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2010年8月11日(水)

北欧神話がモチーフのカワイイ系MMORPG『DIVINA』インタビュー

文:電撃オンライン

 ガマニアデジタルエンターテインメントが、この夏から秋にかけてサービスを開始する新作MMORPG『DIVINA』(ディビーナ)。今回、『DIVINA』運営スタッフの説明を受けながら本作をプレイしてきたので、そこで判明した魅力的なゲームシステムを紹介しよう。
 開発元は、Gamaniaグループ傘下で『ルーセントハート』を開発したPLAYCOO(プレイクー)。キャラクターの可愛らしさやアバターアイテムの豊富さといった特徴を継承しつつ、プレイに便利な機能の追加やインターフェイスなどに改良を加えた作品となっている。

■北欧神話を主軸に世界の神話を取り入れたストーリー

 『DIVINA』の世界観のベースとなっているのが北欧神話。世界の中心には“世界樹”があり、その恵みを受けて上層界/中層界/下層界という三つの世界が成り立っている。それぞれ上層界には神族、中層界には人類、下層界には魔族が暮らしている。数千年前、上層界の統治者たるオーディンに、邪神ロキが叛旗を翻したことによって、世界全体を巻き込んだ戦乱が起きた。辛くも勝利したオーディンはロキを下層界に追放するが、その力が完全に失われることはなく、オーディンへの復讐を狙う。それを察知した神族は、世界樹の力を使ってロキの陰謀を阻止しようとするものの、そうした試みがかえって世界を崩壊に縁に立たせようとは、まだ誰も気づいていない……。
 そんな情勢を背景に、プレイヤーキャラクターは突如、中層界に現れた不思議な少女クラリスとともに、世界修復の冒険に旅立つことになる。

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▲北欧世界がモチーフだけに、ヴァイキングやワルキューレのような彫像が街中に建っていたりする。キャラクターの衣装といい、建物のデザインといい、可愛らしい造形が特徴。

 可愛らしいキャラクターが活躍するファンタジー世界とあって、ゲーム内の景色や建物のデザインは童話のように可愛らしく、デフォルメの利いた色鮮やかな景色が広がっている。プレイヤーキャラクターの頭身と年齢設定は『ルーセントハート』よりも低めで、やや好みの分かれるところかもしれない。

 フィールドのみならず、敵モンスターも可愛らしい造形で、ヒツジやペンギン、犬などの姿をした童話に出てきそうなデザインのモンスターが登場。北欧神話をベースに、アップデートで世界各地の神話を取り入れていく予定で、現状では日本の神話(というより民話・伝承?)要素として、安倍晴明や浦島太郎もいる。また、北欧神話の主神たるオーディンも変わった姿で登場するなど、ビジュアルには独特のこだわりがあるようだ。

■1キャラが二つの職業を持つダブルキャストシステム

 プレイヤーキャラクターの職業はファイター、ウィザード、クレリック、レンジャー、忍者の5種類。ファイターは近接戦闘、レンジャーは遠距離攻撃、ウィザードは攻撃魔法、クレリックは回復魔法をそれぞれ得意とする。忍者は近接と遠距離の両方をバランスよくこなし、身を隠したり分身の術も使えるトリッキーな職業のようだ。

『DIVINA』 『DIVINA』
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▲キャラクターメイキング画面で、それぞれの職業を選んでみたところ。顔や髪型に加えて、キャラクターボイスも選べる。

 『DIVINA』の大きな特徴が、1キャラクターで二つの職業を持てる“ダブルキャスト”システム。プレイヤーキャラクターはレベル30以上になると、サブ職業を前述の5種類から選択できる。メインとサブは、それぞれにレベルが設定されており、使用中の職業だけ経験値を獲得できる。プレイ中にはいつでもメイン/サブを切り替えることが可能だ。例えばメインの職業でHPがかなり減った状態からサブ職業に切り替えると、HPは最大値の状態で始まる。そしてサブ職業で戦っている間に、メイン職業のHPはゆっくり自然回復している、という具合だ。

 一応“サブ職業のレベルはメイン職業のレベルを超えられない”という制約がある。課金アイテムなしの状態でキャラクタースロットは2つ用意されているので、職業5種類のうち4種類は並行でプレイすることも可能だ。

 上位職への転職やスキル追加のためではないサブ職業というのは、少々意図の分かりづらい仕組みだが、ガマニアの担当者に聞いたところ、「パーティメンバーの募集に対して柔軟に対応でき、多人数戦闘のときは前衛と後衛を交代することができるため、新たな戦術性がうまれます」というメリットがあるとのこと。確かにメイン職業と異なる職業に自然と目が向く仕組みではあるので、おもしろい使い方のできる場面が、いろいろ用意されるのかもしれない。

『DIVINA』 『DIVINA』
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▲メイン職業=レンジャーのキャラクターが、クエストを通じてウィザードのサブ職業を身につけたところ。クエストはレベル30で挑戦でき、サブ職業はレベル25からスタートする。

 VIT(バイタリティ)やAGI(アジリティ)といった基本ステータスのほかに、キャラクターの発揮能力を決める要素としては、職業ごとに用意された“スキル”と“アビリティ”がある。アビリティは、例えばウィザードなら“光明”系統と“暗黒”系統、忍者なら“忍術”系統と“暗殺”系統という具合に、2系統ずつ用意されていて、キャラクターの個性化に役立つ。また、キャラクターの育て方はプレイヤーの好み次第だが、現状のレベルキャップ80までで考えると、すべてのスキル/アビリティをフルに伸ばすだけのポイントは手に入らない。必要なスキル/アビリティに絞って特化したほうが強くなりそうだ。

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▲キャラクターの基本ステータスは、STR、VIT、AGI、DEX、MID、INTの6項目で、画面ではブロックダイアグラムで表示される。“アビリティ”は職業ごとに2系統ずつ用意され、画面のレンジャーでは“神秘”方面と“壊滅”方面にそれぞれポイントを割り振っていく。

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▲ストーリーの牽引役となるNPCクラリスともう一人の謎の少女との間には、深い関係が…?

■親密度が重要なソウルメイトなど3種類のペットシステムを備える

 ペットシステムが充実しているのも『DIVINA』の特徴の一つ。プレイヤーの戦闘を支援したり、素材アイテムを持ってきてくれるなど、“ソウルメイト”は『ルーセントハート』譲りのシステムだ。プレイヤーにどれだけ積極的に協力してくれるかは“好感度”によって決まり、これはゲーム中で“会話”を繰り返すことで上がっていく。逆に戦闘でソウルメイトを見殺しにしたり、長い間放置したりすると下がってしまう。ソウルメイトは独自のステータス数値を持っていて、成長の方向性はプレイヤーがコントロールできる。現時点で無条件に入手できるのはネズミとウサギの2種類だが、ネコなどもいて、今後は人型のキャラクターも登場するようだ。それぞれ専用のアバター衣装を着せることでき、ステータスもプレイヤーキャラクターと同じく6種類が設定されるそうだ。

 ソウルメイトとは別に騎乗タイプのペットや、常にプレイヤーキャラクターの周囲にいて、ステータスアップの効果などをもたらしてくれるフェアリーペットも用意されている。

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▲ソウルメイトのイメージグラフィックスおよび設定画。同じ種類のソウルメイトでも、魔法型と物理攻撃型、どちらにも育てられるようだ。
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▲キャラクターのバッグの中からソウルメイトを召喚して戦闘に入ると、けなげに手伝ってくれる。ただし、どのくらい真面目に手伝ってくれるかは、好感度次第だ。
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▲ソウルメイトのステータスを上げるためには、“教育”を重ねる必要がある。同じく好感度を上げるためには会話が必要なのだが、現状では話題のジャンル(例えばサイエンス、など)を選んで結果を待つだけと、ややそっけない。ジャンルに沿ったトリビアが表示されたりすると、ちょっと面白いのだが。

■ほぼすべてのモンスターに変身できるモンスターキャストシステム

 プレイヤーキャラクターが、ほぼすべてのモンスターに変身できるようになる“モンスターキャスト”システムもプレイを進めるうえで重要だ。プレイヤーキャラクターが初めて倒したモンスターは“図鑑”に登録され、ゲージが表示される。同じ種類のモンスターを倒すことでゲージが増加していき、100%になるとそのモンスターに変身できる。プレイヤーキャラクターは変身することにより、現状使用できるスキルに加えてモンスター固有のスキルを使えるようになる。変身時間は30分、解けてから次に変身できるまでの時間も60分なので、ここぞというタイミングを見極めて使う戦闘テクニックになるだろう。

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▲倒したモンスターは“図鑑”に登録される。一定数倒すことでゲージが100%になり、そのモンスターに変身可能になる。
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▲変身可能になったモンスターの画像は拡大表示可能に。カードコレクションを思わせるデザインの図鑑を埋めていくのが楽しいのだ。
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▲河童型のモンスターに変身してみたところ。プレイヤーキャラクターの基本ステータスを引き継ぎつつ、そのモンスター独自のスキルが利用可能に。

■ブラウザゲームのストラテジー性を取り入れたテリトリーシステム

 ほかのゲームがほとんど備えていない『DIVINA』独自のプレイ要素が、クラン(プレイヤーギルド)単位での“テリトリー”システムだ。このシステムを簡単に説明すると、MMORPGにブラウザゲームの街づくり要素を付加したもの。“個人領地”“クラン領地”“拠点”という三つの規模で土地を開発することができ、冒険にも影響を与える仕組みになっている。

 まず、全プレイヤーが所有できる個人領地。ここにポーション屋、バフ屋、倉庫などといった施設を建てていくことで、プレイヤーキャラクターは消耗品を入手したり、アイテムを管理したりといったメリットを得られる。基本的な建物はだいたいレベル25までに建てられるそうなので、ごく序盤から普通のプレイと並行して、開発を進めていくことになる。

 クランを結成することで、そのリーダーによって開発可能になるのが“クラン領地”だ。こちらもプレイに役立つさまざまなアイテムや支援要素を生み出すが、開発には個人領地よりも多くの投資が必要となる。クラン領地の開発のためには、クランメンバーに税率を設定して、各自の個人領地から上がる収益を徴収する形となっている。つまり、メンバー各自が積極的に個人領地を開発していき、合意のもとにそれを結集することで、クラン単位でのメリットを生み出すという政治的な仕組みなのだ。リーダーはメンバーの意思を一つにまとめる手腕が問われるだろう。

 クラン領地と同様に、“拠点”でもメンバー総がかりでの協力が重要だ。拠点とは、ゲームマップの地域ごとにクランの拠点を設けてその土地での戦闘時にバフ効果が得られるようにしたり、ふだん入れないダンジョンに入れるようにしたりする仕組みのこと。現在の仕様では、あるクランが拠点を持つ地域に別のクランが拠点を設けても、それぞれにメリットを得られる仕組みになっている。ただ、拠点という名前が示すとおり、ゆくゆくは地域の占領を排他的な概念にし、クラン vs. クランの競合要素にしていく予定とのことだ。

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▲ブラウザゲームの魅力を取り入れたテリトリーシステム。左から、個人領地、クラン領地、拠点の画面。拠点については排他支配になる予定とのことなので、ストラテジー性の有無はさておき、実際にマップ上でクラン同士が土地を奪い合う形になる。

 クラン同士の競合要素があるとなれば、PvP戦闘が気になるところだが、レベル35以降で可能ということ以外詳細は未定。ただし、フィールドPKの有無に関して言えば、クローズドベータテストでは可能なサーバーのみとし、オープンベータテスト以降サーバーを分ける形になる公算が大きいという。プレイするに当たっては、まずサーバー選びから気をつけておいたほうがよさそうだ。

■堀江由衣さんや田中理恵さんによるキャラクターボイスも魅力

 操作やコミュニケーションのためのインターフェイスは、『ルーセントハート』のものをベースにしつつも、さらに改良が加わっている。例えばチャットウインドウは画面内で自由な位置に置けるようになり、受諾クエストのリストはサイズが大きくなったことで見やすくなった。また、スキルを登録しておくショートカットバーの表示についても自由度が増し、新たに職業別のチャットシステムが導入された。

 『ルーセントハート』で気になった点といえば、街から街への移動がたいへんだったことだが、『DIVINA』ではマップから目的地を指定するだけで移動を開始できる“オートラン”機能も導入された。特殊な移動手段が無料で開放されたわけではないので、移動の所要時間については依然として気になるが、移動指定の手間という点では大幅に改善されたといってよいだろう。

 ゲームの機能というわけではないが、今後のアップデートで“ボイスパッチ”の導入が予定されているのも、楽しみなところだ。有料/無料など詳細は未定であるものの、現在のところ子安武人さん、水島大宙さん、堀江由衣さん、田中理恵さんがラインナップされている。

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▲『DIVINA』は1サーバー当たり6チャネルが用意されるが、パーティメンバー募集はチャネルを跨いで表示される。▲『ルーセントハート』よりもかなり大きくなったクエストブック。受諾中のクエストの確認や管理がぐっと楽に。
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▲マップ上で目的地を指定することで、キャラクターを移動させるオートラン機能を搭載し、移動時の手間が軽減。▲アバター衣装の“試着”は『ルーセントハート』譲りの機能。ショップでの買い物に重宝する。

■職業ごとの得意技を使い分ける楽しみが期待大

 テスト版を少しだけプレイしてみたところでは、基礎部分はいたって素直なクリックベースのゲーム。キャラクターの移動はマウスクリックのほか、カーソルキーおよびWASDキーでも可能で、ターゲッティングはマウスクリック、スキルの発動は数字キーないしマウスクリックで行う。

 攻撃魔法はちゃんと敵を狙って撃たないと当たらなかったり、レンジャーが罠を駆使することで戦闘が有利になるなど、工夫しがいのあるスキルが多い点は大きな特徴だろう。ダンジョン内の隘路に地雷を仕掛ける、モンスターを多数引きつけておいて空爆のような範囲攻撃スキルで一気にダメージを与えるなど、このゲームにおけるレンジャーはロビンフッドのような弓師ではなく、むしろ戦闘工兵に近い職業に感じた。

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▲忍者で姿を消すスキルを使い、敵に一撃を加えたところで露見、続けて斬撃系スキルを繰り出したところ。PvP戦闘などでは威力を発揮するかも。
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▲ウィザードの魔法攻撃は、画面エフェクトのパーティクル(粒子)表現が不透明だったため、ちょっと見にくい。
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▲レンジャーの“地雷”スキル。画面に置かれた爆弾に敵が触れた瞬間に炸裂。仕掛けた本人はダメージを受けないので逃げる必要はない。
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▲こちらもレンジャーの範囲攻撃スキル“水素爆弾”。ネーミングはもしかしたら考え直したほうがいいかも……。

 これらにダブルキャストによる職業切り替え、モンスターキャストによる独自スキルの活用が加わることを考えれば、戦闘は現状で想像できる以上にバリエーション豊かなものとなるだろう。ちなみに香港におけるベータテストの結果では、珍しさゆえか忍者が人気で、ほかの職業についてはほぼ均等だったようだ。職業バランスについては、ある程度期待してよいかもしれない。

 『DIVINA』のクローズドベータテストは間もなく実施される。『ルーセントハート』では残念なことにベータテスト序盤でサーバートラブルが頻発したものの、『DIVINA』は事前に香港で入念なテストを行っていることから、そうした心配は少ないとのこと。

 新しいプレイ感覚が味わえるカワイイ系MMORPGを探している人は、ぜひ『DIVINA』を試してみてほしい。

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▲エモーションとして用意されている、顔の表情。
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▲こちらは仕草としてのエモートアクション。静止画ではちょっと分かりづらいが、それぞれ、手を振る、休憩する、貴族風のお辞儀をする、おしりペンペン。

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データ

▼『DIVINA』
■運営:ガマニアデジタルエンターテインメント
■開発:PlayCoo
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:未定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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