2009年7月21日(火)
ネクソンが運営するPC用MMORPG『テイルズウィーバー』で、7月29日にコンセプトダンジョン“ネオテシス”が実装される。
キャラクターごとに異なる濃厚なストーリーが魅力の本タイトルだが、アップデート“ネオテシス”では彼らの過去の物語、時には幼少時代の出来事が垣間見えるコンセプトダンジョンが登場するらしい。今回はこのネオテシスについて、そして年内実装……を目標に現在開発中の新要素について、ネクソン事業部マーケティング1チームの坂下智久さんと、運用部ゲーム運用チームの糸井詩織さんにお話を伺ってきた。
ネオテシスは2009年6月実装の“鬼哭の城”が出現した原因とされた、時空のねじれを研究する過程で、新たにわかった異世界の1つという設定になっている。本記事で紹介するダンジョン“失われた記憶の博物館”は、あくまでネオテシスのほんの一部であり、今後も新たなダンジョンの存在が、このネオテシスの中で明らかになるという。今後どのようなダンジョンが追加されるかは未定だが、第1弾となる失われた記憶の博物館は上級者向けの内容で、レベル180以上が対象となっている。
▲ネクソン事業部マーケティング1チームの坂下智久さん(写真左)、運用部ゲーム運用チームの糸井詩織さん(写真右)。 |
失われた記憶の博物館への入口はドッペルゲンガーの森にあるポータルだ。レベル制限は先述の通りレベル180以上で、なおかつ必ず4人パーティを組まないと中には入れない。最初に見える部屋は待機室と呼ばれ、4つのオブジェクトが配置されている。各オブジェクトには賢者、盗賊、魔道士、騎士の名がつけられており、プレイヤーはどれか一つのオブジェクトを選ばねばならない。実はプレイヤーのクラスを問わず、ここで選んだオブジェクトに合わせたダンジョン専用スキルが使えるようになる、というのが本ダンジョン最大の特徴なのだ。
『テイルズウィーバー』では、育て方次第で同じキャラクターでも違う戦闘スタイルが習得可能だが、そのキャラクターに最適な育成方針がやはりある。たとえば金髪少女ティチエルならば物理攻撃もできるとはいえ、基本的に彼女は多彩な魔法スキルを使いこなす魔法職だし、メガネ男子マキシミンも魔法剣士という選択肢はあるが、一般的には物理攻撃メインの近接職というようにタイプは決まっている。しかし、失われた記憶の博物館の中では、待機室で騎士を選べば物理攻撃スキルを。魔道士を選べば魔法スキルを、ダンジョン内限定とはいえ使いこなせるようになるのだ。スキルポイントが通常とは別に用意される他、スキル習熟度も適用される。
▲ドッペルゲンガーの森に現れた、ダンジョンへの入口。4人パーティ必須となっている。 | ▲難易度は3段階から選択可能。新ダンジョンが追加された場合も、入口はすべて同じ待機室から行き先を選ぶ形になる。 |
▲普段と同じ戦闘スタイルを選ぶもよし。いつもと違う役割に挑戦してみるのもよいだろう。ダンジョン内では専用バフが受けられる。 |
ダンジョン自体はさほど複雑ではなく、モンスターのポップ率も激しくはないが、高レベル向けなので敵はそれなりに強い。途中で複数の中ボスが出現するので、これをすべて倒せばラスボスが登場する。
プレイヤーが気になるコンセプトダンジョンだけのドロップアイテムについては、ボスモンスターを倒すと宝箱が1つ出現。中には全パーツをそろえればセット効果が得られる特殊な防具が入っているとのこと。ただし盗賊、騎士、魔道士、賢者のクラス別になっているため、どのクラス向けのどのパーツが出るかは完全ランダムだ。すべてそろえるためには何度もダンジョンに足を運ぶことになるだろう。またダンジョンに挑戦すると専用ポイントがたまり、ケルティカのNPCに話しかけるとポイントは消費系アイテムや兜、ダンジョン内限定スキルの習熟度を上げるアイテムなどと交換できる。
▲博物館が舞台だからか、室内のデザインはエジプト風だ。 |
▲キャラクターの真横に出ているアイコンが、ダンジョン専用スキルを設定できるスロットになっている。 | ▲目立たないけれど実は便利な新システムとして、攻撃対象を固定できるターゲットシステムが導入される。 | ▲ダンジョン専用スキルのごく一部がこちら。どんな効果があるのかは実際に試してみてほしい。 |
▲セット装備のイメージイラストがこちら。通常フィールドでも普通に着用かつ効果が発揮されるのかが気になるところだ。 |
コンセプトダンジョンという名前について坂下さんに尋ねてみたところ、『テイルズウィーバー』ではチャプターと呼ばれているゲームの進行に深くかかわるメインシナリオではなく、サブシナリオという意味とのこと。『テイルズウィーバー』の大きな魅力の1つとして、選んだキャラクターごとにストーリー展開が異なるという点だが、すべてのキャラクターの物語をメインシナリオだけで見せていくのはボリュームがありすぎて難しい。そこで、本アップデートでは時空のねじれという設定を活用し、彼らの過去に何があったのかを見せていこう、というわけだ。どのダンジョンかは未定だが、ミラの子ども時代が見られるサブシナリオなどもあるらしい。韓国開発スタッフによれば2つ目のダンジョンも年末には実装できるかも? との話なのでプレイヤーは期待して待っていてほしい。
ネオテシスのついての紹介はここまで。続けて坂下さんに年内のアップデート予定についても聞いてみた。あくまで予定ではあるが秋ごろをメドに、『テイルズウィーバー』にもプレイヤー間でアイテム交換や売買が可能な、トレードシステムが導入されるとのこと。すでに同社の『メイプルストーリー』で実装されているメイプル・トレード・スペースと、ほぼ同じシステムを予定しており、取引にはネクソンポイントが必要だ。実装と同時にサーバ間をまたいだ取引もできる予定だ。
もう1つ、プレイヤーにはうれしい新システムとして髪型の変更が可能となる。帽子のような頭装備とはまったく違い、新しいヘアスタイルはきちんとアクションに合わせて動くのがポイントだ。さらに髪型に対して専用のヘアアクセサリも用意される。従来のかつらアイテムだと、ロングヘアのティチェルなどはかつらの下から金髪がのぞいてしまう……という何とも情けない状態だったが、今後はショートヘアのティチェルもかわいく見られるはずだ。なお、髪型変更は有料サービスになる予定だ。
▲髪型変更は一旦ボウズ状態にして、そこに新髪型を合わせる形になるので、地毛がはみだすこともない。 |
▲左から髪型変更システムの使用前、ボウズ、使用後の状態。いっそ坊主頭のままでもイケテル気がしないでもない。 |
最後に坂下さんからテイルズファンへのメッセージをいただいたので、お届けしよう。「ネオテシスはアイテム集めとサイドストーリーを同時に楽しめる、テイルズウィーバー初のコンテンツです。レベル180以上の上級者向けにはなってしまいますが、ひと通りチャプターを進めて各キャラクターの物語を理解しているプレイヤーさんには、彼らの過去にまつわるサイドストーリーをきっと楽しんでいただけると思います」。
しっかりとしたバックストーリーと、個性豊かなキャラクターが彩るテイルズウィーバーだからこそ、彼らの過去が垣間見れるアップデート“ネオテシス”はプレイヤーにはうれしい内容になっていそうだ。今までレベル上げやアイテム集めに熱中し、あまりチャプターを追いかけてこなかった人も、この機会に自分のキャラクターが持つ物語を一度振り返ってみてほしい。
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