2009年4月11日(土)
3月28日、TVアニメ『戦場のヴァルキュリア』の第1話試写イベントが都内某所で開催された。
本作は、Best版も発売中のPS3用S・RPG『戦場のヴァルキュリア』をアニメ化した作品で、4月4日より全国10局で順次放送がスタートとなった。大国同士の戦乱に巻き込まれた小国・ガリア公国のために立ち上がった青年、ウェルキン・ギュンターが率いる義勇軍第7小隊の戦いが描かれる。
第1話試写の前には、主人公のウェルキン役・千葉進歩さんとヒロインのアリシア役・井上麻里奈さん、イサラ役・桑島法子さん、セルベリア役・大原さやかさん、そして監督の山本靖貴さんが駆けつけて、アフレコ現場や作品にちなんだトークが展開した。ここでは、そのトークの模様を以下にお届けする。
▲左の写真が山本監督で、右の写真に写っているのが左から千葉さん、井上さん、桑島さん、大原さん。トークショーにおいても、千葉さんはウェルキンのようにメンバーの中心となっていた。 |
山本監督によれば、アニメ本編は第2話まで完成しており、アフレコは第6話まで収録が終わっているという。第6話までの収録を振り返って「ムードメーカーは誰?」という話になると、井上さんと桑島さんが「千葉さん!」と口をそろえて回答。桑島さんいわく「千葉さんのアドリブは神掛かってます」とのことで、収録現場を見守る監督をはじめとしたスタッフたちも、ブースの外でしょっちゅう大爆笑しているそうだ。
▲「いつもガラスの向こうで大爆笑してますけど、あれはなぜ?」と尋ねる千葉さんに、「意表を突いたアドリブが出てくるので」と笑う監督。ちなみに、千葉さんいわく「(役者の習性として)間違えてもそのまま進むようにごまかしてしまう」ことが、思いもよらぬアドリブにつながることもあるらしい。 |
その監督がおもしろい収録現場のエピソードとして挙げたのが、グレゴール役・大塚周夫さんとイェーガー役・大塚明夫さんの親子のやりとりだ。大原さんも「周夫さんをいさめられるのは、明夫さんだけ」と語るような、他の場所では感じられない親子ならではのやりとりが収録現場でかわされるそう。
▲数々の有名な役柄を演じてきたベテラン声優の大塚さん親子。役柄に負けない貫禄を放つ2人には、千葉さんも思わず「勝てるのかな?」と弱気モードに。 |
▲上映された第1話についても触れられた。第1話の収録では「アリシアが出てきた時に、ゲームを思い出してノスタルジックになった」という千葉さん。ただ、アニメオリジナルの要素も多く描かれるそうで、「ゲームは断片、断片を追っているので、その間を埋めるだけでオリジナルエピソードになる」と監督は話す。 |
また、「演じるキャラクターとキャストで似ているところは?」という質問が出ると、真っ先に「ウェルキンと千葉さんが似すぎ!」とステージ上の全員が声をあげるも、これは同じことが何度も語られている、ということで千葉さん自らスルー。
そこで大原さんが、「イェーガーが、見た目からして明夫さんにそっくり! 実写になっても本人が演じられると思います」と口にすると、監督は「皆さん、実写で演じられるくらい似ていらっしゃいますよね」とキャスト陣を見回していた。まんざらでもなさそうに顔を見合わせるキャストの4人だったが、大原さんは「あんな背中の開いた大胆な格好はムリ!」とのこと。実写版『戦場のヴァルキュリア』はあきらめるしかなさそう!?
▲桑島さんも、イサラのイラストを見た時に「私の小さいころと髪型がそっくり」と、容姿が似ていることを話していた。 |
▲井上さんは、アリシアと同じでウェルキンのように鈍感な人にはやきもきしてしまうそうだ。ゲーム中盤で、ウェルキンとアリシアにいいムードのシーンがあったにもかかわらず、ウェルキンがまるでアリシアの期待に応えてくれなかった時には、思わずゲームのプロデューサーに文句を言ったのだとか。 |
▲皆が「キャラとそっくり」と口をそろえるウェルキン役の千葉さん。監督は「ウェルキンに関しては、役作りをしないでください」と言ったほどらしい。それにはさすがに苦笑する千葉さんだが、「ちょっとプライベートな部分が出せました」とのこと。 |
最後に、作品の見どころやファンへのメッセージが語られたので、以下に掲載する。
大原:私はまだ1回しかアフレコに参加していませんが、その初めてのアフレコの時に、セガのスタッフさん方が「お久しぶりですー!」と言ってくださって、その時の言葉と笑顔が本当にうれしかったんですね。うれしさと同時に、ものすごくアニメ化を大事に楽しみにしてくださっているんだな、というのが伝わってきて、ますます気合いが入ってきています。
作品は、戦争を題材にしているので、厳しくて苛烈でドロドロした部分もありますが、その合間には、人間らしさやコミカルな部分も挟まれているので、すごく入りやすいと思います。そういう作品に仕上がっている要因の1つが音楽だと思っていて、皆さんに注目していただきたいのが、OPテーマの『明日へのキズナ』を歌うHIMEKAさんです。
彼女はカナダの方なのですが、「アニメソングが歌いたい」という気持ちで日本にやってきて、この主題歌がデビューソングになります。彼女の思い入れもたっぷり詰まっています。彼女の歌を架け橋にして、皆さんが毎週この世界に来てくれるとうれしいです。
桑島:人間ドラマがどんどん展開されていくので、「この2人はどうなるの?」、「この人にはどんな過去があるの?」ということが、2クールの中でだんだん語られていくと思います。アフレコも順調に進んでおりまして、第7小隊の絆もすごく深まってきております。役にどんどんシンクロしていく私たちが、最後どうなってしまうのか、楽しみにしていただきたいと思っています。私も頑張って演じていくのでよろしくお願いします。
井上:若干、戦争をテーマとした作品らしくない空気感や色合いですが、それが逆にすごくとっつきやすい作品だと思います。第1話に出てくる町もすごく美しくて、人が1人1人生き生きしているんですよ。戦闘シーンも魅力だとは思うのですが、この作品の中では、人と人のつながり――絆がすごく感じられるので、そこが魅力だと思います。あと、割とギャグも多くて、アリシアもいろいろギャグっぽいところを担当しています。
それから……最近ではヒロインの座をウェルキンに奪われがちで、ちょっと悔しいです(笑)。ファルディオという、ウェルキンと肩を並べるキャラクターが第1小隊の隊長として出てくるのですが、彼がイケメンで2人とも仲がいいんですよ。男性同士のシャワーシーンもあったりして、「なんで女性のシャワーシーンがないのに!」とジェラシーを感じてます(笑)。私も頑張りますので、『戦場のヴァルキュリア』をよろしくお願いします!
千葉:戦争モノという世界設定に抵抗のある方もいるかもしれません。けれど、こういう世界観の作品をあまり見ないという方がおっしゃるには、『ヴァルキュリア』はスッと入っていける作品だそうです。もちろん戦車や兵器もキチッと描かれているので、そういったものが好きな方も楽しめると思います。
また、この作品のすばらしさを改めて考えた時に、“絆”――このひと言だと感じています。絆っていい言葉ですね。この作品を作っていく上で、多くの方に出会います。この作品を通して出会ったお客さんとの絆、これもまた1つの絆ですよね。アフレコは始まったばかりですが、仲間として、絆をもっと深めていきたいです。もちろん、スタッフさんも含めて。絆が作品にあらわれるよう頑張っていきたいと思います。
山本監督:『ヴァルキュリア』の舞台は基本的に戦場で、もちろん戦闘シーン、アクションシーンはあるんですけれども、やっぱりメインになるのは、第7小隊の仲間たちの日常です。その中で起こる人間ドラマを、アニメの中で描きたいと思っています。特に第4話以降は、キャラクターたちの描写が見逃せない展開になっていきますので、皆さん楽しみにしてください。ゲームの世界観というのも、もちろん大事にしていますし、アリシアとウェルキンが今後どうなっていくのかにも注目して欲しいです。
(C)SEGA/PROJECT VALKYRIA
■TVアニメ『戦場のヴァルキュリア』