2010年6月10日(木)
杜の都で名だたる魔法使いたちがしのぎをけずる!! 『MTG』グランプリ仙台レポ
6月5、6日の2日にわたって、トレーディングカードゲーム『マジック・ザ・ギャザリング(以下、MTG)』のプレミアイベント“グランプリ仙台”が、仙台市の夢めっせみやぎで開催された。
『MTG』のプレミアイベントと言えば、3月に開催され、1,100人を超える参加者が集まった“グランプリ横浜”も記憶に新しいが、今回も、事前の予想を大きく上回る900人超の参加者が集まり、グランプリ本戦、そして豊富なラインナップで開かれた併催イベントともに大盛況の2日間となった。ここでは、そのイベントの模様をお伝えしていく。
■ 本戦の様子をレポート! ■
当日は、あいにくの雨模様だったが、朝早くから多くのプレイヤーが来場。グランプリ本戦を前に、最後のチェックを行う者、バイヤー・ブースで足りないカードを購入する者、トレードに興じる者などで盛り上がっていた。
予想を超える参加者の増加に、急きょテーブルが増設され、グランプリ本戦は10時過ぎに第1ラウンドがスタート。今大会のフォーマットはスタンダードとなっており、初日は9回戦を戦う。ここで7勝2敗以上の成績をおさめたプレイヤーのみが2日目にコマを進めることができる。今後のイベントスケジュールでは、このグランプリの後に“日本選手権”がひかえている。よって、この大会の結果が今後開催される日本選手権の予選、そして本戦で各プレイヤーが選択するデッキに大きな影響を与えるのは間違いない。そのため、多くのプレイヤーが今の世界最先端のデッキ、テクニックを一目見ようと、各試合に熱い視線を送っていた。
筆者も、青白のコントロールデッキで本戦に参加したが、残念ながら7回戦目に3敗目を喫し、4勝3敗となったところで途中棄権することに。事前の予想で優勝候補と思われていたのは、『エルドラージ覚醒』発売前から環境の中心となっていた“ジャンド”、『エルドラージ覚醒』で《前兆の壁》《ギデオン・ジュラ》を獲得し、一気にパワーアップを果たした“青白タップアウト”とその派生形である“PWC(プレインズウォーカー・コントロール)”、そして《エルドラージの徴兵》を得て、殺傷力が格段に増した“徴兵バント”など。しかし、大会が始まってみれば『エルドラージ覚醒』で登場したクリーチャー《復讐蔦》を中心にすえたバントデッキ、製作者である海外の有名プレイヤー、ブライアン・キブラーの名前を取った、通称“キブラー・バント”が大暴れし、なんと使用者11人中9人が初日を突破、4人いた全勝プレイヤーのうち3人を占めるという結果になった。
このデッキは《前兆の壁》や《海門の神官》など、戦場に出た時にカードを引けるクリーチャーが多く投入されており、息切れを起こしにくい作りになっている。こうしてカードを引き増すことで、連続してクリーチャー呪文を唱えて《復讐蔦》の墓地からの復活能力を生かす構成だ。《復讐蔦》はパワー4と“速攻”に加えて墓地から戦場に戻る能力を持つため、コントロール・デッキの《審判の日》や各種プレインズウォーカー、ジャンドの《荒廃稲妻》などに対して非常に強く、今大会の有力デッキに対して極めて効果的なクリーチャーであったようだ。
こうして“キブラー・バント”を中心に、熱戦続きとなったこのグランプリの結果は『MTG』公式サイトにカバレージが用意されているので、そちらにぜひ目を通してもらいたい。
▲9回戦の長丁場といった初日。デッキの強さはもちろん、集中力や持続力も求められるハードな大会となった。 |
▲注目の試合が取り上げられるフィーチャー・マッチのテーブルは、常に黒山の人だかりだった。 |
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[Text by ねこひげ合同会社/ゆば]