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2009年9月2日(水)

PS3で80年代を遊ぶとどうなる!? 『3Dドットゲームヒーローズ』を全力で紹介

文:電撃オンライン

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■オマージュだけじゃない今だからできる試みも

 最後に、体験会でプロデューサーの竹内将典さん(フロム・ソフトウェア)と坪井光士さん(シリコンスタジオ)から伺った、本作の魅力や制作の経緯についての話を掲載する。(以下、敬称略)

『3Dドットゲームヒーローズ』 『3Dドットゲームヒーローズ』
▲竹内将典さん▲坪井光士さん

――本作の魅力について教えてください。

坪井:『3Dドットゲームヒーローズ』の魅力は、やはり80年代のなつかしさだと思います。子どものころ、スーファミはファミコンをプレイした世代の方であれば、「この場面は、あのゲームの……」と感じていただけるところがたくさんあるはずです。そういったオマージュを折り込みつつ、シェーダやHDRをふんだんに使用して、シリコンスタジオのミドルウェア最新技術を投入したゲームになっています。新たなオリジナル魔法も作っていて、最新技術を効果的に使った魔法の演出も行おうと思っています。

――グラフィック表現で特に苦労した点はどこですか?

坪井:今回、弊社の“DAIKOKU”と“YEBIS”というグラフィック周りのミドルウェアを使用しておりまして、モデルを配置した後に光源やその角度を設定することで自動的に影などの画像処理をしてくれます。フィールド上で、「どこにどの角度でライティングするのが一番効果的な演出ができるのだろう」というのを悩みました。

――グラフィック表現では、やはり物理演算処理なども?

坪井:戦いの時に壁にぶつかって跳ね返ったり、敵を倒して弾け飛んだブロックの上を歩いた時の揺れだったりは、物理演算処理を行って表現しています。

――シリコンスタジオさんの処女作『己の信ずる道を征け』は、アクション性の高さも遊んだ人の間で評判になりました。本作のアクション部分には、どのようなこだわりが入っていますか?

竹内:このゲームは、「ドットを3Dにしました」というのがあるので、昔、皆さんがプレイしたようなアクションRPGやRPGを遊んだ時の感じを出すのにこだわっています。そのあたりはシリコンスタジオさんのこだわりもすごくて、今は削った要素なんですが、昔のゲームにあった“画面がスクロールする時にガクガクする感じ”をわざわざ再現してみたんですよ。でもそれを入れてみたところ、プレイした印象では「これフレーム落ちしてるよね(笑)」という状態になってしまったので、今は削ってあります。

 だから、昔のゲームそのままを再現するということではなく、昔のゲームをプレイした方々が、(『3Dドットゲームヒーローズ』を)今のPS3のゲームとしてやって、「ああ、こんなゲームやったよね」といういろいろなゲームを彷彿(ほうふつ)とさせるような“手触り感”をアクションに採り入れました。

――ではボス戦もそういったことを意識しているのでしょうか?

竹内:そうですね、ボスも昔どこかで見たことあるような敵がいますね(笑)。でもそれだけだと、「たたのパクりじゃん」となってしまうので、このゲームならではの特徴もたくさん入れています。一番わかりやすいのは、単に攻撃力が上がるだけではなく、見た目にも大きくなったり長くなったりする“剣の成長”ですね。昔のゲームのテイストを残しつつも、新しいゲームの表現や、スペックがないとできないことも採り入れています。

――公式サイトに質問募集箱が設置されていて、発売が11月5日と近いですが、投稿が今から反映されるということはありますか?

竹内:それはものによると思います(笑)。でもまだやれますし、実際に質問箱に送られているものは、シリコンスタジオさんがリアルタイムで見ていますので、見てドキッとするような痛いトコロを突いていただくと、製品版に影響するかもしれません。

――フロム・ソフトウェアさんは、大作に見られるような作品よりも、自分だけのゲームを作っているという印象があります。今作もだいぶ特徴的な作品ですよね。

竹内:大作RPGがどういうものなのか、表現が難しいところではあると思うのですが、少なくとも僕たちはゲームとしてはベタなものを作っているつもりです(笑)。ちょっと話がずれるかもしれないのですが、例えば雑誌やWebを見ても、結構同じように見えるゲームが多いなと思っていたんです。

 それはそれで、僕らもそういったものは作っているのでアリだと思うのですが、なんとなく同じように見えるゲームばかりという状況に危機感を覚えたんですね。PS3の性能が高く、そうした(似たような)方向性になるのも理解できるんですけれども、「(性能の)もっと違う使い方があるんじゃないか」というのが、私の中でありまして。そんな感じで、シリコンスタジオさんと話をさせていただいて、そうしたらシリコンスタジオさんの中にもそういった(危機感のような)思いはあったようですので、じゃあそういったところでうまくやっていけないかと話をしました。

 RPGとしては、懐かしい雰囲気が出るのはテイストとしては非常に重視しているんですが、ゲームとしてはあくまで「真剣だけどおもしろいね」と思えるように作っています。ボリュームも、普通にプレイしたらクリアするまで30時間くらいかかるでしょうし、やり込み要素でお伝えしていないものがあるので、そういったものを含めてプレイすると60時間以上はかかると思います。なのでドキドキ感やゲーム性といったものに関しては大作RPGや、もしくはそれ以上のモノを作ってるつもりではあります。

※画面は開発中のものです。
(C)2009 FromSoftware, Inc.
(C)Tim Martin
(C)1985,2008 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.
Licensed by Tozai, Inc.

データ

▼『3Dドットゲームヒーローズ』
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PS3
■ジャンル:RPG
■発売日:2009年11月5日
■価格:7,140円(税込)
 
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