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2010年6月3日(木)

3DとFPSは相性がいい? 『KILLZONE 3』のHermen Hulst氏にインタビュー!

文:電撃オンライン

 本日6月3日に、東京都内で開催されたPS3用STG『KILLZONE 3(キルゾーン 3)』のメディア向け発表会。発表会後に行われた、ディレクター・Hermen Hulst氏へのインタビューを掲載する。

 『KILLZONE 3』は、空の惑星・ヘルガーンを舞台に、独裁国家ヘルガストと宇宙共和国ヴェクタの特殊部隊ISAとの戦いを描いたファーストパーソンシューターのシリーズ最新作。3D映像対応に至る経緯や、一新された近接戦闘システムについてなど、発表会の内容を踏まえたさまざまな質問をHulst氏にぶつけている。ぜひチェックしてみてほしい。

『KILLZONE 3』
▲画像は、フォトセッション時のHulst氏。

――前作の発売から、かなり早いタイミングでの続編発表となりましたが、こちらの制作はいつごろからスタートしていたのでしょうか?

 前作の『KILLZONE 2』は2009年の2月に発売されたのですが、じつは『3』の開発は2009年の1月の段階で開始されていました。『2』の開発が終わって、まだチームが残っているうちに開発に取りかかれたので、モチベーションを保ったままのいい状態で作業ができました。

――本作は3D映像に対応ということですが、3D対応については開発のどの段階から意識して作られたのでしょうか?

 3Dに関しては、最初から対応することを考えて開発していました。『KILLZONE』は非常に臨場感があるゲームなので、どうしたらその部分をより伝えられるかを考えた結果、3Dに対応することを決めましたね。

――2Dでプレイするのと、3Dでプレイするのでは、ゲーム性や仕掛けなどに変化などありますか?

 レベルデザインやゲームデザインといったものでは違いはありません。ただ、たとえるならば、音をステレオで聴くのとモノラルで聴くのに違いがあるように、3Dと2Dでは感じ方が違うと思います。

――今回初めて3D対応のゲームを開発することになったと思うのですが、3D対応にあたり特に難しかった部分などはありますか?

 非常にたくさんありました。たとえば、ナイフで近接攻撃を仕掛ける時、ナイフを持った腕を立体的に見せるには、肘などの腕のパーツをぼやかさなければいけない。敵にも腕にもフォーカスを当ててしまうと、立体感があまり伝わらないんです。3D対応の映画を見る時に字幕を見ることになると思うんですが、字幕だけが宙に浮いているような感覚になってしまう。そういうことにならないよう、気を使って開発を進めています。

 補足で例を出すとすれば、クロスヘア(銃の照準)は、画面奥の目標を狙う時はフォーカスを奥に合わせ、手前の目標を狙う時はフォーカスを近くに合わせるように調整をしています。ただ、現在開発中のバージョンでは、金網でできたフェンスを通して見た場合などの作り込みがまだ甘いので、これから詰めていこうと思います。しかし、全体的にはスムーズに3Dへ対応できたのではないでしょうか。

 非常にラッキーだと思ったのが、ゲーム自体が3Dグラフィックで作られているものなので、3Dに対応させるのは思ったよりも簡単だったと思います。『KILLZONE』に関して言えば、雪や爆発といったエフェクトもすべて3Dグラフィックで作られているので、3D環境にも対応させやすかったですね。FPSというジャンル自体が3Dで表現されているものなので……プレイヤーに向かって弾が飛んできたりとか、奥行きが結構あるゲームですし……そういった意味では相性のよさを感じました。

――FPSは3Dとの相性がいいと?

 ジャンルとしての相性はもちろんいいですし、『KILLZONE』というゲームはディティールが非常に細かいゲームなので、3Dにすればうまく表現がマッチするかな、と思いますね。

――細かいところになるのですが、セブ(プレイヤー)へのダメージを表わす際に画面に血のりがつく部分など、ああいった表現も3Dで見えるのでしょうか?

 今の段階ではまだうまく表現できていないのですが、E3までにはさらにうまく表現されるようになると思いますよ(笑)。期待してください。

→『3』では宇宙のステージも!?
新要素や一新された近接戦闘にも迫る!!(2ページ目へ)

(C)Sony Computer Entertainment Europe.

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データ

▼『KILLZONE 3』
■メーカー:SCE
■対応機種:PS3
■ジャンル:STG
■発売日:未定
■価格:未定

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