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2009年6月25日(木)

TVアニメ『CANAAN』関係者向け試写会で、沢城さんらキャスト陣がコメント

文:電撃オンライン

 7月から放送が始まるTVアニメ『CANAAN』の、関係者向け試写会が6月17日に都内のバンダイナムコ未来研究所で行われた。

『CANAAN』

 『CANAAN』は、2008年12月にセガから発売されたWii用ソフト『428 ~封鎖された渋谷で~(以下、428)』に収録されている奈須きのこさん原案のボーナスシナリオのスピンオフTVアニメ。監督はアクションシーンの演出に定評のある安藤真裕さんが務め、シリーズ構成はアニメ『とらドラ!』、『黒執事』などの脚本を手掛けてきた岡田麿里さん、アニメーション制作はピーエーワークスが担当する。

『CANAAN』 『CANAAN』 『CANAAN』
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 実施された試写会では、本編第1話と第2話が上映された他、関係者によるインタビューなどが行われた。出演者は、カナン役の沢城みゆきさん、大沢マリア役の南條愛乃さん、ユンユン役の戸松遥さん、本作のプロデューサーを務めるポニーキャニオンの大島靖さん、音楽のプロデューサーを務めるランティスの斎藤滋さんの5名。インタビューの模様をお伝えする。

『CANAAN』

――キャストの皆さんにお聞きします。自身が演じているキャラクターについて教えてください。

沢城さん:カナンは戦争孤児のような境遇で、1話の冒頭で大塚明夫さんが演じられていたシャムというキャラクターに拾われ、兵士として養成された女の子です。ところが彼女はある事件がキッカケでシャムと別れなければならないことになり、最後シャムに「お前は自分を憎しみとは切り離して生きなさい」と言われます。今回のお話は、そこから5年くらいが経ったところから始まります。1話、2話では決めセリフのようなセリフがあるんですが、アフレコが進むにつれて本人は何の気なしに話しているだけなんだなと感じてきました。そういうところが、マリアにとっての興味の対象にだったり、敵対する人たちにとって脅威だったりするんだろうなと思います。いろいろなものから切り離されている透明な人というか、掴みどころのない不思議な女の子です。

南條さん:マリアは、見ていると「この子大丈夫かな」と心配になるような(笑)、明るくて元気でまっすぐな女の子です。彼女は過去に1度カナンと会っているんですけど、その時に、カナンの自分らしさを保って生きる芯のある生き方に衝撃を受けました。現在のマリアは、どうしたらカナンのように強く生きられるんだろうという悩みを、明るさの裏に抱えているんじゃないかなと思っています。なので、明るさを出しつつ等身大のマリアを表現できるよう演じています。マリアは浜田さん演じる御法川さんと一緒に上海にくるんですが、日本からきた2人ということで、視聴者の方には壮大な作品に入っていくための重要なキャラクターになっていると思います。2人を追いつつ、作品のストーリーも追い掛けてもらえればと思います。

戸松さん:ユンユンは、1話と2話ではまだあまり出番がなかったので、まだ何者なのかわからないと思います。彼女は、マリアの前に毎回違う形で現れます。一体いくつバイトを掛け持ちしているんだろうと思うほど、いろいろなバイトを転々としているんです。明るく前向きで、ユンユンがいるだけで周りも明るくなるようなかわいらしい女の子なんですが、彼女にも普通ではない事情があります。それはお話が進んでいくにつれていろいろわかってくると思います。今後お話に深く関わってくる重要なキャラクターです。

――この作品の魅力を教えてください。

沢城さん:1話でマリアが言っていたセリフ「エネルギーがすごい!」に尽きるなと思います。上海という、いろいろなものが入り混じったすごくエネルギッシュな場所で巻き起こるお話なので、とにかく目で見る情報がいっぱいあります。キャラクターもとにかく濃いんです。絵で細かくお芝居しているし、雑踏のシーンも見事なぐらい丁寧に演出されていますね。毎話毎話、映画のラストシーンのような場面があって、1話で言えばお祭りでの銃撃シーン、2話で言うとカーチェイスのシーンなど、盛り上がるシーンが必ずあるので、1話1話楽しみにしてほしいですね。

南條さん:私自身も収録が楽しみで、ストーリーもそうですし、音や音楽もすごく、キャラクターも1人1人個性的で、キャラクターたちの関係性も変化して。1話1話終わるたびに次の展開が気になります。見ていただける方にもそう感じてもらえると思います。

戸松さん:人間関係が、この作品の魅力の1つだと思います。たとえば1話と2話の中でも、夏目はカナンと組んでいるように見えるんですが、裏では「あの子きらいなのよ。死んじゃえばいいのに」と思っているといったことがあったように、誰が誰とつながっているのかという複雑な人間関係がすごくおもしろいと思います。見れば見るほど後からいろいろなものがつながってくるので、台本を見るたびに私も「なるほどな」と衝撃を受けています。

大島さん:演じている役者さんの熱演、ピーエーワークスさんの頑張り、音楽・音響の効果や、キャラクターを最大限に生かすような脚本陣の頑張りなど、いろいろな方の力が相まって1つの作品になっていると思います。このままのテンションでずっと続いていきますので、ぜひ見てください。

斎藤さん:まずはスタッフですね。チュンソフトさん、TYPE-MOONさん、ピーエーワークスさん、この組み合わせが実現していることがまずすごいなと思います。私は以前『true tears』という作品でピーエーワークスさんとご一緒させていただいたことがありました。その時に、非常にクオリティの高い表現をされていて、こだわった演出、最終回までまったく質の落ちない仕上がり、それらに非常に感銘を受けました。今回同じチームでピーエーワークスさんと組めるのは非常にうれしいなと思いました。もう1つ、音楽の方から話をしますと、まずBGMは七瀬光さんが書いています。今回スタッフの皆さんからお願いされたのは、アニメーションの絵を先に渡すので、それに合った音楽を1話1話つけてくださいというオーダーでした。普通アニメーションの音楽は1クールに使う曲を30~40曲先に作って納品して、それをいろいろなところで使いまわすんですが、今回は「このシーンのここからここまでをこういう曲でお願いします」といったように、音響監督さんや監督さんからシーンごとに指示があって、それにあわせたものを作っていくという非常に細かい作業をしています。その甲斐あってか、シーンに合った音楽ができていると思います。「作曲家の人は大変ですね」とよく言われるんですが、大変なのは音響監督さんや監督さんだと思うんですよね。シーンごとにどんな音楽がいいのか、考えて発注しなくてはいけないので。もっと大変なのはピーエーワークスの作画スタッフさんですよね。先に絵を完成させなければならないという、簡単そうで難しいことをやってのけているのには驚かされます。ちょっと長くなるんですが、あとは絵の密度がすごいです。1回見ただけでは把握し切れないほどの情報が量があって、人や物など動いているものすべてに芝居がなされているのは、なかなかできない離れワザだと思います。

――キャストの皆さんから、収録の様子を含め、視聴者へのメッセージなどをお願いします。

沢城さん:役者としての立場からの話になるんですが、毎回スタジオに行くたびに、作品に出ているキャラクターを好きになって帰れる現場というのは本当に幸せだなと思います。役者と役の相性がすばらしく、特に田中理恵さんと大川透さんが演じてらっしゃるリャン・チーとカミングスはもうどんどん拍車が掛かっています。役が広がっていくおもしろさがありますね。毎話毎話楽しみにしてもらえると思います。

南條さん:和気藹々(わきあいあい)としたいい現場です。この役が決まってから原作の『428』をプレイしたので、現場で沢城さんに会うのがとても楽しみでした。現場で初めて会った時に、「カナンだ! カナンがいるー!」と1人で感動していました(笑)。役者さん自体もとても温かい方ばかりでキャラクターとピッタリ合っているので、現場に行くのが楽しみですし、反面緊張やプレッシャーもあります。私もマリアをもっともっと膨らませていきたいです。1つの作品としてもクオリティの高いものができていると思いますので、それが見ている方にも伝わればうれしいです。

戸松さん:自分のキャラクターはもちろん好きなんですが、他のキャラクターもみんな好きなんです。休憩時間があるとキャラクターの話をしたりして、そういう話ができる現場というのはステキだなと思っています。みんなが作品を好きなんだなという気持ちが伝わったらいいなと思います。

――プロデューサーの2人からは作品への意気込みを聞かせてください。

大島さん:重ね重ね「テンションが高い作品」と言っていますが、製作委員会としても、テンションの高いムーブメントを巻き起こしたいと思っています。『CANAAN』をよろしくお願いします。

斎藤さん:この後聴いていただくオープニングテーマについてお話をさせていただきます。オープニングテーマは、アニメーションの顔でもありますし、1番最初に世に出る関連商品でもありますので、外せないという重責があるんですが、今回のオープニングテーマは間違いなくイケるものになっております。歌を担当するのは飛蘭(フェイ・ラン)というボーカリストなんですが、彼女の歌唱力がすごいです。そして歌詞には畑亜貴さんを迎えました。さらに作曲・編曲に上松範康さんを迎えまして、現状考えられる最強の布陣で作った曲になっています。これを皮切りに広く展開していこうと思いますので、ぜひご期待ください。

『CANAAN』

 インタビュー後、斎藤さんのコメントにもあった通り、飛蘭さんによる本作のオープニングテーマ『mind as Judgment』のライブが行われた。ライブ後には飛蘭さんにもインタビューも。飛蘭さんはオープニング曲について、「スピード感のある曲です。歌詞も奥が深いので、それが伝わるように歌いました。ぜひ歌詞カードでも確認して、本編を見てほしいです」と話していた。

『CANAAN』

 その後、『428』のプロデューサーであるチュンソフトのイシイジロウさんがステージに登壇。集まった関係者に向けて「原作をやったことがある人は、「おっ」と思ったのではないでしょうか。原作を遊んだ人にも納得のできる作りになっています。小ネタも入っているので、チュンソフトのファンの方も楽しんでもらえればと思います」とメッセージを贈り締めくくった。

(C)CHUNSOFT/Project CANAAN

■TVアニメ『CANAAN』
【放送開始日】
 TOKYO MX……7月4日より毎週土曜 22:30~
 テレ玉……7月4日より毎週土曜 24:30~
 チバテレビ……7月6日より毎週月曜 26:10~
 tvk……7月7日より毎週火曜 25:45~
 関西テレビ……7月7日より毎週火曜深夜(基本は26:05~)
 東海テレビ……7月9日より毎週木曜 27:35~
※放送時間などは予告なく変更になる場合がある。

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:チュンソフト『428~封鎖された渋谷で~』
 原案:奈須きのこ
 キャラクター原案:武内祟
 シリーズ構成:岡田磨里
 キャラクターデザイン:関口可奈味
 美術監督:脇威志
 色彩設計:井上佳津枝
 撮影監督:並木智
 音響監督:明田川仁
 音楽:七瀬光
 音楽制作:ランティス
 音楽プロデューサー:斎藤滋
 プロデュース:エモーション
 アニメーション制作:ピーエーワークス
 監督:安藤真裕
 OPテーマ:飛蘭『mind as Judgment』
 EDテーマ:Annabel『My heaven』
 製作:Project CANAAN

【キャスト】(※敬称略)
 カナン:沢城みゆき
 アルファルド:坂本真綾
 大沢マリア:南條愛乃
 御法川実:浜田賢二
 リャン・チー:田中理恵
 ユンユン:戸松遥
 ハッコー:能登麻美子
 サンタナ:平田広明
 夏目:皆川純子
 カミングズ:大川透
 シャム:大塚明夫


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