2010年5月28日(金)
はいはい! ここでは私、ヨースケが『ファイナルファンタジー7(以下、FF7)』の魅力を隅から隅まで語りつくしていく所存なので、耳をかっぽじって聞きやがれ! ……いや、聞いてください、お願いします。
さかのぼること13年前、1997年1月31日にPS用ソフトとして発売された『FF7』は、新しい時代を感じさせる圧倒的なグラフィックで日本中のゲーマーを虜にしました。当時の僕はギリギリランドセルを背負っていたころでしたが、発売直後の学校では、右も左も『FF7』の話題で持ちきりでしたよ。
当時まだPSを持っていなかった僕は、いてもたってもいられなくなり、親に泣きついて本体と『FF7』を買ってもらい、むさぼるように遊んだ思い出があります。こんなゲームがわずか1,500円で遊べ、携帯機で遊ぶこともできる! いい時代になったものよ……。
ちなみにゲームアーカイブスで配信されているのは、正確に言うと『ファイナルファンタジー7 インターナショナル』であり、これは『FF7』を海外で発売する際に調整された部分を逆輸入したバージョンです。イベントやアイテム、隠しボスなどが追加されているので、通常の『FF7』しか遊んでない人は、本作をプレイしないとちょっともったいないですよ!
●動画:『FF7』ゴールドソーサーのバスケゲームで44回連続ゴールに挑戦
『FF』シリーズというと、毎度毎度ユーザーのド肝を抜く超美麗なグラフィックが話題を呼びますが、そのイメージを決定付けたのは、他でもないこの『FF7』ではないでしょうか。
ハードをスーパーファミコンからPSに移して発売された『FF7』の映像は、日本中のゲーマーの目をひんむかせました。目の玉が飛び出ました。キャラクターは今までドットで描かれていたものが3Dになり、マップもCGで描かれたものに。そして、ゲームとは思えないほど美麗かつ大迫力なCGムービー! なにもかもが美しく、ため息がもれるほどでありました。
▲随所に挿入される映画のようなCGムービーが流れるたびに、僕は画面にめりこむように見入っていました。 |
▲3Dになったことで、イベントの臨場感、バトルの迫力が大幅にグレードアップ! それまであったRPGの常識を覆しました。 |
ファンタジーを直訳すると幻想。『FF』シリーズは剣や魔法を使い、幻想的な世界を冒険し、ゴブリンやらドラゴンやらモルボルやらを倒していくゲーム。ざっくりと言えば、誰もがそんなイメージを抱いていたことでしょう。
しかし、『FF7』の世界観はちょっと違う。あくまで現実的ではないファンタジー要素が根幹にありつつ、しかしその世界にはバイクや自動車があったり、地下鉄が走っていたり、携帯電話があったりと近代的な機械がチラホラと。今までのようなコテコテのファンタジー路線から脱却し、近代的な文化を持ちつつ、それでいて魔法やモンスターの存在を違和感なく溶け込ませた、まったく新しいファンタジー世界を『FF7』が作り上げました。
▲フツーにトラックやらエレベーターやらが出てくるなんて、それまでの『FF』では考えられませんでしたよ! |
そして本作の敵となる存在も、過去のシリーズ作品とは趣が異なります。神羅カンパニ-。その名前が示す通り、企業でございます。
悪の秘密結社でもないし、魔王でもない。彼らは今までの人間を超越したような存在ではなく、あくまで主人公たちと同じ人間なのです(一部例外アリ)。『FF7』の情報が出るまでは、普通の人間(それも会社員)と本気で戦うことになるとはなかなか想像できなかったのではないでしょうか。
▲敵の本拠地・神羅カンパニー! どう見てもただの会社なんですが。ロッカーとか、トレーニングルームとかあるけど、敵の本拠地なんだ! |
本作の魅力の大部分を支えているのが、キャラクター。野村哲也さんがデザインした『FF7』のキャラたちは、カッコいいキャラはとことんカッコよく、女性キャラはみんなかわいく、オッサンキャラはどこまでも渋い!
心理描写も過去作よりさらに細かくなり、皆、人間味あふれるキャラばかりでした。では、本作のメインキャラたちを紹介していきましょう。
●クラウド
ツンツンの金髪と巨大な剣がトレードマークの、言わずと知れた『FF7』の主人公。“ソルジャー”の一員だった過去を持つ……のだが、実はその記憶は偽りのものであり、実際は一般兵にすぎなかった上、ソルジャーへの適正もなかった。偽りの記憶に気付いた後、自分自身を見失うことになるが、仲間の助けによって立ち直る。年齢は21らしいですが、いつの間にか僕より年下になっていた。ホントにいつの間に……。
▲ゲーム中盤に判明する、クラウドの衝撃的な過去。2周目を遊んでいると、張りめぐらされた伏線にうなること間違いナシです。 |
▲序盤はクールな態度が目立つ彼だが、時折ブッ飛んだ発言や、行動をすることも。この辺りも、人気のヒミツか? |
●ティファ
クラウドの幼なじみでもある彼女は、クラウドのことを誰よりも信頼し、また心配もしている。中盤、意識不明に陥ったクラウドに対して、健気に付き添う姿が印象に残りました。スタイルがいい上に露出も多く、多くの思春期の少年たちを魅了した(多分)。当然、僕も魅了された。
▲そんな彼女ですが、気の強い面も。スカーレットとのビンタ合戦で、ティファに惚れました。 |
●エアリス
古くから星に住んでいた種族“古代種”の末裔であり、それゆえ神羅カンパニーに狙われている。伍番街にある教会でクラウドと出会い、以後は行動をともにすることに。
▲つらい過去を抱えながら、それを感じさせない強さを持つ。 |
●セフィロス
伝説のソルジャー。神羅カンパニーに進入したクラウドたちの前に姿を現し、プレジデント神羅を殺害する。その後、どこかへ消えたセフィロスを追って、クラウドたちは旅をすることになる。
▲昔はいい人っぽかったんですが……。回想シーンでは味方として、圧倒的な強さを見せてくれます。 |
他の仲間もみんないいキャラばかりでしたね。神羅に復讐を誓うバレット。クールな人かと思いきや、実はやんちゃな少年だったレッドXIII。神羅のスパイだったけど、最終的に仲間になったケット・シー。口は悪いけどアツいオヤジのシド。棺桶で眠っていたヴィンセント。ニンジャの末裔のユフィ。
セーブポイントをトラップに使う狡猾(こうかつ)なユフィ。仲間なのにマテリアを盗んで逃げだしたユフィ。頑張っても頑張ってもなかなかゴールドソーサーでデートさせてくれないユフィ。彼らはみんな個性たっぷりで、プレイヤーによってそれぞれ気に入るキャラが必ずいることだと思います。僕? 僕は……、みんな平等に好きかな。うん。
▲仲間1人1人にそれぞれアツいドラマがあるのです。最初に遊んだ時、ヴィンセントの存在に気付かずクリアしたのも、今ではいい思い出。 |
仲間だけでなく、敵役にも個性的なキャラがてんこもり! 神羅カンパニーには社長のルーファウスをはじめ、「ガハハハハ!」と笑うハイデッカーや「キャハハハハ!」と笑うスカーレット、マッドサイエンティスト・宝条など、魅力的な悪役が勢ぞろいでした。
そして忘れちゃいけない、いや、忘れられないのが“タークス”の面々。「~ぞ、と」が口癖で、常に飄々(ひょうひょう)としているレノ、無口でスキンヘッド&グラサンのルード、真面目な新人イリーナ、そしてリーダーのツォン。彼らは敵でありながらユニークな面も持ち合わせ、時にはクラウドたちと協力することもあり、憎めない愉快なヤツらでした。
▲神羅カンパニーの人間なので当然敵なんですが、彼らが出てくるとなぜか心がゆるみます。いわゆる、癒し系なのか? ゆるキャラというやつか!? |
▲他には、こんな人たちもいましたね。神羅カンパニーは、重役以外はいい人が多かった気が。 |
戦闘システムは、『FF4』からの流れを引き継ぐATB(アクティブ・タイム・バトル)システム。戦闘中は常に時間が流れていて、ATBゲージが溜まった仲間からコマンドを入力していく、緊張感あふれるシステムです。
この戦闘システム自体には過去作から大きな変化はないのですが、やはり3Dになったことで迫力が倍増! 敵も味方も行動に応じていろんな動きを見せてくれるし、視点もあれこれ変化するし、当時はこれまた見入りっぱなしでした! 学校の掃除の時間にホウキを使ってクラウドの勝利ポーズをマネした、僕のようなピュアな少年が日本全国に発生したことと思います。
▲巨大モンスターのド迫力は3Dならでは! ちなみに音楽もグッドです。中ボス戦で流れる『更に闘う者達』を聞いたら、燃えずにはおれぬ! |
そして『FF7』のバトルに欠かせないのが“リミット”! これは戦闘中にダメージを受けるとリミットゲージが蓄積していき、そのゲージがフルになるとリミットブレイク状態になり、各キャラ固有の“リミット技”が使えるようになるというもの。いわゆる必殺技ですね! これがまた、リミット技の数々が非常にカッコよく、プレイヤーはその迫力、威力に酔いしれることになりました。
中でも、クラウドの最強リミット技“超究武神覇斬”のインパクトは、ゲーム中、最大級のソレでした。「え? コレなんて読むの? わわ! スゲェ! めっちゃ斬(き)ってる、めっちゃ斬ってる! めっちゃ……、ま、まだ斬るの!?」と目を白黒させたのを今でも鮮明に覚えています。学校の掃除の時間にホウキを使って超究武神覇斬をマネして友だちに斬りかかり、先生に怒られた僕のようなピュアな(以下省略)。
▲派手な演出と威力がリミット技のウリ! みなさんはどのリミット技が好きですか? |
ジョブシステムや魔石システムなど、新作が出るたびに画期的なシステムを発明する『FF』シリーズ。本作も例外ではなく、“マテリアシステム”という新システムを生み出しました。これは、武器や防具のスロット(穴)にマテリアと呼ばれるアイテムを装着すると、魔法やさまざまなアビリティが使えるようになるというもの。
マテリアには独立系、魔法系などいろんな種類があり、連結したスロットに組み込むマテリアの組み合わせでアビリティを強化することができました。誰しもマテリアが増えるにつれ、あれこれ組み合わせに悩んだことでしょう。これによって、武器や防具はただ能力が高ければいいというわけでもなく、スロットの数、連結穴の数なども重要になりました。
▲シリーズでおなじみの“ぬすむ”や“なげる”といったコマンドも、マテリアを装着すれば誰でも使えます。 |
▲これまたシリーズおなじみの召喚獣も、本作ではマテリアに。バハムートに至っては3種類も登場し、改、零式とパワーアップするにつれ、威力も演出も激しくなっていきました。 |
『FF7』は当時としては異例のCD-ROM3枚組で発売され、その膨大なボリュームにプレイする前からワクワクさせられたものです。すでに語ったCGムービーや3Dで描かれたマップ、そしてクラウドたちの星を救う壮大な旅を体験すればするほど、そのボリュームを感じました。
そしてそして、『FF7』では、本来オマケ要素であるハズのミニゲームも異常なボリュームで搭載されていました。スノーボード、潜水艦、チョコボレースなどなど、「もうこれだけで1本のゲームが作れるんじゃね!?」というぐらい、しっかりとしたミニゲームがたくさんあったのです。これらのミニゲームがたくさん楽しめるゴールドソーサーに入り浸ったユーザーは、さぞ多かったに違いありません。メテオが落ちてこようが、ウェポンが復活しようが、延々ミニゲームを極めんとする漢・クラウドが全国にいたことでしょう。
▲当然僕もハマりました。お気に入りはGバイクとスノーゲーム。 |
いや~、ずいぶん長々と語ってしまいました。ナイツオブラウンドのありえない威力とか、エメラルドウェポンの強さとか、ユフィとのデートイベントとか、正直まだまだ語りたいことはあるんですけど。しかし、今回記事作成にあたって約13年ぶりに再プレイしたんですけど、つくづくこれが13年前のゲームとは思えないなぁ……。再来年あたり、15周年記念でリメイクとかやりませんか? スクウェア・エニックスさん!!(ヨースケ)
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