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2009年4月22日(水)

「当面の骨格はできた」スクエニHD事業戦略説明会で和田氏語る

文:電撃オンライン

 本日4月22日、都内でスクウェア・エニックス・ホールディングス(以下、スクエニHD)のグループ戦略説明会が開催された。

スクエニHD事業戦略説明会

 これまで、傘下にスクウェア・エニックスグループとタイトーグループを抱えていたスクエニHD。登壇した代表取締役社長・和田洋一氏は、英国時間の4月22日をもってウィンブルドンに本拠地を持つ、Eidos(アイドス)グループが完全子会社化したことを発表した。アイドスは、『トゥームレイダー』シリーズや『ヒットマン』シリーズをオリジナルタイトルとして持つことで知られるゲーム会社。これにより、「完成形ではないが、当面のグループの骨格はできた。これからは、ここにいかに肉付けしていくかになる」と和田氏は語る。

スクエニHD事業戦略説明会 スクエニHD事業戦略説明会 スクエニHD事業戦略説明会
▲『ファイナルファンタジー』シリーズ、『ドラゴンクエスト』シリーズ、『キングダム ハーツ』シリーズなど、強力なタイトルを多数持つ同社グループ。『トゥームレイダー』、『ヒットマン』が加わることで、大型タイトルが充実すると説明。和田氏は、『2』が制作中の『ケイン&リンチ』、『Just Cause』、『Deus EX』にも期待を寄せていた。

 アイドスの買い付け価格は日本円で約121億円で、スクエニHDが全株を保有している。これまで海外には開発拠点を持たず、中国、英国、米国にのみ事業所を持っていた同社グループだが、アイドスを傘下に加えたことで、欧州4カ所と中国、北米2カ所に開発拠点を持つことになった。和田氏は、アイドスを買収した理由として、「ヨーロッパで数少ない、自社IP(オリジナルタイトル)を作る能力のある会社だった」ことを挙げる。アイドスは優秀なクリエイターの集まる場所に開発拠点を持っており、人材確保に「非常に強みを持った」とも話している。アイドスの買収で大幅にグローバル化を果たした同社グループだが、グローバル化を目的とした買収はこれ以上行わない方針を示していた。

 今後は、1つのコンテンツをPCやケータイ、コミック、アニメなど多様な端末・メディアで展開するという同社の方針に従って、アイドスにおいてもその方針を推し進めていくという。事業スケールとしても、「無理をしないで収益を上げることに務めてきた。しかし事業のサイズが小さい」同社グループと、「収益に比して無理をした事業展開を行ってきた」アイドスが一緒になることで、収益に対して適当なスケールを持つのではないか、と考えているようだ。また和田氏は、「ダウンロードコンテンツなどのグローバルな展開に、一番収益が眠っている」とも話し、当年度は分散したネットビジネスの統合と収益化に力を注ぐ方針も口にしていた。

 ちなみに、アイドスのタイトルの日本販売については、「当年度からやる。日本向けに作られたものではないので、ローカライズに問題を抱えているが、やるつもり」とのこと。中でも『トゥームレイダー』シリーズの売り上げが近年落ち込んでいることを指摘された和田氏は、「そこは私も不安に思った」と述べつつ、アイドスに対して細かくヒアリングを行ったことを明らかにした。その結果、「詳細は言えないが、(ブランドのテコ入れに)アイドスにもビジョンがあり、話を聞いて安心でるレベルだった」と語った。


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