2010年4月13日(火)
皆さんこんにちは。角川書店から4月22日に発売予定のPSP用AVG『ひまわり -Pebble in the Sky- Portable(以下、ひまわり)』のプレイレポートを、ライターのミントがお届けします。サブタイトルの末尾に“Portable”とある通りPSP移植版ですが、原作をご存じない方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、『ひまわり』は“ぶらんくのーと”という同人サークルが2007年に頒布した同人ゲームなので、普通のゲームショップでは販売されていません。しかし、ユーザーの多くがシナリオとキャラクターに魅了され、口コミによってつぎつぎとファンが急増。すでにドラマCD化やコミック化など、さまざまなマルチメディア展開も行われています。またコンシューマ版となる本作では、豪華キャストによるフルボイス化に加え、外伝作品の『こもれび』&『かげろう』も収録されており、いっそう深みを増した『ひまわり』ワールドが楽しめますよ♪ ……あ、ちなみに、これから電撃オンラインの美少女情報コーナー“G-net”で、毎月1本ギャルゲーのプレイレポートをお届けしてく予定です。なので、ギャルゲー好きな方は、ぜひチェックしてください!
▲こちらが本作のタイトル画面。 |
本作の舞台は2050年の近未来。街並みや生活レベルは現代と比べて大差ありませんが、宇宙開発が大きく進歩しているのが特徴ですね。ただし、2048年に旅客機の事故によって英雄的な宇宙飛行士が死亡し、現在の宇宙開発は停滞気味のようです。その事故の唯一の生存者であるのが、主人公・日向陽一(ひなたよういち)。彼は事故のショックで記憶を失ってしまうも、なんの因果か宇宙に熱い思いを馳せ、友人とともに“宇宙部”を結成。ロケット作りに励む毎日を送っています。
▲右の少年が主人公の陽一。事故によって家族と記憶を失ってしまったものの、現在はある程度回復して気ままな1人暮らしを送っています。 | ▲宇宙部といっても実際に宇宙に行けるほどの技術はありません。っていうか、学校のグラウンドでロケットを飛ばして大丈夫なんでしょうか!? |
そんなある日の夜、UFOらしきものが地上へ落下します。現場へ駆けつけた陽一が恐る恐るハッチを開くと、中には意識を失った少女の姿が! しかも、アリエスと名乗るその少女もショックで記憶を失っており、アリエスを他人と思えなかった主人公は自宅にかくまってあげます。
▲主人公自身もハッチを開けてから「エイリアンでも居たほうがまだ現実味があった」と言っていますが、エイリアンがいたらどうする気だったんだ、とつい突っ込みたくなります(笑)。 |
同棲生活が始まってからは、アリエスの面倒を見たり、幼なじみの尻に敷かれたり、ロケット作りに励んだり……といった、慌しくも楽しげな日常が描かれつつ、主人公の過去やアリエスの正体にまつわる秘密が、徐々に明きらかになっていきます。
▲料理や洗濯をはじめとした日常的なシーンから、花見や花火などの季節感漂う催し、さらにはサバイバルゲームや屋敷探検(?)といった一風変わったものまで、バラエティ豊かなイベントが発生します。 |
ここまで読むと普通のラブコメっぽく見えますが、これは複数あるエピソードの1つであり、本作の一面に過ぎません。エピソード1のラストでさらなる展開をにおわせてあって、エピソード2では時間軸の違う物語が展開し、その後もエピソード3、4と続いていきます。複数あるエピソードの中でさまざまな事実が浮かび上がっていく――そんな厚みのあるSF的展開こそが本作の魅力ではないでしょうか。
▲冒頭のCGと見比べれば一目瞭然(りょうぜん)ですが、エピソードに合わせてタイトル画面も変わります。また、1章のエピローグでは、2章の予告ムービーが観られるので、そちらも要チェックですよ! |
また、バッドエンドを利用した演出も秀逸です。本作では選択肢を間違えるとあっさりバッドエンドを迎えてしまいますが、それによってその瞬間の緊張感やキャラクターの心情が深みを増して伝わります。さらに、バッドエンドを見ることでTIPS(本編の補完やパラレル話を描いた小話)が開放されるので、ぜひすべてチェックしてほしいですね。
▲イラストこそ抽象的ですが、怪奇的なバッドエンドが多めでホラーやサスペンス好きにはたまらないかも? ちなみに、バッドエンドになってもすぐに前の選択肢に戻れるので、セーブを忘れても安心です。 |
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