2010年4月29日(木)
新作旧作問わず、さまざまなミステリー・ホラー・サスペンス系のアドベンチャーゲームを紹介していく“まり蔵探偵事務所”。今回は、5月13日にKONAMIから発売されるDS『TRICK DS版 ~隠し神の棲む館~(以下、TRICK DS版)』の開発スタッフに、所長のまり蔵がインタビューを行いました。
『TRICK DS版』は、人気ドラマシリーズ『TRICK』を題材にした推理アドベンチャーゲーム。ドラマ制作陣が監修する完全オリジナルのシナリオで、ゲームの開発は『神宮寺三郎』シリーズでおなじみワークジャムが行っています。プレイヤーは、自称売れっ子天才マジシャン・山田奈緒子や、天才物理学者・上田次郎となって、東北の山村“水納守村(みなかみ)”で起こる怪奇現象の謎を解くことに。事件に関する証拠や証言は“カード”として収集することができ、それらを使って推理をめぐらしながら、さまざまな事件を解決していきます。
今回お話を伺ったのは、KONAMIのプロデューサー・岡村憲明さんと、ワークジャムの西山英一さん。作品を制作することになった経緯から開発時の苦労まで、さまざまなことを話していただきました。推理アドベンチャーに対するこだわりもたっぷりと語ってくださったので、ぜひご覧ください!(インタビュー中は敬称略)
KONAMI プロデューサー これまでにかかわってきたタイトルは、『METAL GEAR SOLID PORTABLE OPS』、『ときめきメモリアル』ドラマシリーズ、『株式売買トレーナーカブトレ』シリーズなど。『TRICK DS版』ではプロデューサーを務める。 |
ワークジャム 取締役 ワークジャムの取締役。『探偵神宮寺三郎』シリーズや『テレジア』シリーズのプロデュースを手掛ける。『TRICK DS版』では、開発マネージャーとして、品質管理や予算工程管理、外部スタッフ渉外などを担当。 |
――人気ドラマ『TRICK』をゲーム化することになった経緯を教えてください。
岡村:ドラマの『TRICK』が今年10周年ということで、現在“TRICK大感謝祭”という形でさまざまなことが展開しています。スピンオフドラマの『警部補 矢部謙三』が放送中だったり、ゴールデンウィークには『劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル』が公開されたり。そのお祭の一環として、『TRICK』をゲーム化しましょうという話が、テレビ朝日さんとKONAMIの間で決まりました。
――制作はワークジャムさんが担当なさっていますよね。
岡村:今回『TRICK DS版』で僕がやりたかったことが、“ゲームとしてちゃんと作る”ことだったんです。きちんとした推理アドベンチャーゲームを作りたいと考えた時に、筆頭に挙がったのがワークジャムさんでした。この手のタイプのAVGでちゃんとした作品をしっかり作れるメーカーさんというと、ワークジャムさんだろうと。
西山:もともとKONAMIさんとは、『神宮寺』のケータイ配信などでお仕事をさせていただいておりまして、岡村さんとはかなり以前から「機会があったら一緒に仕事をしましょう」と話していたんです。
岡村:もう十何年も前からですよね! そういうこともあって今回のお話をしたら、ぜひやりましょうとおっしゃっていただきまして。
西山:ようやく今回お仕事ができました。ワークジャムにとっても、『神宮寺』シリーズ以来のアドベンチャーをちゃんと作るということで、非常にモチベーションの上がるプロジェクトでした。
――ターゲット層は、やはりドラマの『TRICK』を見ていた人になるのでしょうか?
岡村:まずはそうです。ただ、一度市場を調査した時の結果として出てきたんですが、ほぼ皆さん『TRICK』を知っているんですよね。ドラマの認知度が非常に高いので、『TRICK』ファン以外のゲームのファン――推理ゲームのファンの人たちを捕まえようと考えた時、ワークジャムさんが制作していることは、僕らにとってよいゲームを作っていただけると同時に、1つのセールスポイントでもあると考えました。
――プラットフォームにニンテンドーDSを選ばれた理由は?
西山:『TRICK』を見ている方が一番持っているハードを考えた時に、やはりDSなんじゃないかなという結論に至りました。いろいろと選択肢はあったんですが、DSだろうと。DSはテキストアドベンチャーとの親和性が高いですから。
▲『TRICK』10周年を記念した“TRICK大感謝祭”の1つとして発売される『TRICK DS版』。今作では、奈緒子&上田の名(迷?)コンビが、東北の山村“水納守(みなかみ)村”で起こる“超常現象”のトリックを解明していく。 |
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