2010年5月28日(金)
この夏、『HELLGATE』が復活する。PCゲームにおける不朽の名作『Diablo』のプロデューサー、ビル・ローパーが鳴り物入りで世に送り出し、そのゲーム性が高く評価されながらも、セールス的には早期に失速してしまい、多くのゲーマーに惜しまれた『HELLGATE: London』。この作品がハンビットユビキタスエンターテインメント(以下、HUE)のもとで、装いも新たに再スタートするのだ。6月11日から開始予定の、テスターを300人強に絞り込んだ“評価改善テスト”が、その皮切りとなる。
かつての『HELLGATE:London』は、ビジネスプランニングの過程で、アジア市場重視になっていったにもかかわらず、ソロプレイモードおよび多段階の難易度設定を備えたパッケージゲームとして発売。月額課金者のみがコミュニティ機能や最高難易度のモードを楽しめるという、やや変則的な形でサービスされた。これをごくおおざっぱに言えば、『Diablo』から『Guild Wars』へと繋がっていく“欧米的”なサービススタイルだったといってよい。ゲーム性が高く評価されるいっぽう、アジア地域で早期にプレイヤーが離れてしまったのは、この“コンテンツ消費に対する感じ方、考え方”の違いが大きかった。すっきりクリアして満足できてしまうオンラインゲームというのは、アジアのビジネスでは大変難しいのだ。
日本で新生『HELLGATE:London』をスタートさせるHUEは、いったいどんな方針で臨むのだろうか? コンテンツとしての性格付け、サービス形態も含め、どんな作品に変えていくのか、代表取締役CEO 金裕羅氏に話を聞いた。
また、本記事後半にはゲーム概要の解説と、『HELLGATE Resurrection』に近いバージョンを実際体験してきたので、そのスクリーンショットとあわせてご覧いただきたい。
──本日はよろしくお願いします。過去の『HELLGATE: London』日本語サービスについては、HanbitSoft本体でなく、バンダイナムコゲームスさんにライセンスされていましたよね? もちろんそのときのサービスは、ずいぶん前に終わっているわけですが。
▲HUE代表取締役CEO 金裕羅氏。 |
HUE代表取締役CEO 金 裕羅氏(以下、金 裕羅氏):そのとおりです。ですが契約関係は昨年中にすべてクリアーになり、現在すべてのIP(知的所有権)は韓国HanbitSoftにあります。ご存じのように『HELLGATE:London』は、ビル・ローパー氏の会社FlagShip Studioの開発作品ですが、韓国や中国でのサービス権はもともとHanbitSoftが持っていました。韓国でサービスが開始されたのは2年ほど前、T3 EntertainmentがHanbitSoftの買収を検討していた頃です。
──T3 Entertainmentにいた金社長としては、近々自社のIPになる作品ということだったですね。韓国における『HELLGATE:London』の評判はいかがでしたか?
金 裕羅氏:最初は大きな評判を呼び、同時接続者数は数十万というオーダーでしたが、その数字はしばらくすると急速に低下してしまいました。かなりバグが残っていた、ゲーム内でできることが限られていたなど、具体的な問題点がいろいろありました。だいたい1か月くらいは非常に楽しんでもらえたのですが、その先になるとコンテンツがなく、アップデートも追いつかなかったのです。つまり、オンラインゲームとして継続的にサービスしていく体制に欠けていたということですね。
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■『HELLGATE(仮)』評価・改善テスト概要