2009年12月3日(木)
ゲームヤロウはPC用オンラインACT『鉄鬼』のクローズドベータテスト(CβT)を11月25日~29日まで実施。CβTではプレイ可能な機体やゲームモードに制限があったが、最大16 vs 16人による白熱したメカアクションバトルを体験できた。今回はCβTの旅人・クロさんに続く新人、重度の戦争狂こと“ロンメル”がその詳しいレポートをお届けする(敬礼!)。
【ロンメルの気になるキーワード5段階評価】 メカのカッコよさ ★★★★ |
『鉄鬼』には性能や戦闘中に求められる役割が、それぞれ異なる8種の機体が存在する。CβTではそのうち4種の機体のみプレイ可能となっていた。まずは各機体の特徴から紹介していこう。
ゲーム開始後は実戦形式のチュートリアルが用意されており、次々に与えられる任務をこなしながら基本操作を学べるようになっている。操作方法は一般的なTPS/FPSタイトルとほとんど同じだ。移動がWASDキー、SPACEキーでジャンプ、Ctrlキーがしゃがむに割り当てられていて、武器は1~3の数字キーでチェンジでき、スコープや装甲の開閉など一部の専用機能はマウスの右クリックとなる。任務の最後にはボスが登場し、これを倒さないとクリアできないのだが、難易度は思ったよりも高かった。とは言えこのチュートリアルの目的は、操作方法の習得とタイプの異なる機体の特徴を体感してもらうことにあるので、クリアできなくても特に問題はない。自分のプレイスタイルにあった機体を見つけるためにも、4機種すべて体験することをオススメしておく。
また、『鉄鬼』は新規アカウントでのログイン時に、どれか1つの機体を決めたらその他の機体に乗れない、というわけではない。ゲーム中も一度戦闘不能になれば復活するたびに異なる機体を選択できるので、チュートリアルだけではどれが自分にあっているのかよくわからなかったという初心者でもその点は心配いらない。
▲シンプルでわかりやすいチュートリアル。FPSの経験があればほぼ直感だけで操作できるだろう。 |
▲狙撃型や整備型でのボス戦クリアは、相当のプレイヤースキルが要求されそうだ。 |
今回のCβTで実際にプレイできたゲームモードは、デスマッチ、サドンデス、占領の3タイプのみ。マップも各1種類ずつとバリエーションは少ないが、構造によってまったく違う戦術が要求されるので十分楽しめた。ここではそれぞれのゲームモードの特徴や、プレイした感想をお伝えしていこう。
●デスマッチモード(MAP:ロストシティ)
制限時間内にあらかじめ設定した目標Kill数に、早く到達したチームが勝利するデスマッチモード。使用マップのロストシティは廃ビルが立ち並び、半壊した高架道路を使った強襲や、地下道路からの奇襲など様々な戦術がとれるマップだ。交戦エリアや敵の侵攻ルート、潜んでいそうなポイントが比較的予想しやすいので、チームで統率のとれた行動を取れれば有利に立ち回ることができた。戦闘不能になっても制限時間内であれば、何度でもリスポーン(復活)できる。
▲狙撃タイプのBLITZが身を隠すには、うってつけのポイントがあちこちにある。マップ内を散策し、自分だけのベストポジションを探すといいだろう。 |
●サドンデスモード(MAP:フライス)
サドンデスは相手陣営をすべて殲滅し、可能な限り最後まで生き残るのが目的のモードだ。マップは衛星の内部という設定で円筒状の内部構造をしており、攻撃ルートが限定されている上、狭い屋内での戦闘となりやすい。デスマッチモードと違い一度撃破されると復活できないため、慎重に行動する必要がある。臆病なくらいが最高にちょうどイイ!かも。間違っても単独行動はしないこと。
▲被弾したら下がってVELOXに修理をしてもらおう。その際も安全な場所に誘導しないと、修理中に狙撃されてしまう。 |
●占領モード(MAP:スピアバレー)
A~Eまで5箇所の拠点がマップ上に配置され、制限時間内に半分以上の拠点を占領、または守りきれれば勝利となる。もちろんすべての拠点を攻撃側が占拠すれば、その時点でゲームは終了だ。拠点内に攻撃側のプレイヤーが進入すると占領ゲージが表示され、このゲージが満タンになれば占領成功となる。防衛側はこれを攻撃、排除し占領を防がねばならない。
スピアバレーは比較的障害物が少ないのが特徴で、占領あるいは防衛地点に素早く到達し、いかに敵をけん制、妨害できるかがポイントとなる。CβTではDUALを多めに投入し、装甲を閉じた状態で拠点に突入、高い防御力でひたすら敵の攻撃に耐えて占拠というプレイスタイルが多く見られた。
▲見晴らしの良い直線道路が多く、狙撃にはうってつけ。突入してくる敵を各個撃破できる。 |
一通りすべてのゲームモードをプレイした感想としては、各機体の役割が明確なため、初対面の16人が集まった状態にも関わらず、プレイヤー同士の見事な連携プレイを楽しめた。また、当たり判定が甘い上に武器を撃った後の反動によるブレがほとんどなく、VANGUARDやDUALでブーストをかけつつ狙ってもそこそこ当てられる。ベテランプレイヤーが一方的に蹂躙してゲームが終わるということが少なく、初心者でも戦いに参加しやすい敷居の低さは高く評価したい。もちろん、その一方でリアルさや再現性をシューティングに求めるプレイヤーには、少しものたりない内容かもしれないが。
対戦終了後には各チームごとに貢献度を基準に順位が表示され、経験値とポイントを獲得できる。このポイントは格納庫での新しいメイン/サブウェポンの購入と装着、機体の塗装といったカスタマイズをする際に消費する。武器は1日、7日、15日など使用期間によって必要なゲームポイントが異なり、30日ともなるとさすがに高額なポイント設定となっている。
毎日バリバリ戦闘に参加し、上位ランキングの常連プレイヤーならともかく、ビギナーの場合、一生懸命ためたポイントで購入した武器の使い勝手が気に入らないとガッカリしてしまう。そこでぜひ活用してほしいのがトレーニングモードだ。トレーニングモードはその名の通り、プレイヤーが1人で腕を磨ける訓練用の部屋なのだが、同時に気になる武器の試し撃ちもできる。初級、中級、上級の難易度がありNPC機体は実戦さながらに攻撃してくるので、購入前にしっかり試して武器の特徴やクセを掴んでおくとよいだろう。CβTでは選べる武器の種類がやや少なめなのが残念だった。
▲格納庫では現在、各機体が装着している武器を確認できる。プレイヤーの戦術に合わせてカスタマイズしていこう。 |
▲追尾機能がある武器は命中精度が高いが、ロックしきれないと発射できなかったり、射線上の障害物に命中してしまうなど欠点も多い。 |
『鉄鬼』はアクション性がそれなりに高いので、ある程度のプレイヤースキルが要求されるが、シンプルな操作性とエイミング(照準)のしやすさから、FPS/TPSのプレイ経験がない初心者でも、気軽に楽しめるタイトルだ。最初こそマップごとの立ち回りなどは戸惑うかもしれないが、1時間程プレイすれば一人前の兵士になれているはず。
メカが主役のゲームで、システムがいくら便利でも機体のデザインがかっこ悪いと興ざめだ。しかし『鉄鬼』に登場する機体はディティールにこだわった、重厚感あるグラフィックスに仕上がっている。カスタマイズ可能な範囲や種類が今後増えていけば、シューティング好きだけでなく、メカ好きプレイヤーも引き付けること間違いない。特に人気メカデザイナー明貴美加氏、石垣純也氏とのコラボレーション機体が実装される予定なので、今から待ちきれないほど楽しみだ。またグラフィックスの再現性が高いわりに、動作は軽くラグに悩まされなかった点も評価したい。
CβTでは機体やマップ、対戦モードなどに制限があったが、12月中旬予定のオープンベータテストでは8機体全種の開放、クランシステムと新マップが実装される。観測型や重量型など新たな性能を持つ機体が加わることで、戦術のバリエーションも増えさらに白熱した戦いを楽しむことができるだろう。今からOβTの開始が待ち遠しい、期待できるタイトルであることは間違いない。
【ロンメル プロフィール】 女の子キャラの出てこない戦闘ゲームが好きという、かなり硬派なゲームライター。最近気になるのは某Fの付くシリーズ作品最新作に手を出すかどうからしい。ところで『鉄鬼』にはちゃんと女性パイロットがいましたけど……? |
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