2010年7月14日(水)

【電撃乙女部】ウワサのBLバーに潜入! 禁断の世界にハートクラクラ☆

文:電撃オンライン

【電撃乙女部】

 お世話になります。電撃乙女部に初参戦のライター・エースです。

 “乙女と腐女子の間”を冷静と情熱に挟まれながら、漂い続ける私。今回、まったく頼まれてもいないのに勝手に取材へ行きました。その場所とは……。

ぼーいずらぶばー。

きゃんゆーあんだすたん?

ボーイズラブバー!

BoysLove-Bar!!

 そうです!! 今、ゲリラ雷雨のごとく局地的にすごい盛り上がりを見せている、BLバーに行ってしまったのです!


■BLバーって、どういうの??

 秋葉原に5月末オープンしたばかりのBLバー“Miracle JumP(ミラクルジャンプ)”。開業のニュースがいろいろなサイトで取り上げられたので、その存在だけは知っている、という方も多いのではないでしょうか。

 3次元スタッフに加え、2次元スタッフまで存在するこちらのバー。「腐女子&腐男子さん大歓迎」とのことですから、要は……その……そうですよ。ボーイズがラブするのを楽しめる、懐が広い人のためのお店なのですね。

 執事喫茶や男装喫茶など、さまざまなコンセプトの飲食店がこれまでに誕生してきたわけですが、ここまで大胆にBLと腐女子向けを打ち出したお店は初めてではないでしょうか。しかもね……掲げられているメニューがこれまたスゴイわけです。

・やおい汁
・ぼくらのソーセージ
・生BL(ビール)

 だーいじょーぶなーのーかー!?(いろんな意味で)

 確かにおもしろいけど、ちょっと品に欠けるこの名称の数々。口に出して注文するのもはばかられる、お上品な腐女子だっているんでございますのよ。

 ええい、情報だけ仕入れても始まらん!! こうなったら自分の目で確かめるしかあるまい。意を決して、私は友人を誘い(妊娠7カ月、おなかパンパン)、“ミラクルジャンプ”へお出かけしてみることにしたのです。


■ビルの3階にあったのは……!!

「よくよく考えたら、胎教に……あまりよろしくないのではないでしょうか」

 友人にそう声をかける私。店へ向かう秋葉原のど真ん中で、妊婦は「わはは」と笑います。

「いいんです、英才教育ですよっ」

 お腹の赤さんは、まだ性別不明とのこと。女の子なら、腐女子に。男の子なら……どうなるんでしょう……。

「お母さんが楽しいと、おなかの子も楽しむらしいですよ。私が『ニコ動』見てると、よく動くんです」
「英才すぎるね、ソレ」

 2人でズンズンお店に向かいます。秋葉原駅からは徒歩5分ちょっとといったところでしょうか。

「私、リアルなBLに接するのは初めてなので、ドキドキします」

 彼女の言葉を聞きながら、私は心の中で自分の過去を振り返っていました。田舎から東京に出てきて、入った大学でわりといいな、と思っていたクラスメイトの男子が飲み会の帰りに「泊めて」って言うんで、これはキターッてことで勇気を出して告白したら「ごめんね、僕、女の子に興味がないんだ(にっこし)」って返された私(実話)。

 正座したまま「そ……それはそれで、了解です!!」って返事して、いつの間にか彼と茶飲み&ゲーム友だちになってしまった私。恋心と友情の狭間で揺れつつも、彼の生きる世界についていろいろ理解を深めようとして、気がつけば腐女子の深淵へとズブズブはまったのは、言うまでもありますまい。若き日の3次元BL洗礼+失恋を思い返して泣きそうになりながら、いよいよたどりつきました!!

【電撃乙女部】
▲お店の前にて。2次元スタッフの笑顔がお出迎えです。

「おお……いざとなると緊張しますね」

 年季の入ったビルの階段を、恐る恐る上っていきます。そして、3階をのぞきこんでみると……。

「うわ!! 満席っぽい!!」

 そうなのです。土曜日の夕方とはいえ、開店後まだ30分にもかかわらず、こじんまりとした店内にはお客さんがいっぱい。見渡せば、男性のお客さんも数人いらっしゃるようです。

「どうしようか、ソファ席はいっぱいに見えるなぁ」

 にぎわう店内を様子見しつつ、階段のところで立ちすくむ私たち。そこへ店内から、1人の元気な男の子が駆けてきました。

「いらっしゃいませ!! カウンター席ならすぐご用意できますよ。お2人ですか?」

 白い肌。キラキラな微笑み。天使のような、くるりとした瞳。これが……私と小悪魔な少年・てっぺーくんとの運命の出会いだったのです……っ!!

 って、あるかー!! そんな乙女全開ハーレク●ン的展開なわけあるかーーーー!!(ちゃぶ台をひっくり返しながら)


■とりあえず、カウンター席ではやる気持ちを落ち着けつつ……

 よくわからん妄想など炸裂させつつ、ドキドキしながら席へ案内される私たち。

「当店は初めてですか? てっぺーです。よろしくお願いしますっ」

 名札を見せて、スタッフの男の子があいさつをしてくれます。しっかりと目を見て話してくれるので、まぶしいです。キラキラにクラクラします。日ごろ、編集部で2泊3日とかしてる男性陣ばかりを目にしている私には、まるで清流の中を泳ぐ若鮎のように輝いて見えます。

 この段階で、しっかりとテーブルチャージなどについて解説をしてくれました。要はカラオケボックスみたいなもので、一定の時間を過ぎると払うお金が増えるから自分で管理してね、ということです。事前に料金システムは詳しく教えてもらえるので、初心者さんも安心です。

 ひとまず、飲み物を頼むことにします。なんたって妊婦さんと一緒なので、がぶがぶ酒を食らうわけにもいきません。今回はおまかせで作ってもらえるノンアルコールのカクテルを注文することにしました。その名は……。

“ノンケカクテル”

 ノンケ……ですか。そうですか。よくよくメニューをながめてみると、何から何まで凝った名前がつけられております。

【電撃乙女部】 【電撃乙女部】
▲解説文まで、実に細かい。細かすぎる。

「これですよ、うわさのジュース。飲みますか? やおい汁」
「いやー……その、口に出すのが、どうも」
「えっ!? 口に出すのがなんですか?」
「いや、その口に出すじゃなくて!! 言葉にして注文するのが恥ずかしいって意味で!!」

 店内はいい感じににぎやかでした。だからこういうトークをしていても、隣の客がドン引き、なんてことはございません。なんたってここは、腐女子と腐男子が集まるお店なのです。気兼ねがいりません。お酒を飲んでもいないのに、ちょっとずつ“一般人”という名の頭のネジが緩んでいくのがわかります。ものの数分で、すっかりくつろぎはじめる私たち。さらにネジをゆるめて楽しい時間を提供してくれるのが、とても個性的な3次元スタッフの皆さんでした。


■くせになる、絶妙なほのぼの感

 私たちが入店した日には、4人のスタッフさんがホールとカウンターに分かれて、てきぱきとサービスしてくれていました。忙しすぎててんてこ舞いになってしまう時もあるけれど、お客さんのほうからフォローしたりする、和やかな空気が流れています。カウンターの中は2人体制。みんなのリーダー的存在・たいち兄さん(あえて兄さんと呼ぶ)が、華麗な手さばきでカクテルを作っていました。それを手伝っているのかいないのかよくわからないタカヒロくんが、汗をふきふき眺めています。

「おまえ、働けよなー」
「ちゃんと働いてるよー。みんなとおしゃべりして、楽しい話題を振りまいてますよ」
「おしゃべりしかしてないのに、なんでそんな汗だくなんだよっ」
「しょーがないでしょ! ここは暑いし、僕、汗っかきなの」

 まるでコントのようなやりとりに、思わず笑ってしまいます。サービスなのか、素なのか──境目がわからない曖昧な印象が、現実と妄想のすきまをうまく埋めてくれる。そんな楽しさがあります。

「彼らを見てると、なんだかほのぼのしちゃって、クセになっちゃうんですよね」

 たまたま隣に座った女性は、20代前半の常連さん。今週はもう3回目の来店で、1人でもちょくちょくココを訪ねるそうです。

「ほどよくみんなとお話できて、妄想トークも遠慮なくできるのがいいですね。アットホームな雰囲気も好きだけど、みんながプロだなぁって思う瞬間もいっぱいありますよ」

 このお店の楽しみ方を熟知している彼女が、スタッフのプロ根性を感じる瞬間とは……!!

→次のページでは、ウワサのジュース“BLシェイカー”の実態が明らかに!!

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