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2009年10月14日(水)

『北斗の拳』連載時のエピソードも飛び出た『北斗無双』トークショーをレポート

文:電撃オンライン

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 また、谷村さんや武論尊氏と原氏を交え、小西さんと鯉沼氏も参加したトークでは、谷村さんが起用された経緯やイメージソングへの情熱、連載当時の武論尊氏と原氏のやりとりなどについて語られた。まずは、イメージソング披露後の谷村さんと鯉沼氏のやりとりについて紹介する。

『北斗無双』

 谷村さんの起用された経緯だが、これはもともと鯉沼氏が谷村さんにマミヤのイメージを持っていて、開発現場やエイベックスの挙げた候補とも一致したために、彼女の起用が決定したという。メロディは同じながら、マミヤとユリアのそれぞれをイメージした2曲のテーマソングを谷村さんが1人で歌うことについても、原作でマミヤとユリアが瓜二つの容姿を持つことから、谷村さんが1人で2つの衣装を着て歌ってもいいのでは、ということになったと鯉沼氏は語っていた。

『北斗無双』 『北斗無双』
▲左がユリアの衣装で、右がマミヤの衣装。
『北斗無双』 『北斗無双』
▲2曲を歌うにあたり、谷村さんは自ら作詞を積極的に買って出たという。「『北斗の拳』なので、スケールを大きくしたかった」と話す谷村さんは、悲しみ、愛、温もりをテーマに2つの歌詞を制作。歌う際にもマミヤであれば怒りの感情を入れるなど、声質にこだわって歌っているそうだ。

 なお、これらのテーマソングは「まずはPVなどに使用したい」と鯉沼氏は語っており、ゲームのエンディングにも起用したい考えであることを話した。

『北斗無双』
▲武論尊氏は、『北斗の拳』が自分の作家人生の中にあって胸を張れると心中を披露。ひと言にすると「作者冥利に尽きる」であるそう。

 続いては、武論尊氏と原氏を迎えてのトークショーに。上映された映像を見た2人は、「この年になると興奮することないんだけど、ちょっと興奮しましたね(武論尊氏)」、「今までいろいろな映像やアニメを作ってもらったんですけど、僕の描いたものを上回っていくことはあまりなかったんですね。今回、初めて足し算してもらって。ああ、ちょっと追加してもらったなという感じがあって、演出も多くてうれしかったですね(原氏)」と、それぞれに作品に対して満足気であることを語った。また鯉沼氏も、「ケンシロウになれたらかっこいいし、爽快感もある」という原作の持つ力をゲームに出せたらいいと、表現に対するこだわりの一端をうかがわせていた。

 ゲームの感想に続いて、連載当時のエピソードも披露された。『北斗の拳』といえば、世界観にマッチした必殺技名も魅力。この名前をどうやって考えるのかという質問に、武論尊氏はずばり「辞書からそれらしい字を引っ張ってきて、つなげただけ」。北斗百裂拳については、原氏からのアイデアらしいが、基本的には武論尊氏が考えた技名を見て、原氏がアクションシーンを考えて絵にするのだという。

 さらに「ひでぶ」といった死に際のセリフも、さまざまな読者から指示を受けるポイントだが、原氏が一生懸命考えたというこのセリフの数々も、最初のほうは編集に誤植だと言われて散々直されたらしい。武論尊氏も、「ひでぶ」を「ひでえ」の誤植だと編集から聞いていたそうだが、「おもしろいからこのまま行こう」ということでハートはあのように死ぬこととなったようだ。

『北斗無双』 『北斗無双』
▲基本的に武論尊氏の役割はストーリーを考えるだけ。絵に対する指示は、「ラオウは強烈な大きさ」といった程度だったようだ。それを原氏が、迫力ある絵に仕上げたわけだが、そういった絵が帰ってくることで武論尊氏も引きずられるようになり、編集を介してやる互いのやりとりは「戦いですよね(原氏)」とのこと。

 原作である『北斗の拳』がそういった真剣勝負で作られただけに、鯉沼氏によればセリフの監修も厳しかったそう。その厳しい監修を通ったセリフは、これからどんどん出していくので納得していただけると思うと、鯉沼氏も自信をうかがわせていた。また鯉沼氏は、リアリティのある世紀末を表現するため、グラフィックだけでなく、それに合わせる音楽、SEにもこだわっていることを話した。

 最後に、谷村さん、武論尊氏、原氏、鯉沼氏からファンに贈られたメッセージを以下に紹介する。

谷村さん:ゲームが発売されたら、すぐ買いに行って、私もやりたいなと思います。ぜひ皆さんも楽しみにしていてください。また、イメージソングを通して出させていただけるということで、本当に幸せに思っています。ぜひ歌も聞いてください。よろしくお願いします。

武論尊氏:ゲームのクオリティがかなり高いように思っています。僕自身はあまりゲームはやらないのですが、コーエーさんから機械(ゲームハード)がもらえるのであれば、(ソフトを)買ってもいいなと思っていますので(笑)。本当に新しい『北斗の拳』の世界へ入れるような気がしますので、ぜひ買って楽しんでみてください。

原氏:今までも本当にいろいろな方に『北斗の拳』のゲームや映像を作っていただいたのですが、うまくいったものもあれば、うまくいなかったものもあります。そんな中で、僕の中では期待できると思っています。僕も楽しみにしていますので、皆さんもよろしくお願いします。

鯉沼氏:非常に大きな原作をお借りしての開発で、原作ファンの方たち、そして『無双』ユーザーにも満足できるようなものをお届けしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

『北斗無双』 『北斗無双』
『北斗無双』 『北斗無双』

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データ

▼『北斗無双』
■メーカー:コーエー
■対応機種:PS3/Xbox 360
■ジャンル:ACT
■発売日:2010年予定
■価格:未定

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