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2010年2月27日(土)

まだまだ人気上昇中! PS3『アルトネリコ3』開発者インタビューを掲載!!

文:ゲゲン

注目の“パージシステム”はこうして生まれた!

――今回かなり話題になりました、“パージシステム”が生まれた経緯についてお聞かせ願えますか?

河内:それは……(笑)。

土屋:えーっとですね、これは……スタッフとの飲み会の時に、馬鹿話の中から生まれました(笑)。『2』の“お風呂”もそうだったんですけど、『アルトネリコ ファンブック ~オフラインでも手元にアルポータル(シャキーン!)~』(ソフトバンククリエイティブ刊)の後ろの方にスタッフコラムがありまして、その中で“てつくず”というスタッフが、おでん屋での話を書いています。実はそこでの会話が“パージシステム”の原型となったのですが、さすがにネタバレになってしまうので、当時は削ってもらいました。「脱げば脱ぐほど強くなるとか、すげーアルトネリコっぽくない?」みたいな会話もあって、その時はまだ「それは駄目でしょう(笑)」とか「それは行き過ぎだ!」みたいな感じで話半分でした。それを実際に企画書に書いたのが、それから3カ月後の話になります。

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▲パージする時に挿入されるムービー。ヒロインのすべての人格に専用のムービーが用意されている。

――ちなみに“パージ”を実装するにあたって、苦労された点などはありますか?

土屋:“パージ”に関しては、苦労されたのは河内さんですね(笑)。

河内:“脱げば脱ぐほど強くなる”というネタ自体は全然問題なくて、むしろウェルカムだったんですよ。『アルトネリコ』のコンセプトとしてはありだね、ってことで。ただ、どこまでやるかという部分があって、その見極めと、実際の調整が大変でした。中には「ここまでやられると……」という部分もあったので、その辺での部署間や会社間をはじめとした、多方面での調整に苦労しました。一番ミクロな部分では、僕と土屋さんの間での調整ですね(笑)。

――そういえば、超必殺技を使うと男性キャラも脱ぎますが……。

土屋:これはもう、最初からその予定でしたね。

河内:不公平にヒロインだけが脱ぐのではなく、前衛のキャラクターたちも同じパッションを持ってやりましょうってことになりました。超必殺技を使うなら、あからさまに晒けだしながら、みんなで頑張ろうよ、と。その答えの1つとして、あの形になりました。

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▲セイセイセイセイ!! 知的で落ち着いたレーヴァテイル専門医・光五条のまさかのふんどしスタイルに、きっと多くのファンが度肝を抜かれたはず。先生いわく「アレがグイッっと締め付けられて気がギュッと引き締まる」らしい。

――前の話との関連性が気になりますが、『3』からレーティングが、CERO B(12歳以上対象)からCERO C(15歳以上対象)に上がっていますよね。この変更の経緯についてぜひ教えてください。

河内:最初の2本がCERO Bでしたが、CERO Bという扱いをどうしようかというのは、『3』の構想初期の頃は、念頭に置いて悩んでいたこともありますね。ただ、本作よりPS3という新しいプラットフォームに移ること、元々応援してくれていたシリーズファンの方たちの年齢も上がっていること、そして、本作では『アルトネリコ』の表現というものをもっと突き詰めていこうと考えた時に、CERO Cを意識して開発するべきだろうなというのがありました。それは仕様を詰める段階の初期には、もう決まっていましたね。ですので、その後はCERO Cにあわせていろいろな表現の調整をしつつ、という流れでした。

――CERO D(17歳以上対象)というのは、視野に入りましたか?

河内:一応は前作がCERO Bだったので、いきなり2つ上がるのはどうかな~とは思っていました(笑)。ですので、もしもCERO D相当という判定が出ていたとしたら、どう動いたかはちょっとわからないですが、ガストさんの方には「はじけてもらうのはいいけど、目標としてはCERO Cに収まるように意識してください」とはお願いしていましたね。

――なるほど(笑)。ちなみに、表現方法とかを調整するにあたり、大変だった点などはありますか?

河内:キャラでいうと、ユリシカが一番難航しましたね(笑)。特に、“パージ”4段階目の一番“薄い”状態で、さらにムービーで動いているという部分については、本当に何度もリテイクしました。これは社内でも何度もチェックしましたし、SCEさんとも相談させていただきました。

ユリシカ(パージ前) ユリシカ(パージ後)
▲ヒロインの1人・フィンネルの別人格。豊富な知識を持ち、様々な文明の利器を駆使してフィンネルをサポートする。▲こちらがユリシカの“パージ”後の状態(これで第3段階)。惑星からのエネルギーを効率よく受け取るため、このような姿になっている。

――次世代機での作品らしく、マップやキャラも3D化されましたが、3D化に際して苦労された点を教えてください。

土屋:苦労したところでいうと、3Dは表現の可能性もすごくあるのですが、作業量もものすごく増えるという点ですね。特に、イベントシーンの制作が大変苦労しました。2Dでの制作も非常に大変ではありましたが、3Dだと、絵的なごまかしがきかなかったりする面などもあったりして、今まで以上に、力を入れて作り込みました。制作時間で考えると、イベント1個を作るのに、『2』以前と比べると何倍も時間がかかっていたりします。これは、カメラ視点1つで見え方もまったく変わってしまい、格好よくなったり、逆に格好悪くなったりというのがあって、そこでかなりトライ&エラーが発生したというのも影響していますね。

――逆に3D化して楽だった、よかったと感じた点についてはどうでしょうか?

土屋:動きのかわいさなどが格段によくなりましたね。2Dの時もよかったですが、3Dだと、より生き生きとしています。それと先ほどもありましたが、演出によってカメラ視点を変えてあげるだけで、ぐっと見栄えがよくなったりします。あとは、ちょっとしたお遊びが楽でしたね。例えばサキの踊りとかですが、ああいうちょっとした動きにしても、2Dだと全部ドットを打っていかなければいけませんが、3Dだと基本的には同じキャラの骨組みやモデルを使って、あとはモーションを調整していけば作れるので、動きの数も『1』と『2』より増え、表現力が格段にあがったと思っています。

河内:あとは、『アルトネリコ』って塔の話なので、“縦の世界”を表現するというところでも、3Dでアングルをバシッと決めることによって、表現できた部分もありますね。そういう面でも、かなりプラスの効果があったと思います。

土屋:そうですね。すごく高いという印象は、やっぱり3Dじゃないと出せませんので、その辺も3Dにしてよかった点ですね。『1』と『2』も、それで本当に苦労しましたので。

画面写真 画面写真
▲こちらが話題にあがった、サキが踊るシーン。その独特の動きは、演出と相まってかなりのインパクトが。▲こちらは塔からの風景。その圧倒的な景観に、息をのむこともしばしば。

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(C)GUST CO.,LTD. 2006 (C)2006 NBGI
(C)GUST CO.,LTD. 2007 (C)2007 NBGI
(C)GUST CO.,LTD. 2010 (C)2010 NBGI
※画面は開発中のものです。

データ

▼『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く オリジナルサウンドトラック』
■発売元:ガスト
■販売元:ティームエンタテインメント
■品番:KDSD-10044~45
■発売日:2010年1月27日
■価格:3,360円(税込)
 
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▼『咲夜琉命~SAKIYA=RUMEI Ar tonelicoIII hymmnos concert side. 蒼~』
■発売元:ガスト
■販売元:フロンティアワークス
■品番:GUSTCD-10001
■発売日:2010年1月27日
■価格:3,150円(税込)
 
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▼『珠洲ノ宮~SUZUNO=MIYA Ar tonelicoIII hymmnos concert side. 紅~』
■発売元:ガスト
■販売元:ティームエンタテインメント
■品番:GUSTCD-10002/KDSD-10043
■発売日:2010年1月27日
■価格:3,150円(税込)
 
■『珠洲ノ宮~SUZUNO=MIYA Ar tonelicoIII hymmnos concert side. 紅~』の購入はこちら
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▼『アルトネリコ3 hymmnos concert 【ヒュムノケース3同梱版】 [Deluxe Edition]』
■発売元:ガスト
■販売元:Amazon
■品番:GUSTCD-10001
■発売日:2010年1月27日
■価格:6,700円(税込)
 
■『アルトネリコ3 hymmnos concert 【ヒュムノケース3同梱版】 [Deluxe Edition]』の購入はこちら
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