2009年6月5日(金)
現地時間6月2日~4日に米国・ロサンゼルスで開催された“Electronic Entertainment Expo 2009”において、PSP専用ソフト『グランツーリスモ』を体験してきたのでレポートする。
はじめに、情報のおさらいから(耳タコの人は飛ばして次の段落へ)。いわずと知れたレースゲームの金字塔『グランツーリスモ』シリーズ。2004年10月に、産みの親である山内一典さんから『グランツーリスモ4 モバイル』として発表されたPSP専用『グランツーリスモ』だ。今回のE3で、発売日が10月8日であること、800車種以上35コース60レイアウトが収録される予定であること、アドホック通信対戦やクルマのトレード&シェアなどの機能も搭載されることなどが発表された。PSPという小さなハードに、よくここまで物量をてんこ盛り状態で詰め込むとは。プレイする前にまずは驚かされた。
プレイ前に聞いた話によると、今回PSP(すべての型番)とPSP goの、どのPSPでプレイしても操作性能が異ならないように、と調整に気を使ったそう。そして今までと違うところは、十字ボタンでも十分にドライビングシミュレーションを味わえるようになっていることだそうだ。今回は、せっかくなので、こちらもE3で初お披露目のPSP goでプレイしてみた。少し残念なのだが、今回の体験バージョンは音がなく、イージー・シングルモードで、車種はNISSAN GT-R SpecV 09のみ、コースも1つであったが、欲を言ってはいけない。だって、世界中に大勢いる『グランツーリスモ』ファンを代表して(と思い込んでいる)、いの一番にプレイできるのだから。
結論からいうと、小さいながらも、まぎれもなく、まさしく『グランツーリスモ』である。このPSP版で私が一番気にしたところは、『グランツーリスモ』のみが許されると個人的に思っているジャンルの“ドライビングシミュレーション”が、どこまであのサイズの画面とハードで表現されているかである。わかりやすく言うと、プレイ中にコントローラが、実際にハンドルやアクセル、ブレーキになって操作するかのような臨場感と操作性能、リアリティを演出できるかである。そのキモは、先ほどプレイ前に得た情報にも関連するが、ボタン操作が車の微妙な動きを伝えられるかである。
思いのほか操作が滑らかで、アクセル・ブレーキ・ハンドルさばきの微妙な操作に、画面上の車が瞬時に反応してくれている。画面サイズの問題でさすがに据え置き機の臨場感とは違うが、まさにリトル・モンスターマシンである。とはいえ、まだ開発途中であり、これから微妙なバランス調整が発売ぎりぎりまで行われるであろうし、今回体験できなかったサウンドの部分も何らかの仕掛けがあるように思われる。
たぶん、皆さんが体験できるのは東京ゲームショウなのだろうか、そのころには、私が体験した今回の『グランツーリスモ』とも違う『グランツーリスモ』に出会えるのではないかと思う。(電撃・江口)
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