2010年1月2日(土)
本作の魅力の1つに、“妄想トリガー”という独特なシステムがあります。主人公の拓巳は妄想癖があり、辛い現実からすぐに逃避し、ひたすら自分に都合のいい妄想をしてそれに浸る、という癖があります。そんな拓巳の悪癖っぷりをシステム化したのが、この“妄想トリガー”です。
“妄想トリガー”が発動可能な場面になると、プレイヤーには3つの選択肢が与えられます。その選択肢とは“ポジティブな妄想をする”、“ネガティブな妄想をする”、そして“妄想をしない”の3つ。コントローラのLTを押すと、ヒロインが下着になったり、キスされたりとちょっぴりエッチな“ポジティブな妄想”が発動。逆にRTを押すと、ヒロインが死んでしまうなど“ネガティブな妄想”が発動します。
「オレはグロいイベントが好きだぜ!」とか「エッチなのがいいと思います」と、自分の属性によってプレイスタイルを変えられるのがおもしろいんです。さらに、物語が進むに連れ、妄想と現実の境界線があいまいになっていくドキドキのストーリーが素晴らしい。ストーリーは章仕立てになっているのですが、またイイところで章が終わるので、グイグイと物語に引き込まれていきます。次の展開が気になって、「あともう少しだけ」とついついプレイしてしまい、何度会社に遅れそうになったことか……。
▲特定の妄想を見ていく&妄想をしないことで、特別なルートに入れることも発売当時話題になりました(いろんな意味で(笑))。 |
それではここで、本作に登場するキャラクターの立ち絵と名前、担当声優をカンタンに紹介していきます。『メモリーズ オフ』シリーズでおなじみのイラストレーター、ささきむつみさんがキャラクターデザインを手掛け、松尾ゆきひろさんが原画を担当した可愛らしいキャラと、めちゃくちゃ豪華な声優陣に注目してください。
西條拓巳 CV:吉野裕行 | 咲畑梨深 CV:喜多村英梨 | |
蒼井セナ CV:生天目仁美 | 楠優愛 CV:たかはし智秋 | |
折原梢 CV:辻あゆみ | 岸本あやせ CV:榊原ゆい | |
西條七海 CV:宮崎羽衣 | 星来オルジェル CV:友永朱音 | |
8人のメインキャラクターをずらっと紹介してみましたが、どのキャラクターも本当に声優が豪華です。特に、主人公の西條拓巳を演じる吉野裕行さんの演技が素晴らしい。引きこもり一歩手前のオタク少年を見事に演じていて、「だが断る!」や「ふひひ……サーセン」などのネタ的なセリフの言い方ひとつとっても、クオリティがめちゃ高い。このゲームをプレイすると、必ず吉野さんのファンになると思います。僕の心の中では、勝手に(PC版発売時の)2008年声優アワードNo.1の声優さんですね!
一見すると、かわいらしいキャラクターが多く登場するので「ただのギャルゲーでしょ?」と思ってしまう方もいるはず。しかし、上の方でも言った通り、このゲームは“女の子といちゃいちゃする”のが主目的ではありません。あくまで、サイコサスペンスなストーリーが根底にあり、その過程で可愛い女の子が登場するだけです。
海外ドラマを意識して制作されたという、練りこまれたシナリオの本作をプレイしていただければ、きっとギャルゲーに対する考えも変わ……ればいいなぁ、なんて思いつつ、本紹介記事を締めたいと思います。3月25日には、本作の後継作『CHAOS;HEAD らぶChu☆Chu!』が発売されるので、『CHAOS;HEAD NOAH』をプレイして、新作に備えてみてはいかがでしょうか。(ごえモン)
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