りポスターやサイン入り台本が勝ち抜いたファンにプレゼントされていた。
約1時間にわたって繰り広げられたイベントも、いよいよオーラスへ。最後は中島さんの「星間飛行」で締めくくられた。「キラッ☆でお馴染みのあの曲です! 皆さんもキラッ☆をお願いしますね!」と挨拶し、その歌声で観客を魅了していた。
ちなみに、ステージ準備中には、河森氏がインド旅行した際に「北インド人に間違えられた話」を披露して間を繋げていた。「ネパール人に間違えられたこともあるんですけれど……せめて英語で聞いてほしかったですねえ」とは、河森氏の弁。ライブの後、河森氏と中島さん、そして天神氏が「マクロスF」ファンに向けてコメントを贈りステージを後にした。
●中島愛さんコメント●
「マクロスF」もだんだんとお話が複雑になっていって、1週間がすごくもどかしいという方もいるかと思います。まだまだアフレコは残っていますが、1話1話大切に、そして成長していきたいと思っていますので、ぜひ応援してください。よろしくお願いします!! 「星間飛行」は毎日聞いてネ♪
●河森正治氏コメント●
今日は、本当にありがとうございました。ここに自分たちがくることができたのも、たくさんのスタッフが仕事を抱えてくれたおかげです(会場笑)。スタッフ一同、最終話に向けて、ラストスパートをかけて頑張っています。物語の方もどんどんパワーアップしていきますのでぜひご期待ください。よろしくお願いします!!
●天神英貴氏コメント●
イベントはこれで終わりですが、「マクロスF」はまだまだ続きます!! 最終話まで一瞬たりとも見逃せない内容でお送りしていきますので、何卒応援をよろしくお願いいたします。それでは皆さん、ありがとうございました!
(C)2007 ビックウエスト/マクロスF製作委員会・MBS
■TVアニメ「マクロスF(フロンティア)」