2010年5月26日(水)
なんか……いっぱいコンテンツありすぎて、紹介するのに息切れしてきた……。長いことお付き合いいただいてすいません。もう少しです。もう少しで終わります! ハァハァしながら読んでもらえてるんでしょうか。「もういいよ、わかったよ、あとは買って読むよ!」って方もいらっしゃるでしょう。も、ほんと恐縮です。
さて、本書には書き下ろしのショートストーリーが10編収録されているのですが、その中にはシナリオライター・菊地はなさんによる海岸の街のエピソードもあります。
▲海に住まう者たちの物語。内容は……読んでのお楽しみです。 |
サントラを聞きつつ、この本を読む。そして気持ちが盛り上がったら、またゲームにかえる……そういうループもアリかと。頭の中に新しい知識が入ることで、きっとまた違う視点を持って作品を遊べると思います。
そうだ、サントラといえば! こちらについても、かゆいところにしっかり手が届く感じの内容を掲載いたしました。数あるトラックの中で唯一、現代言語で歌われている『Ashes of Dreams/English Version』について、歌詞を掲載しています。気になる方は、和訳も含めてぜひご覧ください!
まだ読むとこ、あります!! 巻末の方には、ディレクター横尾太郎氏、シナリオライター名取佐和子氏、小説家映島巡氏による鼎談を収録しました。やー、もー、ホントに……豪勢であるな!
▲鼎談のボリュームは、およそ2万字! 言いたい放題のその内容に、まとめるライターも苦心した。校正時の1枚。 |
“ゲシュタルト計画”の設定についての質問や、シナリオに含まれていた作り手の意図、エンディングに関する考察など、コアなファンが知りたい話題ばかり! 目の赤い人も、脳がちょいと腐ってる人も、いろんなタイプの方に読んで楽しんでもらえる内容になっているかと思います。裏話もたっぷり収録しておりますので、字はかなり小っちゃいですが、頑張って読んでいただければ幸いです。
ショートストーリーや鼎談の内容、明かされる裏設定には、いろいろな意味で衝撃を受ける人もいるかもしれません。ゲームをプレイしていてほのぼのと描いた夢にキズやヒビが入ってしまう、なんてこともあるかもしれません。私自身、本書の作業をしながら、2周目を遊んでる時の「知らないほうが何も考えず幸せでいられた」かのような感覚をふと思い出すこともありました。
開発スタッフが以前に制作した『ドラッグ オン ドラグーン』は、これでもかと五月雨のごとく狂気が描かれ、弾幕のように回避することのできない絶望まできっちりシナリオに内包した作品でした。『ニーア』はそれとは異なり、本作においてゲーム中で“あえて”描かれなかった部分を知るということは、「自ら望んで得る希望と絶望」ということになります。ある意味でそれが強制ではないことを考えると、本書を手に取り資料パートを読むという行為は、本作でユーザーを揺さぶった“最後の選択肢”にも近いのかもしれません。
▲鼎談のはじまりには、このような注意書きをさせていただきました。 |
それでも読みますか?
・はい
・いいえ
これはゲームのそれではなく、あなたの人生の中にある、数ある選択肢の1つです。
こんなところまで長々と読んでいただいて、本当にありがとうございます。本書については予想を上回る反響をいただいていて、制作したスタッフ全員「ありがたいことだなぁ」としみじみ思っております。
私たちは宝物を作るような思いで、この本を作りました。『ニーア』という生まれたばかりの小さな子を預かって大事に育てるようなイメージで、必死になって駆け抜けた約1カ月の制作期間。横尾さんをはじめとするキャビア開発チームの皆さんと、スクウェア・エニックスの皆さんの協力がなければ、こんなにも“濃い”本にすることはできなかったことでしょう。
本の中は、さまざまな意味で時間が止まっています。気軽に更新することもできない、不便な代物。だからこそ、そこには揺るぎないものもある、残っていく、そう信じて作りました。1,400年後に、誰かが木箱の中から見つけたりするかもしれないし。ね?
皆さんに、本でしか楽しめない空気と時間を味わってもらえたら何よりです。もっともっと、皆さんの中で『ニーア』という作品が大切なモノになる──本書が、そのお手伝いとなるよう祈りつつ……。では。(サガコ)
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