2010年4月2日(金)
ここからは、実際にグランプリに参加したマナの泉のライター・ゆばのレポートをお伝えする。
『MTG』には“プレミアイベント”として開催される“グランプリ”や“プロツアー”などの大規模な大会がいくつかある。しかしこのグランプリは、それ以外のプレミアイベントとは異なり予選などがなく、誰でも参加できる大会となっているのが特徴だ。それならばぜひ出場してみようということで、今回はデッキを携えて横浜入り。
グランプリ横浜は“エクステンデッド”と呼ばれる形式で開催された。エクステンデッドとは、過去7年間に発売されたカードを使ってデッキを組み、トーナメントを行う形式のこと。今回は参加選手も多かったためか、1日目では全9回戦が行われた。ここで7勝以上した選手が翌日へコマを進めることができる。
筆者が用意したデッキは赤青の“集団意識”というデッキ。これは『基本セット2010』に収録されているエンチャント《集団意識》と、3年前に発売されたセット『未来予知』に収録されている“契約”と呼ばれるカード群を組み合わせた瞬殺コンボデッキだ。
▲いずれかのプレイヤーが唱えたインスタント、ソーサリーを全員がコピーするようになるエンチャント。「対戦相手がコピーする」という点が非常に重要。 | ▲“契約”という呪文は0マナで唱えることができるが、次の自分のターンにコストの支払いを求められ、支払えなければ強制的に敗北となる呪文だ。 |
このデッキの動きは非常に簡単で、まず《集団意識》を戦場に出す。そして《タイタンの契約》、《召喚士の契約》といった“契約”呪文を唱える。これだけだ。
戦場に《集団意識》がある状態でこの呪文を唱えると《集団意識》の効果で“契約”呪文がコピーされ、対戦相手も“契約”呪文を唱えたことになる。そこでこちらがターンを終了すれば、対戦相手は“契約”呪文のコストの支払いを求められ、たいていの場合は支払えずに敗北するという寸法だ。
また、このコンボは対戦相手が十分なマナを出せないうちに決める必要があるため、デッキにはマナを出す《煮えたぎる歌》や《炎の儀式》などの呪文を採用している。加えてコンボのキーとなるカードをそろえるために、《留まらぬ発想》のようにカードを引く呪文も投入。
そして、今回のグランプリ本戦で使用したデッキのレシピはこちら。
<土地 17枚> 6 《島》 2 《山》 2 《蒸気孔》 1 《神聖なる泉》 3 《乾燥台地》 2 《沸騰する小湖》 1 《トレイリア西部》 <クリーチャー 7枚> 1 《幻の漂い》 2 《天上の案内者》 4 《猿人の指導霊》 |
<呪文 36枚> 4 《思案》 2 《時間の把握》 4 《留まらぬ発想》 2 《差し戻し》 4 《否定の契約》 4 《集団意識》 4 《タイタンの契約》 4 《炎の儀式》 4 《煮えたぎる歌》 2 《魔力変》 2 《召喚士の契約》 <サイドボード 15枚> 2 《呪文貫き》 1 《ジュワー島のスフィンクス》 1 《死亡/退場》 1 《血染めの月》 1 《月の大魔術師》 3 《炎渦竜巻》 3 《貪欲な罠》 3 《翻弄する魔道士》 |
サイドボードのカード選択は、エクステンデッドにはコンボデッキが複数あるということで《翻弄する魔道士》と打ち消し呪文の《呪文貫き》を採用。あとは3色、4色のデッキに対して有効な《血染めの月》、《月の大魔術師》と、クリーチャーデッキ全般に効く《炎渦竜巻》、《死亡/退場》、墓地を活用するデッキに対して《貪欲な罠》、追加の勝ち手段として《ジュワー島のスフィンクス》というもの。
そして、いよいよグランプリ開始。まず9回戦を行い、7勝2敗以上の成績をあげられれば2日目のトーナメントに出場できるというアナウンスが流れる。はたしてこのデッキで2日目へと勝ち進めるのだろうか? 多少の不安を抱きつつ1回戦のテーブルへ。
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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]