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2009年10月6日(火)

PSP版『アーマード・コア3』を良作に押し上げた名勝負が展開! 全国大会レポ

文:電撃オンライン

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■決勝トーナメント・レポート/後編

 トーナメント第1回戦・第2回戦を勝ち抜き、準決勝へと駒を進めたのは、関東地区予選2日目・準優勝のnanameさん、近畿地区予選・優勝のあうげnさん、東海地区予選・優勝のameさん、北海道地区予選・準優勝の北さんの4名。地区予選の優勝者2名と準優勝者2名が優勝を争う形だ。


<準決勝・第1試合>

『アーマード・コア3 ポータブル』

 準決勝第1試合は、nanameさんとあうげnさんの対戦。準決勝からは3本勝負で2本先取した方が勝ちとなる。勝敗の決した2戦目では、1戦目をアグレッシブに攻めて制したnanameさんが、フロートの機動力を生かしてここでもアグレシッブに攻める。が、それが過ぎてかnanameさんの機体がEN切れに。直後、あうげnさんの機体も熱暴走をしてしまう。

 ここで互いに攻めきれなかったせいか、中盤は間合いを保った静かな射撃戦となる。しかし、終盤で高所から落下したあうげnさんの機体が、直後に仕切り直しの機動をしたところをnanameさんに撃ち込まれ、AP差が開く。試合はそのまま時間切れを迎え、nanameさん勝利に終わった。nanameさんは、ここまでの試合で、地上におけるフロートの機動力とPSPの16:9画面の相性を生かした戦いをうまく行っているように見えたのが印象的だった。


<準決勝・第2試合>

『アーマード・コア3 ポータブル』

 準決勝2試合目の1戦目では、タンクにキャノンを積んだameさんがABANDONED FACTORYの梁(はり)の上に隠れて戦う戦術を取るのだが、これはフロートの機動力を生かして攻撃を避けつつ、タンクの高APを削ることに成功した北さんが勝つ。

 会場がわいたのは2戦目で、ameさんがなんと超大型ミサイル(CWM-TITAN)を持ち込んだのだ。射撃戦を有利に進めていたameさんが、終盤ミサイルに近付くと観客から超大型ミサイルの使用を望むコールが高まる。ロックオンは遅いが、追尾性能がやたらといいこの武器。フロートの機動力で逃げる北さんの機体だったが、何も障害のないARENAでは残念ながら追いつかれてしまった。

 決勝進出を賭けた3戦目で勝敗を分けたのは、どうやら機体の安定性のようにうかがえた。中盤から互いにロックオン距離の内側で撃ち合いを始めたのだが、北さんの機体はたびたび固められてしまい、それが大ダメージにつながる場面が出てきていた。そのままAP差を広げていったameさんが、決勝へと駒を進める。


<決勝戦>

 いよいよ決勝戦。ABANDONED FACTORYを戦場とした1戦目では、ameさんが準決勝の1戦目と同じく、タンクで梁の上に身を潜めて戦う戦法を取る。対するnanameさんは、フロートの高機動を生かしてヒットアンドウェイで攻撃を仕掛け、ameさんの機体を熱暴走させてAP差で逆転すると、最後の猛攻をしのいで1戦目を先取。

 2戦目のARENAは障害物がないため、互いに緑ライフル+投てき銃を主体とした攻撃をする2機のAPは、同じように減っていく。AP差が開かないまま、互角の打ち合いを続けて20秒を切った時、残りAPで劣っていたnanameさんの機体がENぎれを起こす。最後に仕掛けることかなわなかったnanameさんがAP差を埋められず、ameさんが勝利して試合は最終戦へもつれ込んだ。

『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』

 今回の大会屈指の名勝負となったのが、この最終戦だ。nanameさんがCLR-00-MAKで、ameさんがMLR-MM/PETALと、種類は異なるがともにフロート脚を使っての出撃。腕の武装は、ともに緑ライフルと投てき銃を装備していた。

 ここでは序盤、オービットキャノンでの攻撃を織り交ぜたnanameさんがリードするも、ライフルにしぼったameさんの攻撃もすさまじく、ほとんど1分ごとにAPが逆転していく。約2分30秒が経過して、nanameさんのAPが4,472、ameさんのAPが4,542と、ほぼ“差がない”と言っても過言ではない状態。これまで温存していた投てき銃をameさんが使い始め、残り時間が約1分30秒となってもameさんがAP200ぐらいをリードする状態だったのだが、ここから終盤に入って両者はさらに激しい攻防を見せ、互いの機体が熱暴走を起こした。

『アーマード・コア3 ポータブル』

 みるみる減っていく2機のAPだが、nanameさんの機体の方が300~400ほどAPが上。残り時間が30秒ほどであることから、観戦者の多くがnanameさんの勝利を予想していたであろう時、なんと熱暴走終了直前に攻撃を食らったnanameさんの機体が、さらに熱暴走を延長させる。

 観客の間から「おぉー!」という声が上がった。最終的には、nanameさんのAPが115、ameさんのAPが552と、土壇場の大逆転。互角の戦いを繰り広げ、最後まで緊張感のあった試合展開は、誰もが決勝戦の最終試合にがふさわしいと思ったようで、大きな拍手が贈られた。鍋島プロデューサーも、「本当にいい試合を見せていただきました!」と賞賛を贈った。

『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
▲優勝したameさんには、世界でたった1つのエンブレムと、コトブキヤの原型師が組み立てたキットやクリスタルトロフィ、PSP goなど多くの副賞が贈られた。nanameさんにも、また異なったエンブレムとキットが贈られている。

『アーマード・コア3 ポータブル』

 大会終了のあいさつを述べた鍋島プロデューサーは、『アーマード・コア3 ポータブル』が初めての移植で、PS2からPSPに変わったことでボタンが減るなどの問題もあり、いいモノができるかという不安があったことを明かす。しかし、「これだけレベルの高い大会ができて、“いいモノを作る”という目標は達成できたと思います」と、完成への自信を高めた様子だ。結果としていい作品と言えるようになったのも、ユーザーのおかげだと感謝を述べていた。

 さらに鍋島プロデューサーは、11月19日発売の『アーマード・コア サイレントライン ポータブル』を使って、全国大会シーズン2を開催したいと続け、最後に「PSPでの『AC』も盛り上げて行きたいと思っています。皆さんよろしくお願いします」という言葉でしめくくった。

『アーマード・コア3 ポータブル』
▲大会終了後には、鍋島プロデューサーがユーザーの持ち寄った『アーマード・コア3 ポータブル』のパッケージにサインをする場面も。

『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
▲そして、長い大会を戦った選手と観戦者にふるまわれたのが、“アーマード・コア寿司”。コンパニオンさんとのジャンケンに勝つと、イクラが9つ載った(?)ナインボール寿司(右上写真)が1個サービスされた。
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
▲会場では、決勝大会以外にも『アーマード・コア サイレントライン ポータブル』の試遊、フリートーナメント、コトブキヤによる物販・展示などが行われた。以下に、展示物の写真も掲載しておく。
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』
『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』 『アーマード・コア3 ポータブル』

『アーマード・コア3 ポータブル』
▲最後は、コンパニオンさんたちに見送られて会場を後に。

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データ

▼『アーマード・コア3 ポータブル』
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年7月30日
■価格:3,990円(税込)
 
■『アーマード・コア3 ポータブル』の購入はこちら
Amazon
▼『アーマード・コア サイレントライン ポータブル』
■メーカー:フロム・ソフトウェア
■対応機種:PSP
■ジャンル:ACT
■発売日:2009年11月19日
■価格:3,990円(税込)
 
■『アーマード・コア サイレントライン ポータブル』の購入はこちら
Amazon

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