2010年7月13日(火)

早く遊んでほしい! 『KOF XIII』開発スタッフ2人が稼働直前の気持ちを告白!

文:電撃オンライン

 7月14日に稼働するSNKプレイモアの業務用格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII(以下、KOF XIII)』。本作を手がけた開発スタッフ2人にインタビューを行った。

 『KOF XIII』は、同社が展開する2D対戦格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ(以下 KOF)』シリーズの最新作。2003年から続いてきた“アッシュ編”が完結すること、新キャラ・新システムを追加することが発表されている。

 稼働を間近に控えた今回、プロデューサーの久木野雅昭さんとゲームデザインディレクターの山本圭さんにインタビューを敢行。現在の心境を語ってもらったので、前回のインタビューとあわせてご覧いただきたい。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』
▲左が山本さんで、右が久木野さん。前回に引き続き、『KOF XIII』に込めた思いを語ってくれた。

――稼働日である14日が迫っています。まずは率直な気持ちを聞かせていただけますか?

山本:本作はロケテストを何度も行い、その意見を反映させています。とはいえ、ユーザーの方が気にしているのは「本当に楽しく遊べるの?」ということ。とにかく早くさわってほしいので、稼働が待ち遠しいです。

久木野:やはり「楽しみ」のひと言です。前回のインタビューでも話させてもらいましたが、ゲームデザイン、システム、グラフィックス、さらにBGMまでこだわり抜いて作っています。さらに今回は、制作するにあたり考えていたことがありました。

――キャラクター、ゲーム性、ストーリーという“KOFイズム”を意識して作られたということでしたが、それとは違うことですか?

『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』

久木野:それは開発スタッフが意識していたことですね。現在、残念ながらアーケードの市場は縮小しています。たとえいい作品ができたとしても、ユーザーまで届かないかもしれない。今回は、開発スタッフ、オペレーター、ユーザーのそれぞれが満足、納得するような形を考えつつ、制作しました。

山本:作品を作り上げて、それをリリースするだけという時代ではないと考えています。ロケテストで同じような意見があれば、それを見直し、ユーザーが満足いく作品、楽しめる作品を真剣に作り上げました。そしてオペレーターにとっても、置いてもらえる価値を見出すことに注力しています。

――たとえば、どういったところでしょうか?

山本:今回、スタート時にいずれかのボタンを押しながらスタートボタンを押すとトレーニングモードに入れるようになっています。ユーザーが対戦をしに店舗を訪れた時に、誰もプレイしていない場合「なんだ、今日は帰ろうか」という選択肢も出ると思うんですが、それを防ぎたいという意図があります。(基本設定で)7分間プレイできるので、最大ダメージを与えられるコンボの練習をしたり、まだ慣れていないキャラをさわったりできます。

久木野:この7分という時間は店舗で変更できるのですが、こちらとしての設定は7分にしてあります。また、トレーニングモード中に乱入された場合、残り時間が3分以下だった場合でも、対戦で勝った場合は、再度3分間プレイできるという仕組みも用意しています(※3分以上あった場合は、残り時間は引き継がれる)。

――たとえ残り時間が2秒だったとしても、また3分遊べるのですか?

久木野:はい(笑)、1秒だったとしても3分遊べます! キャラは途中で変更はできませんが、対戦で勝利して再度トレーニングモードに入った時には、また選びなおすことが可能です。

――コンボの練習をしていると7分はあっという間に終わりそうですね。

山本:意外と長く感じないと思います。相手キャラの動きや自分のキャラのゲージ設定など、コンシューマ同様の設定も可能です。「誰も遊んでいないから帰ろう」ではなく、「トレーニングモードをやって待っていよう!」という選択をしてもらえれば幸いです。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』 『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』
▲自分の設定、敵の設定を行い、時間内に自由に練習できるトレーニングモード。スタートボタンを2度押すと、中央にすばやく戻れる。

――本作は細かくロケテストをして、バージョンアップを行っています。簡単な作業ではないと思うのですが、いかがですか?

山本:簡単ではないですね(笑)。ただ、作り終えた後で、スタッフの考えていたイメージと、ユーザーが考えていたイメージに温度差があっては困る。いただいた意見は、キャラの動きから技1つまで細かく目を通しています。

久木野:当然、簡単な作業ではありません。しかし、開発スタッフは意外と楽しんでやっていましたね。

――ユーザーのために、ということですね。3月25日にはベルサール秋葉原で“『THE KING OF FIGHTERS XIII』オフィシャル プレビュー”を行いましたが、業務用のソフトで発表会を、さらにユーザーを招いて行うという、あまり類を見ない発表会には、気合いが入っていると感じました。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』
▲イベント開始前の様子。さらにこの後、多くのファンがつめかけ、会場に入りきれないほど。

久木野:アーケード業界を見ても、完成発表会ですら少ないのに、プレビューイベントですからね。あの日は雨が降っていて、かなり肌寒かったので、「ファンも来てくれないのでは?」と思っていました。しかし、早い時間に100人ものファンが並んでくれて、さらに始まる時間には立ち見を含め、入りきれないファンの方々が……。本当にありがたかったですね。

――「今日、3月25日が何の日だか知っていますか?」という質問に、ファンから「(八神)庵の誕生日!」という声が上がっていましたね。

山本:シリーズの歴史を感じた瞬間でした(笑)。待っている人たちが大勢いるタイトルであることを認識し、そのファンによろこんでもらえる作品にしようと決意しましたね。

久木野:参加者の中には、地方からわざわざ足を運んでくださった人もいました。さらに、次の日から行われたロケテストにそのままいらした方もいて、しっかりとした手ごたえを感じました。また海外からもお越しいただいた方もいらっしゃったようです。バルセロナからホリデーで来られたファンの方がイベントとロケテストに来ることができてすごくハッピーだと熱く語っておられ、世界中のファンの期待を感じることができてうれしかったですね。

――公式ブログではキャラクターの制作過程や特徴を細かく解説し、カウントダウンサイトではEX必殺技/EX超必殺技の説明や、新システム“ドライブキャンセル”のタイミングも動画で公開しています。これについても、これまでは見られなかった展開だと思うのですが?

久木野:ちょっとやりすぎか、ってくらいに解説していますよね(笑)。これはユーザーにシステムを使いこなしてほしいからです。プレイの幅が広がるので、稼働当日から使ってもらいたいという狙いです。あとは、弊社としても今までにないようなプラスアルファの試みをして、本作をアピールしていきたいという狙いもあります。

山本:公式サイトとブログ、そしてカウントダウンサイトでは意識しているユーザーが違うのです。ストーリーやキャラクターを支持している人はキャラやチームのストーリーを公式サイトで、制作秘話やキャラの特性を理解したい人はブログを、とにかくシステムを早く理解したい人は動画を、という感じです。

『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』 『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』
▲動画は繰り返し流れるので、気になるシーンを何度も見られる。ちょっと見逃しても、そのまま継続して見られるのでは?

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データ

▼『ザ・キング・オブ・ファイターズ XIII』
■メーカー:SNKプレイモア
■対応機種:AC
■ジャンル:FTG
■稼働時期:2010年7月14日

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